シロカが発売した「おうちベーカリー ベーシック プラス SB-2D151」は、毎日のパン作りを楽しめることを目的にしたホームベーカリー。発売は2022年4月28日、価格はオープン、推定市場価格は16,000円前後です。今回、シロカにおじゃましてSB-2D151を体験しつつ、SB-2D151で焼いたパンをたらふく試食してきました。
新製品のSB-2D151は、1.5斤と1斤のパンが作れるタイプ。本体サイズは幅23.3cm×奥行き29.7cm×高さ29.4cm。同じくシロカが発売している1斤タイプのホームベーカリーは本体サイズが幅23.2×奥行き29.5×高さ25.3 cmなので、接地面積は同じくらいです。
SB-2D151で注目したい特徴は、高加水パンが作れるメニューや、約58分で焼ける早焼きコースを備えたこと。搭載メニューは全部で30種類です。
高加水パンが焼ける
高加水パンは、水分量が多いパンのこと。しっとりとしてもちもちした食感が特徴です。しっとりしたパンというと、高級食パンのように生クリームやバターを入れたパンがありますが、高加水パンは水の量を増やすだけ。ハード系のパンでも高加水で作ることで、食べやすくなります。
水の量が増えるぶん、ちょっと悪く言うと生地はベトベト。手でこねるのは難しく、成形にもコツがいります。また、発酵が進みやすい点にも注意が必要です。
SB-2D151は、そんな高加水パンをおまかせで作れる専用メニューを搭載。シロカによると、「水分が多い生地にあわせて、内部の羽根を回すスピードや回転数を調節しました。発酵が進みやすいため、発酵時間なども何度も調整しました」とのこと。焼き上がったパンを食べてみると、もっちりと弾力があり、口溶けのよい食感でした。皮が薄めなので、パンの皮が苦手な人でも美味しく食べられそうです。
高加水パン(1斤)の材料は、水225ml、強力粉250g、砂糖17g、塩5g、ドライイースト2.7g。焼き上がりまでの所要時間は約3時間16分(焼き色標準の場合)となります。
基本の食パンだと、水175ml、強力粉250g、砂糖18g、塩4g、スキムミルク6g、バター(食塩不使用)18g、ドライイースト2.7g。焼き上がりまでの所要時間は約4時間14分(焼き色標準の場合)です。
高加水パンはスキムミルクやバターといった食材を使わないため、材料を用意する手間がかかりません。焼き上がりまでの時間も高加水パンのほうが短くなりますね。
そのまま食べても美味しい高加水パンですが、トーストをすると印象が変わります。中はよりもちもち感がアップ、表面はサクッとして、楽しい食感です。塩や小麦の味わいも引き立ちます。焼きたての状態とトーストで別の楽しみ方ができるので飽きません。
普段使いにぴったり、早焼きコース
個人的に使い勝手がよさそうだと思ったのは「早焼き(超早焼きホワイトパン)」コースです。約58分でパンが焼き上がるので、炊飯器でごはんを炊く感覚でパン作りを楽しめます。
「早焼きコースを備えているホームベーカリーの中には、イーストを使わないレシピもありますが、SB-2D151はイーストを使う焼き方にこだわりました。38℃のお湯を使うところがポイントです。お湯を使いながら少しずつ釜の温度を上げていくことで焼き上げます。これも細かい調整が必要でした」(シロカ担当者)とのこと。
材料は、ぬるま湯(38℃)180ml、強力粉280g、砂糖10g、塩3g、バター(食塩不使用)5g、ドライイースト4gです。基本の食パンと比べてイーストの量は多いのですが、イーストの臭いが気にならない程度に量を調節しています。焼き上がりはもっちりして柔らかいので、子どもや高齢者でも食べやすいのではないでしょうか。
フルーティーな天然酵母パン
天然酵母パンも焼けます。シロカのホームベーカリーは、以前からホシノ天然酵母を使ったレシピを備えていました。天然酵母でパンを焼くときは、眠っている酵母を起こす「生種種起こし」という作業が必要になりますが、これには24時間ほどかかります。そのため、ちょっとハードルが高いものでした。
今回、シロカが採用した天然酵母は「あこ天然培養酵母・即日活性種」。天然酵母でありながら、生種起こしにかかる時間が約1時間と短く、ぐっと作りやすくなりました。もちろん、引き続きホシノ天然酵母でも作れるので、好みにあわせて使い分けられます。
あこ天然培養酵母・即日活性種の天然酵母パンは、フルーティーな香りが印象的。フルーツをたっぷり入れたパウンドケーキのような風味です。試食したのは前日に焼いたものですが、こちらもしっとりもちもちで美味しくいただきました。
「うまみが熟成されるので、焼いてから翌日、焼いてから2日と、時間がたつほど美味しくなります」(シロカ担当者)とのこと。ホームベーカリーで焼いたパンは、余ったら冷凍するものと思っていましたが、2日間くらいなら常温保存できるのでラクですね。少人数の世帯でも2日あれば1斤のパンは食べきれるでしょう。
「焼き芋」や「ブリオッシュ」も!
リッチな食感のパンを食べたい人にオススメなのが「ブリオッシュ」です。卵や牛乳を使うパンは足感のある味わいで、おやつにぴったり。また、豆乳など植物性の食材を使った「ヴィーガンパン」や、ふすま粉を使った「糖質オフパン」もオススメ。パン以外にも、「フレッシュバター」や「焼き芋」なども作れます。109のレシピを掲載したオリジナルレシピブックを同梱しているので、いろいろ楽しめそうです。
1.5斤は3~4人分。ファミリーにオススメ
本体カラーは白。操作パネルを天面に集約しました。中の様子をチェックできる窓も備えています。
計量カップ、計量スプーン、パン羽根、羽根取り棒、ヨーグルト専用容器を付属するため、買ったその日からパン作りを楽しめます。また、もっと手軽にパンを作りたい人のために、オリジナルのパンミックスも販売しています。レシピブックはカラーなので、見ているだけでも楽しめます。
どのパンも美味しかったのですが、印象に残ったのは高加水パンと超早焼きホワイトパン。SB-2D151で焼いた高加水パンは、しっとりした食感で食べやすく、生クリームなどを使わないので普通の食パンよりも低カロリーなのもうれしいところです。
超早焼きホワイトパンを焼ける早焼きコースには、かなりグッときました。約58分で完成という時間もびっくりですが、焼き上がったパンが美味しく、「これなら毎日でも焼きたい」と思えるパンです。
ホームベーカリーは「買ったけど使わなくなった家電」の上位常連だったりしますが、シロカはそこを何とか変えたいということで、「棚にしまわれずに毎日使ってもらえるようなホームベーカリーを目指しました」(シロカ担当者)と強調します。忙しいときは「早焼き」、もっちりしたパンを食べたくなったら「高加水パン」、たまには「焼き芋」など、ライフスタイルや好みにあわせてメニューを選べるので、コンセプト通りの日常的に使いやすいホームベーカリーと言えそうです。