育休期間を終えて職場へ復帰するにあたっては、子育てや家事の役割分担や時間のやりくりなど、超えなければならないハードルも多い。それでも意欲を持って、日々奮闘している方も多いことだろう。

復職には困難もありながら、喜びやメリットもまた大きいのではないだろうか。そこで今回は、子どもを持つ20〜50代のマイナビニュース女性会員300人を対象にアンケート調査を実施。「仕事に復帰して良かったと思うこと」などを聞いた。

  • 育休からの職場復帰、良かったと思うことは?

Q.未就学児のお子さんを保育園・幼稚園に預けて仕事に復帰した(もしくは仕事を始めた)経験はありますか?

「ある」(59.7%)
「ない」(40.3%)

Q.仕事に復帰して良かったと思うことはありますか?

「ある」(91.6%)
「ない」(8.4%)

Q.「良かったと思うこと」について、具体的に教えてください(自由回答)

■「人や社会とのつながりが感じられた」

・「話せる人が近くにいるということ」(55歳/東京都)
・「大人と会話ができるし、僅かだが自分の時間もできた」(36歳/静岡県)
・「社会的に貢献できていることが実感できました」(59歳/茨城県)
・「社会とのつながりを持てて充実した気持ちで居られること」(32歳/愛知県)
・「慣れ親しんだ職場の友人と一緒に働けること、充実感が得られること」(51歳/兵庫県)
・「社会との繋がりを感じられる。家族以外の人とコミュニケーションを取ることができて気分転換になる」(26歳/東京都)
・「職場の人たちの温かい言葉や待遇に感謝しました」(51歳/埼玉県)
・「人間関係が広がる事と、お金に余裕ができる事」(49歳/愛知県)
・「大人との会話をしたり、職務上色々な方とのコミュニケーションをとることで、社会に参加している実感がもてること。母として子どもの意見を優先にするだけでなく、自分としての意見を発せられること」(37歳/千葉県)
・「やはり嬉しかったのは、社会に復帰して色々な人との繋がりがまた戻っていたことは一番であった。そしてやりがいを感じ、自分に肯定感が育まれた」(46歳/群馬県)

■「子育てや家事などのストレスから解放された/気分転換になった」

・「周りとの会話は息抜きのようでリセットできた」(40歳/宮崎県)
・「自分の時間が出来て、他人と話せるのが嬉しかった」(45歳/埼玉県)
・「自分の時間が増えた、仕事が息抜き」(35歳/静岡県)
・「家事や育児から離れることで、気が紛れることもあった」(46歳/神奈川県)
・「会社内で人と関わることで 家庭内のストレスを発散できた」(45歳/新潟県)
・「子どもと離れる事により、多少の気分転換」(59歳/新潟県)
・「家庭のストレスを忘れられる事。社会と繋がりを持てる実感」(53歳/富山県)
・「家で子育てしてるより、仕事の方がよっぽど楽だった。(仕事は看護師)」(55歳/新潟県)
・「義理の母との同居でストレスが溜まっていたので、外に出るきっかけになってよかった」(38歳/愛知県)
・「保育園が落ち着いてくると、仕事は大変だけど外と交流を持つ事で、気分転換になった」(41歳/兵庫県)
・「毎日子どもだけを相手にしていた生活から抜け出して、やっと話の通じる大人の世界へ戻れた、という感じで、充実感を得ることができた」(57歳/大阪府)

■「仕事にやりがいや充実感を感じた」

・「能力をつかって、社会に貢献できている感覚がうれしかった」(28歳/東京都)
・「やはりやりがいのある仕事だったので仕事中は楽しかったのと、保育園で集団生活することにより、子どもがいろいろなことを学んだり、友だちづくりができるようになったことが嬉しかった」(59歳/茨城県)
・「安定した収入を得、社会と繋がり、育児と両立した生活は自身の成長である」(45歳/宮城県)
・「長く続けることで責任を任されることも増えてきました。改めての再就職だと見つからなかったのではないかと思います」(57歳/兵庫県)
・「短い間でしたがとても楽しく働けた。2年で辞めまして、また専業主婦になりました」(50歳/沖縄県)

■「経済的に余裕ができた」

・「やはり金銭的な部分で少し余裕が持てた」(32歳/神奈川県)
・「お給料がもらえるので、家計がらくになったことです」(34歳/千葉県)
・「お金に余裕ができるのは精神的にとてもよい」(56歳/滋賀県)
・「ようやく親から手が離れてきたときに、共働きによるダブルインカムは大きいです」(50歳/大阪府)
・「経済的に余裕ができ、より充実した生活を楽しめるようになった」(59歳/三重県)
・「収入面で余裕ができた。結局教育費が必要なので、働きに行く方が良かったと思う」(57歳/神奈川県)

■「生活にメリハリができた」

・「オンオフを意識した、メリハリのある生活ができることは良かったと思います」(46歳/愛知県)
・「メリハリがよりつくようになり、時間がない中での工夫を心がけるようになった」(35歳/埼玉県)
・「家事と育児の毎日で違う時間が持てたこと」(52歳/埼玉県)

■「その他」

・「慣れていた仕事内容なので、なんとかできるようになりました」(48歳/埼玉県)
・「子どもと離れられてかわいく感じるようになった」(41歳/茨城県)
・「初めての仕事だったが、学ぶことが多かった」(48歳/静岡県)
・「出勤前は特に忙しかったですが、その分休みの日はダラダラしてて、もしもこれが毎日続くとどうかな、とも」(56歳/岩手県)
・「女性の仕事をする姿を見せることができた。厚生年金を払うことができた」(52歳/東京都)

■総評

調査の結果、未就学児の子どもを保育園・幼稚園に預けて仕事に復帰した(もしくは仕事を始めた)経験がある人のうち、仕事に復帰して良かったと思うことがある人は91.6%と、多くの人が良かったと感じていることがわかった。

復帰して「良かったと思うこと」について具体的に聞いた。主な回答としては、「人や社会とのつながりが感じられた」「子育てや家事などのストレスから解放された」「気分転換になった」「仕事にやりがいや充実感を感じた」「経済的に余裕ができた」「生活にメリハリができた」などが寄せられた。

やはり、「人や社会とのつながりが感じられた」ことを評価する声は多い。家事や子育てだけでは、どうしても活動範囲や人間関係が限定されがちになるだけに、自身が人や社会と繋がっている感覚は新鮮かつ大切なものだ。

「仕事にやりがいや充実感を感じた」も上記に近い感覚だろう。仕事を通じて会社や社会に貢献できているという実感は、子育て中にはなかなか得にくいものかもしれない。

また、「子育てや家事などのストレスから解放された」「気分転換になった」「生活にメリハリができた」という声も目立っている。毎日のルーティーンをこなすだけで精一杯という環境では息が詰まる。仕事は、そういったストレスからの解放や気分転換の手段としても有効のようだ。

そして、「経済的に余裕ができた」という観点で良かったとするコメントも多い。こちらは、「金銭面。あと家庭のストレスを忘れられる事。社会と繋がりを持てる実感」(53歳/富山県)や、「安定した収入を得、社会と繋がり、育児と両立した生活は自身の成長である」(45歳/宮城県)など、仕事への復帰の大前提として「金銭面」があり、その上でさらにさまざまなメリットを感じている、という声が見られた。実際のところ、何よりもまず「先立つものはお金」というのはシビアな現実なのかもしれない。

調査の結果、復職にあたっては、多くの人が「良かった」と感じていることがわかった。その理由としては、「金銭面」「社会への参加意識」「仕事の充実感」「気分転換」などさまざまだが、一様に、仕事をすることに大きなメリットを見出しているようだ。今回は、そんな子育てをしながら働く女性の実感を感じさせてくれるアンケートとなった。

調査時期: 2022年4月8日〜4月10日
調査対象: 子どもを持つ20〜50代のマイナビニュース女性会員
調査数: 300人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません