パナソニックは、薄型テレビ「VIERA」の2022年モデルとして、4K有機ELの「LZ2000」、「LZ1800」2シリーズ6機種と、4K液晶の「LX800」シリーズ5機種を6月17日から順次発売する。価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は、LZ2000シリーズの55V型「TH-55LZ2000」が44万円前後など。
5月27日から順次発売予定の4K液晶「LX950」、「LX900」2シリーズに、今回の4K有機EL「LZ2000」、「LZ1800」2シリーズ、4K液晶「LX800」シリーズを加え、VIERA 2022年モデルのラインナップが完成した。
LZ2000/LZ1800/LX800シリーズの店頭予想価格と発売日は以下の通り。
■4K有機ELテレビ LZ2000シリーズ
- 77V型「TH-77LZ2000」:約85万円前後 / 8月5日発売
- 65V型「TH-65LZ2000」:約61万円前後 / 8月5日発売
- 55V型「TH-55LZ2000」:約44万円前後 / 7月8日発売
■4K有機ELテレビ LZ1800シリーズ
- 65V型「TH-65LZ1800」:約49万円前後 / 6月17日発売
- 55V型「TH-55LZ1800」:約36万円前後 / 6月17日発売
- 48V型「TH-48LZ1800」:約31万円前後 / 6月17日発売
■4K液晶テレビ LX800シリーズ
- 75V型「TH-75LX800」:約29万円前後 / 7月8日発売
- 65V型「TH-65LX800」:約22万円前後 / 7月8日発売
- 55V型「TH-55LX800」:約19万円前後 / 7月8日発売
- 50V型「TH-50LX800」:約16万円前後 / 7月8日発売
- 43V型「TH-43LX800」:約14万円前後 / 7月8日発売
VIERA 2022年モデルの共通の特徴
2022年モデルのVIERAは、AI技術を使って視聴番組に合わせた画質に自動調整する「オートAI画質」機能を全機種で搭載。従来のオートAI画質よりもシーン認識アルゴリズムの認識精度を高めて、最適な補正を行えるようにした。さらに、照度センサーと色温度センサーを組み合わせた「環境光センサー」を新たに搭載し、暮らしの中で変化する部屋の明るさと色の情報を同機能の自動画質調整に反映することで、さまざまな照明にあわせた最適な画質で楽しめるようにしている。
画質面では、さまざまな映像を高精細化する「4Kファインリマスターエンジン」も進化。ノイズとディテールを高精度に判別する処理を入れて、ノイズを抑えながら映像の精細感を高められるようにした。
また、HDR映像の画質処理を行う「AI HDRリマスター」もブラッシュアップ。地デジ放送などのSDR映像も、HDRのような高コントラスト映像に変換して描写する。HDR方式はいずれもHDR10、HDR10+、HLGをサポート。LZ2000/LZ1800シリーズではこれに加えてDolby Visionと静止画用のHLGフォトに対応し、さらに部屋の明るさに合わせてHDRコンテンツの画質を自動で最適化するHDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQも利用可能だ。
使い勝手も強化しており、ゲームプレイのための機能をまとめたユーザーインターフェース「ゲームコントロールボード」を新たに搭載。入力信号のフレームレートやHDRメタデータなどの情報をまとめて確認できるようにした。ほかにも、パナソニック独自のIoT対応家電と連携して、宅内の家電の各種情報を音声で知らせる「音声プッシュ通知」をサポートする。
番組録画やネット動画の視聴機能などはほぼ共通。付属するリモコンのダイレクトボタンは8ボタンに増え(従来は6ボタン)、Netflix、Amazon Prime Video、Hulu、U-NEXT、ABEMAに加えて新たに「YouTube」、「Disney+」、「Paravi」を追加した。
チューナー数は、LZ2000/LZ1800シリーズがBS/CS4Kチューナー×2、地上/BS/110度CSチューナー×3。LX800シリーズはBS/CS4Kチューナー×2、地上/BS/110度CSチューナー×2。
無線LANとEthernetを全機種搭載し、宅内ネットワーク内のDIGAやVIERAなどと連携する「お部屋ジャンプリンク」に対応。お部屋ジャンプリンクは、4Kお部屋ジャンプリンク対応のDIGAに録画した4K番組も受信できる。
LZ2000/LZ1800シリーズはリモコンを使った音声操作に対応し、GoogleアシスタントとAmazon Alexaが使える。LX800シリーズは別売スマートスピーカーで両サービスを利用可能だ。
4K有機EL LZ2000/LZ1800シリーズの主な特徴
4K有機EL VIERAのハイグレード「LZ1800」シリーズでは、独自素材を用いた貼り付け構造とバックカバー一体型放熱プレートを採用した、自社設計・製造の「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」(4K/3,840×2,160ドット)を引き続き採用。ただし48V型は通常の有機ELディスプレイとなる。
フラッグシップ有機EL「LZ2000」シリーズでは、上記の有機ELディスプレイに最新世代の高輝度有機ELパネルを組み合わせた、“特別仕様”の「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイNEO」を搭載し、画質を強化している(77V型のパネルは、独自素材を用いた貼り付け構造とバックカバー一体型放熱プレートは採用していない)。
LZ2000では輝度向上のために、新しいパネル制御機能「Bright Booster」を採用。パネルの発光状態を時間軸方向も加味した“3次元映像信号解析”と“温度センサー”で画素ごとに管理しながら、独自の電流制御アルゴリズムでパネルを駆動することで、有機ELセルの発光性能を最大限に引き出す。
LZシリーズは、画素単位で明るさや色の情報を個別で制御する、独自のパネル制御「Dot Contrast パネルコントローラー」を装備。画面の中の明るさ分布と入力信号情報をエリア毎に解析してパネル制御に反映することにより、高コントラストと豊かな色表現を追求している。LZ2000では“Pro”の名を冠した「Dot Contrast パネルコントローラー Pro」を採用し、暗部の解析精度を約32倍(2021年モデルのJZシリーズ比)まで引き上げて、暗部階調の表現力に磨きをかけたとする。
上向きのイネーブルドスピーカーと搭載し、「オートAI音質」にも対応する点はLZ2000/LZ1800シリーズどちらも共通。最上位のLZ2000では、水平方向の音の広がりを強化する横向き配置の「ワイドスピーカー」に加え、フロントに複数のスピーカーユニットを並べてクリアな音声を追求した「ラインアレイスピーカー」を新たに採用し、合計150Wを超える大出力の「360立体音響サウンドシステム+」を搭載して、音の広がりと密度を高めた音場を再現。LZ1800は、イネーブルドスピーカー+フルレンジ2基+ウーファー+パッシブラジエーターで構成した「360立体音響サウンドシステム」を採用している。
HDMI入力はいずれも4系統備え、HDMI 1/2は4K120p信号、HDMI 3/4は4K60p信号に対応。eARC/ARC(HDMI 2のみ)をサポート。ARC(オーディオリターンチャンネル)とeARCにはHDMI 2のみ対応する。
HDMI 2.1機能については、コンテンツに応じて画質優先/低遅延優先を自動的に切り替える「ALLM」(Auto Low Latency Mode)、映像ソースとディスプレイのリフレッシュレートを同期させてチラつきや画面割れを抑制する「VRR」(Variable Refresh Rate)、AMD製グラフィックボード向けの「AMD FreeSync Premiumテクノロジー」をサポートしている。
地震に強く倒れにくい、吸着機能付き「転倒防止スタンド」を引き続き装備。LZ2000のみ、スタンドにスイーベル(首振り)機能も備える。
4K液晶 LX800シリーズの主な特徴
4K液晶VIERAのスタンダードモデルで、4K/3,840×2,160ドットのVA液晶パネルを採用。43V型から75V型までの5サイズをラインナップする。上位のLX950/LX900シリーズと同様の「オートAI画質」や高画質機能を搭載しつつ一部の機能を省き、43V型で14万円前後からというリーズナブルさを打ち出した。
サウンド面では、フルレンジ2基で20W出力の「ダイナミックサウンドシステム」を搭載。Dolby Atmosの立体音響に対応し、迫力ある立体音響が楽しめるという。HDMI入力は3系統で、4K60p、ALLM、eARC/ARC(HDMI 2のみ)をサポートする。