NTTドコモ モバイル社会研究所は5月11日、小中学生のパソコン/タブレットの利用状況に関する調査レポートを公開した。2021年11月に実施した調査の結果、利用率は9割に達した。
学校貸与パソコン/タブレットの利用が急増、前年比で10倍以上
対象を小学校低学年、小学校高学年、中学生の3グループに分け、学校から貸与された端末、家庭で所有する端末の利用率をそれぞれ調査した。
まず学校から貸与されたパソコン/タブレットの利用率を見ると、2020年に行われた前回の調査では数%しか利用されていなかったが、今回の調査では6割前後まで一気に普及が進んだ。
学校からパソコン/タブレットを貸与された時期を調査すると、小学生、中学生ともに2021年4月~7月が過半数を占めている。コロナ禍におけるオンライン授業の導入など、新しい教育体制がようやく整い始めたのは2021年度1学期からと推察できる。パソコンとタブレットの利用率はおよそ1:2で、学校教材としての貸与端末ではタブレットが主流のようだ。
家庭所有の端末を含めると利用率は9割に
家庭で所有するパソコン/タブレットの利用率は小学校低学年で約7割、高学年や中学生は8割前後だった。
デバイス別に見ると、タブレットが優勢であることは変わらないもののパソコン利用者が多めの構成比となっている。また、学校貸与端末の利用率と比べると年代ごとの差が大きく、低学年にはパソコンよりもタブレットをあてがう傾向が見られる。操作の馴染みやすさや親の端末を共有する場合の管理のしやすさ、あるいは子ども用に買い与える場合の安価な選択肢の多さなどが理由と考えられる。
学校貸与と家庭所有の両方を合わせると、約9割の児童が何らかのパソコン/タブレットを利用している。小学校低学年が85%、小学校高学年が90%、中学生が87%と全体的に利用率が高い。1年前の調査では30%台に留まっており、GIGAスクール構想やオンライン授業の影響の大きさがうかがえる。
調査概要
- 調査名:2021年親と子の調査
- 調査方法:訪問留置調査
- 調査対象:関東1都6県の小中学生とその親
- 有効回答数:500
- サンプリング方法:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
- 調査時期:2021年11月