米Googleは5月4日(現地時間)、マイクロLEDディスプレイ技術を開発する米Raxiumの買収を発表した。

マイクロLEDディスプレイは、RGBの三原色にわかれた微小なLEDを敷きつめ、発光させて映像を表示する。画素自体が発光するため、バックライトやカラーフィルタを用いる液晶より応答速度が速く、高輝度や高視野角を実現しやすい。また、有機物である有機ELに比べて耐久性に優れている。ただし、大量のLED素子が必要になり、微細な素子を基板に高速かつ正確に配置する難易度の高い製造技術が求められる。そのため現状でマイクロLEDは業務用の展開にとどまっているが、コストや製造技術の課題解決が進めば、次世代のAR(拡張現実)グラスのような、今日のディスプレイ技術では必要な仕様を満たせない将来のスマートデバイスの可能性を開く技術になり得る。

Raxiumのモノリシック集積を用いたRaxiumマイクロLEDの画素ピッチは〜3.5μm(Super AMOLEDは〜50μm)。同社はその技術について多くを明らかにしていないが、AR/VR向けのマイクロディスプレイからライトフィールドアレイによるライフサイズのパネルまで、幅広い用途で次世代のニーズを満たす高密度、高性能、高効率なマイクロLEDディスプレイを可能にするとアピールしている。