米IntelのビジュアルコンピュートグループのLisa Pearce氏(バイスプレジデント兼GM)が5月9日(米国時間)に、コミュニティ向けブログにおいてメンバーから多く寄せられている質問に答える形で、Arcグラフィックス製品の出荷状況や今後の製品ロードマップについて語っている。7日にIgor's LABがドライバー開発の問題などからデスクトップ向けカードの発売が夏後半になる可能性を指摘、Intelにコメントやステータス情報を求める声がコミュニティから上がっていた。

ブログ記事でPearce氏が回答した質問1は、「Intel Arcグラフィックス・モバイル製品の状況について教えてください」。

モバイル向けGPUは、Samsungが搭載ノートPCを韓国で発売し、グローバル展開も開始した。当初の計画では他のOEMパートナーからの製品がすでに揃っている予定だったが、中国のロックダウンの影響やソフトウェア開発の遅れから拡大が5月にずれ込んだ。しかし、そうした制約下においても、Samsungのほか、Lenovo、Acer、HP、Asusなど多くのパートナーがArc 3搭載のノートPCの提供を発表しており、それらと協力して製品を速やかに市場に届けるための取り組みを進めている。そして、夏の早い時期にArc 5、Arc 7を搭載したノートPCが登場する見通しだという。

質問2は「Intel Arcグラフィックスを搭載したデスクトップカードはいつ登場するのでしょうか?」

デスクトップ向けグラフィックスカードについては、第2四半期中(4~6月)にエントリー向けAシリーズ(A3)の出荷を開始するが、中国のOEMパートナーおよびシステムビルダー向けに販売し、中国でパーツ販売向けに拡大した後にグローバルに展開する。

中国で先行販売するのは、製造施設に近く、エントリークラスのグラフィックスカードに対する需要が強いため。サプライチェーンの制約を受ける中で、効率的に顧客に製品を届けるために時差方式を採用した。ノートPCに比べてデスクトップはCPU、メモリー、マザーボードなどの構成の幅が広く、まずは特定の構成に絞り込んでOEMパートナーやシステムビルダーと準備を進める。

日本や米国、EUなどで注目されているデスクトップ向けミドルレンジのA5と上位のA7については、最初からワールドワイドに展開する予定。ただし、OEMパートナーおよびシステムビルダー向けに夏後半の出荷開始になり、その後ワールドワイドでパーツ販売に拡大する。