米Intelは5月10・11にオンサイトイベントとしてIntel Vision 2022を開催した。ただオンサイトといいつつオンラインでも参加は可能になっている(同時ではないのだが)。ただ基調講演は同時にオンライン配信されており、こちらの内容から新製品情報をご紹介したい。
Core HX Processor(Photo01)
Core HX Processorそのものは別記事で詳細を説明しているが、Holthaus氏の説明によればこれは第12世代、つまりAlder Lakeの最後の製品ファミリーとの事。なので次に出る製品はRaptor Lakeになるという話であった。
この他、2026年までのIPUのロードマップが現地時間10日の午後のセッションで公開される予定とされ、またIFS(Intel Foundry Service)に関する詳細のセッションなども予定されている。これらについては、詳細が判り次第またレポートしたいと思う。
Sapphire Rapids(Photo02)
出る出るといいつつなかなか出てこなかった第4世代Xeon ScalableことSapphire Rapidsであるが、Rivera氏によれば「最初のSKUを本日出荷開始する」との事であった。現時点ではまだそのSKUの詳細は明らかになっていない。
ちなみにRivera氏の示したウェハ(Photo03)を見る限り、ダイはかなり正方形に近く、縦横ともに15個分ということから、ダイサイズは400平方mmほどになる。ちなみにSapphire RapidsはこれをChipletの形で最大4つ、一つのパッケージに実装することになっている。
Datacenter GPUその他(Photo04)
GPUに関しては、コンシューマ向けのDiscrete GPUそのものは先送りされており、今回はData Center GPUとしてArctic Sound-Mが紹介された。主要なスペックはこちらにある通り(Photo05)。3月末にARC AシリーズGPUでAV1 Encoderが搭載されたという話をご紹介したが、Arctic Sound-MもまたAV1 Encoderを搭載。同社によればデータセンター向けとしては世界初とされている。
またKoduri氏はProject Endgameにも触れた。これはCloud Gamingの一種と言うか、手近にあるGPU Resourceを利用してプレイできるというもので、実際ノートの内蔵GPUではまともに動かないMatrix Awakens CityのSample(Photo06)が、近くにあるDesktop PCのGPUリソースを利用する事で高速に動作する様が示された(Photo07,08)。
Koduri氏はまた、ExascaleのAuroraについても言及。既にPonte Vecchioが納入され始めているANLのAuroraであるが、"Exascale for Everyone"という、一般ユーザーにAuroraを利用できるキャンペーンを行う事を明らかにした(肝心のPonte Vecchioそのものについての言及はなし)。
Gaudi 2(Photo10)
Intelは2019年にイスラエルのHabana Labsを買収。それ以前に買収したNervanaのリソースをほぼ捨ててHabana LabsのGaudi/GoyaをAI Processorの中核に据えたが、このTraining向けのGaudiの第2世代であるGaudi 2が発表された。基調講演では、ResNet-50とBERTのトレーニング性能をNVIDIAのA100-80GBと比較して、ほぼ2倍の性能であるとしている(Photo11)。