FOOD & LIFE COMPANIESは5月6日、2022年度上半期の決算を発表。それによれば、新型コロナウイルスの再拡大により国内・海外ともに厳しい状況だったものの、上期として過去最高の売上収益を達成したという。関係者は「厳しいビジネス環境においても、しっかり業績を残せた。出店も継続でき、また成長投資に向けた資金調達も実施するなど、中期経営計画の目標達成に寄与する上半期となった」と評価した。
■上期 過去最高益へ
常務執行役員 財務経理・IT企画・コミュニケーション企画・人事管掌の小河博嗣氏が概要を説明した。
2022年度上半期の売上収益は1,402億5,700万円(前年同期比17.8%増)、営業利益は95億7,200万円(同27%減)だった。小河氏は「新規出店の効果、および京樽の連結子会社化によって、上半期の実績としては過去最高の売上収益となった」としている。
セグメント別に解説する。国内スシロー事業の売上収益は1,122億7,300万円(同1.8%増)で増収だった。コロナ禍で営業時間は規制されたが「健闘した」(小河氏)。なお利益面では、一過性の有利買付効果がなくなった影響などにより減益している。
海外スシロー事業については、韓国、香港、中国大陸、シンガポールともに日本以上に厳しい営業規制があったものの、売上収益は152億4,900万円(同93.6%増)の増収。営業利益(ロイヤリティ支払前)でも黒字を達成した。小河氏は「海外でも力強い人気に支えられ、事業が堅調に推移した」と報告する。
京樽事業については、時短協力金の計上などでEBITDAではプラスの着地。なお、その他事業について小河氏は「半年間、ドバイ万博に出店しており、売上高が約6億円になった」と明かした。
コロナ禍でも積極的な店舗展開を行った。その結果、上半期末にはFOOD & LIFE COMPANIES全体で1,048店舗まで拡大した。「下半期についても計画通りの出店をしていきたい」と小河氏。
続いて、国内の回転すし(スシロー)事業の売上推移について。上半期の売上はコロナ前(2019年度)と比較して96.8%まで回復した。小河氏は「営業時間の規制が緩和されても、皆さん夜遅くまで食べ歩くことがなくなりました。生活様式が変化したということ。イートインの客足が戻るには、まだ時間がかかりそうです。一方でテイクアウトとデリバリーについてはコロナ前比で200%超の水準となり、売上に貢献しています」と解説する。
下半期のテイクアウト事業について。京樽のセントラルキッチン(船橋CK)を最大限に活用すべく、同拠点ではスシローToGo商品も製造していく方針。駅ナカにあるスシロー / 京樽のWブランド店には、常温で販売できる上方鮨を送り込むなどして、早朝の駅利用者に向けた販売も伸ばすという。
海外事業については、常務執行役員 海外事業管掌の加藤広慎氏が「コロナの再拡大により事業の拡大スピードは一時的に減速したものの、4月以降になると各国地域ともに回復。売上、店舗数が100%を超えて回復しています」と説明する。また、上半期の振り返りとしては「競合他社が出店を控えるなかで店舗を拡大でき、スタッフも教育できました」と成果を誇った。
最後に、通期業績予想について。ウィズコロナへと政策転換が進みつつある状況を踏まえ、期初の業績予想を下方修正。売上収益は2,950億円(同22.5%増)、営業利益は160億円(同30.1%減)、当期利益は87億円(同33.7%減)としている。