ついに、デジタル音楽プレーヤー・iPodシリーズが終えんを迎えます。2001年に約1,000曲収録可能なHDDを内蔵した初代iPodを発売、以来2004年にiPod mini、2005年にiPod shuffleとiPod nano、2007年にiPod touchと種類を増やしましたが、やがて音楽再生はスマートフォンという時代に。そして第7世代iPod touchの在庫払底をもち、販売終了となることがついに発表されました。
iPod touchはiPhone同様にiOSを採用したデバイスで、タッチディスプレイやWi-Fi、Bluetoothを備えるなどハードウェア面でも多くの共通項を持ちます。アプリの互換性もあるため、ストリーミングやゲームなどさまざまな用途に活用できます。
ただし、ハードウェアスペックでは決定的な違いが。現行の第7世代iPod touchは2019年発売ということもあり、搭載されているSoCはiPhone 7(2016年発売)と同じ「A10 Fusion」です。そのうえ動作クロックはiPhone 7が2.34GHzのところ1.64GHzと低く抑えられ、アクションゲームのように高い演算/描画性能を求められるアプリの利用には厳しい部分があります。
カメラ性能も大きく異なります。第7世代iPod touchのリアカメラは800万画素、最新のiPhone 13のように複眼レンズではありません。対応するWi-Fi規格はIEEE 802.11a/b/g/n/acと、最新の「ax」には非対応です。おサイフケータイ/FeliCaに非対応だからApple Payは使えず、ワイヤレス充電にも非対応、GPSや近接センサーもなければTouch ID/Face IDもありません。
とはいえ、最新システムのiOS 15で動作するうえ、32GBモデルは2万円台と現在新品で購入できるiOSデバイスとしては最安値。iPhone 7以降は廃止されてしまったイヤホンジャックも装備されています。ストリーミング対応の音楽再生専用端末と割り切れるのであれば、まだしばらく現役で活用できるはずですよ。