西九州新幹線の車両走行試験が10日からスタート。新大村駅では10時10分頃、新幹線車両N700S「かもめ」が初入線した。新大村駅に続いて諫早駅、長崎駅にも初入線し、各駅で自治体の主催による歓迎セレモニーが開催されるという。

  • 西九州新幹線N700S「かもめ」が新大村駅に初入線

走行試験は西九州新幹線の整備主体である鉄道・運輸機構と、営業主体であるJR九州の共同で行われる。営業用の新幹線車両を使用し、鉄道施設(土木構造物・軌道・電車線・信号設備)の機能確認を目的とした総合的な試験として実施され、西九州新幹線の本線を初めて新幹線車両が走行する。

試験初日の5月10日、新幹線車両N700S「かもめ」は新大村駅から諫早・長崎方面へ。新大村駅は1階にコンコース、2階に新幹線ホームを設けた高架駅で、西九州新幹線の開業に合わせ、在来線(大村線)の駅も開業する。新幹線ホームは2面2線で、ホームドアが設置され、下りホーム(12番のりば)のドアに「桜」、上りホーム(11番のりば)のドアに「しょうぶ」をイメージした色を配した。大村市主催の歓迎セレモニーが開催される中、10時20分頃に「かもめ」が入線。地元園児らが手旗を振って出迎えた。

  • 「かもめ」の初入線を地元園児らも歓迎した

  • 「かもめ」は新大村駅の下りホームに停車。大村市主催の歓迎セレモニーは上りホームで行われた

  • 花束贈呈を終えた運転士が戻った後、出発の合図とともに「かもめ」が発車。長崎方面へ向かった

「かもめ」は新大村駅の下りホームにに30分近く停車。この日は線路や架線の状態を確認する入線・架線試験が行われ、「かもめ」は駅間でも停止と発車を繰り返しつつ、速度45km/h(駅構内は30km/h)で走行するという。歓迎セレモニーは上りホームで開催され、試験電車の運転士へ花束贈呈、地元園児による合唱などのアトラクションが行われた。

試験2日目となる5月11日には、嬉野温泉駅と武雄温泉駅に「かもめ」が初入線する予定となっている。走行試験の期間は6月16日まで、列車走行はのべ15日程度とされ、武雄温泉~長崎間で1日1~3往復の走行を予定。低速度から試験を開始し、その後は段階的に速度を上げ、最高260km/hでの走行も実施して設備を確認するとしている。なお、試験の状況により、予定変更または運転中止となる場合もある。

  • 新大村駅のコンコースは1階、新幹線ホームは2階にあり、ホームドアなどに「桜」と「しょうぶ」をイメージした色を採用