米Snapは4月28日(現地時間)、開発者向けイベント「第4回SNAPパートナーサミット:BACK TO REALITY」を開催し、「Snapchat」の近況や新機能を発表した。本記事では、エンドユーザーに近い内容を抜粋して紹介する。
「Snapchat」の月間利用者数が6億人を突破
Snapchatは、欧米の若年層を中心に支持を集めているコミュニケーションアプリ。日本では「レンズ」と呼ばれる多彩なARフィルター機能を持つ“おもしろカメラアプリ”として認知されているが、実際にはSNSアプリでもある。
Instagramのストーリーなどのように一定時間で投稿が消える仕組みやコンテンツごとに届ける相手を選べる仕組みを備え、旧来のオープンかつ一度発信した情報が残り続けるSNSではなく、Z世代的な向き合い方にマッチしたプラットフォームといえる。
パートナーサミットで明かされた直近の数字では、月間利用者は世界で6億人、アクティブユーザー数は3億3,200万人に達した。レンズの種類は250万以上あり、閲覧回数は合計5兆回を超える。また、Spotifyの楽曲やTwitterのツイートなど、パートナーアプリのコンテンツがSnapchat内で共有された回数は、過去1年間で60億回を超えた。
「レイトレーシング」でよりリアルなAR表現が可能に
Snapchatのレンズは、「Lens Studio」というAR開発プラットフォームで作成される。このLens Studioの新機能として、ゲームやCG映画の世界でもよく使われる「レイトレーシング」という手法が導入された。
現時点ですぐにレイトレーシングを使ったレンズが公開されるわけではないが、近い将来、開発者たちが同機能を使い始めればより現時点な光の反射などの表現が可能になり、これまで以上にリアルな加工ができるレンズが開発される可能性も高い。
ECサイトの「AR試着」をサポート
Snapchatのレンズ機能で培ったAR技術を、自社アプリだけでなくパートナー企業のアプリやWebサイトに応用する取り組みも始まった。「Dress Up」というファッション系の通販サイト/アプリ向けの機能が提供され、「AR試着」が可能になる。
AR試着によってオンラインショッピングでも実際に着たイメージをつかみやすくなり、自分に似合う服や手持ちのアイテムと合う服を探しやすくなるだろう。
母の日仕様の「Happy Mother's Day」レンズ
パートナーサミットで発表された内容ではないが、最後に、5月6日に発表された新レンズを紹介する。母の日(5月8日)に向けた「Happy Mother's Day」レンズだ。
ピンクのバラをテーマにしたARレンズで、専用のフレームが用意されるほか、頬に映し出されるハートマークに好きな写真を入れられる。レンズを使うにはアプリ内で検索するか、上の画像にある黄色の「スナップコード」を読み取るとすぐに呼び出せる。