NTTドコモ モバイル社会研究所は5月9日、「シニアのスマホ所有きっかけ」に関する調査レポートを公開した。60代・70代のスマートフォンユーザーに対し、スマートフォンを持ち始めたきっかけを調査し、上位の理由と近年の変化をまとめたものだ。
持ち始めたきっかけは「家族のすすめ」が最多
まず、2022年1月の調査時点でスマートフォンを所有していた60代・70代のユーザーを対象に、使用年数(持ち始めた時期)は問わず、スマートフォンを持ち始めたきっかけ(複数回答可)を調査した。
トップ3は「家族のすすめ」「周囲にスマホを持っている人が増えた」「使いたい機能・アプリがあった」。複数回答のうち最大の理由のみに絞っても、トップ3だけで全体の6割を占めた。みんな使っているから自分もそろそろ、というパターンが多いようだ。
性別・年代の属性ごとの差も多少あるが、トップ3の入れ替わりは少ない。60代男性のみ「仕事で必要になった」が3位に食い込んだが、この理由を選んだ人はスマートフォンを持ち始めて7年以上経っている人が多く、現役時代から持ち始めた可能性が高い。
2年以内に持ち始めた人は消極的な理由が多め
スマートフォンを持ち始めてから2年未満、7年未満、7年以上という3グループに分けて集計すると、持ち始めたきっかけにも違いが現れた。
「使いたい機能・アプリがあった」という理由で積極的にスマートフォンを選んだ人は、7年以上前に持ち始めた人の半数近くを占めている一方、2年未満の人のなかでは11.3%しかいない。スマートフォンの普及率の変化と照らし合わせても、進んでスマートフォンを使ってみたい人にはすでに行き渡ったと考えられる。
2年以内に持ち始めたグループの特徴としては、「家族のすすめ」「周囲にスマホを持っている人が増えた」といったどのグループにも共通する上位理由のほかに、「フィーチャーフォンが使えなくなると聞いた」という理由が41.9%と上位に急浮上している。
これは携帯各社が3G停波に向けた巻き取り(4G/5Gへの移行促進)を本格化させた時期と重なる。正確には3G終了=フィーチャーフォン型の端末が無くなるというわけではないが、3Gからの契約変更ではスマートフォンの本体代金・通信料金を大幅に抑えられるケースも多く、4Gフィーチャーフォンと同じ値段(あるいはそれ以下)ならスマートフォンに変えてみようという結論に至るケースも多いだろう。
調査概要
- 調査名:2022年一般向けモバイル動向調査
- 調査方法:訪問留置調査
- 調査対象:関東1都6県の60~79歳男女
- 有効回答数:709
- サンプリング方法:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付
- 調査時期:2022年1月