『動物戦隊ジュウオウジャー』(16)のセラ/ジュウオウシャーク役で本格デビューし、近年では映画『賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』(21)や映画『ハニーレモンソーダ』(21)に出演するなど、女優として活躍の場を広げている柳美稀。今月7日からは、カメラマン・福島裕二氏とタッグを組んだ写真展「柳美稀 × 福島裕二 写真展 -continue-」を、東京・アトリエY 原宿にて開催している(15日まで)。「理想の姿を表現できた」という同写真展への思いとは。写真展タイトルの“continue”には、「女優として大事にしていること」が深く関係していた。
■まさかの写真展に不安も
――写真展開催を聞いたとき、どのように思われましたか?
「写真展……!? 私で大丈夫なんですか!?」と思ったのが率直な感想ですね。写真集を出すことはあると思うんですが、写真展ってほとんどの人が経験しないことだと思うんです。そんな機会をまさか自分が与えてもらえるなんて思ってもいなかったので、楽しみでもありつつ不安も覚えつつ……複雑な気持ちでした。
――職業柄、写真を撮られることも多いと思いますが、そもそも撮影されることは得意ですか?
得意か不得意かと言われると不得意だと思います。小さい頃なんかは写真で全く笑わない子だったので。今でこそ、お仕事で撮影していただく機会もあるので、当時と比べたら得意にはなっていますね(笑)! あと、実際にカメラ前に立って気持ちを切り替えれば、得意不得意みたいな意識はないかもしれません。
――なるほど。ある種スイッチのようなものがあると。
見て頂いたらわかると思いますが、普段はおちゃらけているというか(笑)、どちらかと言うとふわふわした感じの人間なので、そこを上手く切り替えられているのかもしれません。
■自身の秘めたる部分から理想像まで
――確かに写真で拝見したイメージとお話ししたイメージは少し違いました! 開催が決まった際のコメントで「素の自分でいられた」とおっしゃっていましたが、今回はいつもと違ってスイッチを切り替えずに臨めたのでしょうか?
そもそも私自身、素を出すことが得意ではないんです。特に初対面の方や会って日が浅い方だとなかなか難しい。でも今回の写真展では、それだとずっと同じ写真になってしまうと感じたので、家の中にいるような素の表情や奥底に秘めている部分とか、自分がこういう風になりたいという理想像を幅広く表現してみました。
実は撮影の前に一日、福島さんとお話しをさせていただく機会があって、そこで今回はどういう写真を撮っていきたいかという方向性を決めさせていただきました。そのときにじっくりお話しする時間があったので、撮影当日も心を開くことができて自分らしくいられたのかなと思います。
――そのおかげで素の自分を表現できたんですね。
そうです。福島さんとはその日が初対面だったのですが、福島さんが撮られてきたお写真は拝見していました。アイドルさんだったり、すごくかわいらしい方を撮っていることが多い印象だったので、「イメージ違うけど、本当に私で大丈夫かな?」「私そんなにかわいくなれないぞ……」とそこで思ってしまいました(笑)。
――少しギャップがあったんですね(笑)。今回、柳さんがモデルとして選ばれた理由は聞かれましたか?
ちょっと恥ずかしくて直接は聞けていないんですけど、撮影の際に「表情がコロコロ変わるから撮っていて楽しい、写真の撮りがいがある」と言ってくださったのが嬉しかったです。
■新たな一面を表現「感じ取ってもらえたら」
――とても嬉しい誉め言葉ですよね。また、普段は女優として映像で撮られることも多いと思いますが、写真との意識に違いはありますか?
写真の方が私一人のことが多いので、気楽かもしれないです。やっぱりドラマや映画の映像のお仕事の場合は共演者の方がいるので、緊張しますし現場では気を抜けないことがほとんど。でも写真だと直前までフラットにいられるというか、今回もかなり自由に過ごさせてもらいました(笑)。「この音楽流してほしい」とかお願いしたり……。そんなリラックスしている雰囲気のカットもいくつかあります。
――一番お気に入りのカットは?
横顔のカットです。この光がすごい好きで、目に差し込んでいて雰囲気もありますし、ただ綺麗な写真で終わらないというか。このカットでは、結構考え込んでしまう自分を表現していると思います。同じシチュエーションで撮影されたカットも何枚かあるのですが、どれも考えているような表情が多いです。
――お話しさせていただいていると、ポジティブな印象が強いのですが、普段から考え込んでしまうタイプですか?
気になることがあると、考えてしまって眠れなることもあります。でも、あるところまで行くと、「ここまで考え込んでもしょうがないや」と急に考えるのをやめてしまう(笑)。たぶん、経験的にネガティブになっても何もいいことがないと途中で気づいてるんだと思います。でも、また何かあったら、それを忘れて考え込んで立ち直って……と繰り返してます(笑)。落ちたら上がるしかないですから!
そういう意味でも、ファンの方は明るい私を知ってくださっていると思いますが、まだ見せたことのない新しい私が表現されているので、「実はこういう子なんだ」と感じ取ってもらえたら嬉しいです。