映画『流浪の月』(5月13日公開)のフレッシャーズ試写会が8日に都内で行われ、広瀬すず、松坂桃李が登場した。
同作は凪良ゆうによる、本屋大賞受賞のベストセラー小説の映画化作。雨の夕方の公園で、びしょ濡れの9歳の家内更紗(広瀬)に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文(松坂)。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2カ月を過ごすことになるが、やがて文が更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後、「傷物にされた被害女児」とその「加害者」という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。
会場には新社会人が集まり、「希望の部署に行けなかった時どう頑張ればいいか」という相談も飛び出す。松坂は「僕も『この作品やりたいな』という時に、全然違う作品があって、『なんでやれないんだろう』と思ったりするんですけど、今思うと『この作品をやったからこそ、ここの作品につながった』という部分があるので、振り返ると最善の最短ルートだったなと思うんです」と励ます。「自分の中での最短ルートがその歩み方だと思うと、違ったとしても、いい意味で割り切った仕事のマインドで挑めると思うので、そう思ってやった方が気が楽かと思います」とアドバイスした。
広瀬も「その瞬間に答えは出ないと思うんですけど、後々自分の運命を感じたりすることもある」と頷く。「その瞬間は必死に目の前のことにしがみついてるんですけど、何年か経って『よかったな』と思う瞬間があったり、私にはこれしかなかったと実感したりする機会がすごく増えていて、きっと神様が『こっちの方が向いてるよ』と言ってくれてるんだなというのを、心のどこかで思いながらでもいいのかなと思います」と語る。「振り返った時に、道の幅が太くなると思うので」と新社会人に声を掛ける松坂は、他の質問にも真摯に答え、広瀬からは「先生」と呼ばれていた。