ラッパーのAwichが、6日に放送された日本テレビ系音楽番組『MUSIC BLOOD』に出演した。
まずはAwichのルーツの話題に。「小学生時代は沖縄アクターズスクールに憧れていましたが、親に反対をされて入れませんでした。ただその代わりというわけではないですが、米軍基地内にある英語教室に通っていました。中学生になるとアクターズスクールと並行して、沖縄出身の先輩アーティストであるCoccoさんに憧れを抱くようになりました」と当時を振り返った。
その後、14歳でアメリカが誇る伝説のヒップホップアーティスト・2PAC(ツーパック)の作品と出会いラップの魅力に目覚める。
「この出会いが『私にもラップができるかも』と思わせてくれました。9歳から自分の気持ちを詞に書いていたので、14歳くらいになるとラップで表現できそうだなって思ったんです。当時書いていた詞は大人に対する不満や子供はこうあるべき、女性はこうあるべきというルールみたいなものに対する思いを書いていました」
高校卒業後、Awichの身に人生が一変する出来事が起こる。ヒップホップと企業学を学ぶためにアメリカへ留学し、現地でアメリカ人男性と学生結婚し、娘・トヨミさんを出産。しかし結婚から3年後、最愛の夫が事件に巻き込まれ、銃弾に倒れたのだ。
「とにかくショックで、精神的にも追い込まれて日々不安定な状態が続きました。娘にはウソはつきたくなかったので、真正面から向き合いました。良い方向に進むと信じて『お父さんは亡くなったんだよ』って伝えました。『痛いの?』って聞かれても私には分からないから、ちゃんと『分からない』と答えたり。ただ、当時も今も1つだけ言えることは、心の中にある(夫に対する)思いだけは変わらないということ。何日もかけて話したことで、少しずつ理解してくれました」
そんなどん底から抜け出すきっかけになったのが、歌への思いだったという。
「書き溜めた詞がたくさんあったので、それを歌いたい、人に伝えたいと思ったんです。死にたいと思っていましたが、死んでもいいって思うなら歌を死ぬ気でやってみようって。あと夫はいつも、ケンカをした時ですら『歌うことを続けて』って言ってくれていたので、その言葉も背中を押してくれたのだと思います。さらにもう1つきっかけになったのは父の言葉です。2年間くらい塞ぎ込んでいたんですが、その時に『沖縄の人はみんな大切な仲間や家族を失っているけど、前を向いて生きてきたんだぞ』って。それで目が覚めました」
Awichの一連の告白に、MCの田中圭と千葉雄大はただただ聞き込むばかり。「Awichさんの言葉は本当に胸に染みる。だから僕はAwichさんの好きなんだな」と千葉がこぼした。