育休期間を終え、職場への復帰を果たした経験を持つ女性は多いことだろう。その際には、仕事と家庭のバランスをどう取っていくか、が大きなテーマとなる。
バリバリ仕事をしたいけれど、家庭においてやらなければならないことも待ってはくれない。そんな悩みを持っている人は多いのではないだろうか。
そこで今回は、子どもを持つ20〜50代のマイナビニュース女性会員300人を対象にアンケート調査を実施。「復職にあたって、家庭の中で大変だったこと」などを聞いた。
Q.未就学児のお子さんを保育園・幼稚園に預けて仕事に復帰した(もしくは仕事を始めた)経験はありますか?
「ある」(59.7%)
「ない」(40.3%)
Q.復職にあたって、大変だと感じたことはありますか?
「ある」(93.3%)
「ない」(6.7%)
Q.家庭において、大変だったことについて具体的に教えてください(自由回答)
■「やることが多い/時間が足りない」
・「育児と家事に追われる毎日で、とにかく忙しくて時間が足りなかった」(57歳/大阪府)
・「家事を効率的に進めることが、できませんでした」(34歳/千葉県)
・「保育園に持って行く用意。帰ってすぐ家事をする事」(34歳/兵庫県)
・「保育園の支度、家事、仕事、やることが多く大変だった」(41歳/神奈川県)
・「帰宅後、明日の用意や家事で時間がたりない。睡眠不足になった」(47歳/北海道)
・「ご飯の時間が遅くなるとお風呂の時間、寝る時間も遅くなってしまうので、いかに効率よく夕飯を作るかということが大変だった」(38歳/愛知県)
・「仕事が終わってお迎えに行って寝かせるまでとにかく忙しくて、寝かしつけの時一緒に寝てしまって夜中に目を覚ましてやり残した事をすることがよくありました」(56歳/岩手県)
・「仕事から帰ってきてからも、腰を下ろす間もなく夕飯の準備をして、食べさせて、洗濯して、お風呂の準備して、お風呂に入れて、洗濯を干して、洗い物をして、次の日の子どもたちの準備をして、次の日の仕事の準備が終わるころには12時を回っていた。主人と二人でやっても毎日毎日、16時間働いているようだった」(55歳/新潟県)
・「育児・家事・仕事の事でいっぱいになり、ヒステリックになった。理想と現実のギャップが自分をしんどくさせていました」(41歳/兵庫県)
・「夕飯の用意が大変でした。主人が早く帰宅した場合は、夕飯の仕度をお願いしていました」(59歳/茨城県)
・「仕事と育児と家事をこなすのが精一杯でした。とてもキツイ事だと思いました」(53歳/鹿児島県)
・「帰宅後、夕食の準備をし、食べさせて お風呂に入れて 寝かしつけるまで子どもの眠気と時間との闘いでした。その後 洗濯して、翌日の食事の準備。寝る時間が短かったです」(57歳/兵庫県)
・「朝はバスのお迎えで、一番バスだったので助かったが、道路渋滞などで遅れると、そのまま遅刻。時々はママ友に託すこともあったが、子どもは嫌がった。辛かった。また、やっぱり夕飯から寝るまで。とにかく子どもの事を先に終わらせる事だけを考えてた」(51歳/神奈川県)
・「起床→朝食→登園、出勤準備→登園→出勤 →勤務→お迎え→帰宅→夕食準備→夕食→後片付け→入浴→寝かしつけ→明日の準備→就寝、1日があっという間に終わってしまう」(58歳/埼玉県)
■「夫が非協力的」
・「夫の協力が皆無だったこと」(51歳/埼玉県)
・「夫の出張が多く、頼れないことが多かった」(48歳/静岡県)
・「夫との家事、育児の連携、分担をすること」(26歳/東京都)
・「夫と家事の協力がなかなかできなかった」(37歳/兵庫県)
・「旦那さんの仕事もちょうど忙しく、手助けしてもらえなかった」(44歳/東京都)
・「子育てをしながら夫の協力があまりなく、私はいつも疲れていて子どもは一人しかいない。夫や親たちの協力があればよかったと今でも思う」(50歳/沖縄県)
・「ご飯の準備がいつもバタバタしていて、夫に協力してほしかったが、全然協力的ではなかった」(36歳/静岡県)
・「旦那は一切家事や子育てをしてくれなかったので、結局自分だけが仕事と家事と育児の負担が増した」(48歳/長野県)
・「夫が自分だけ仕事優先の人だったので、ほとんど協力せず、そのことにイライラする事もあったし、常に時間に追われる日々で、余裕がなかった」(59歳/茨城県)
■「夫婦仲が険悪になった」
・「子どもにばかり気を取られ、旦那が怒った。夫婦仲に亀裂があった」(52歳/兵庫県)
・「子どもの寝る時間が遅くなると、夫婦喧嘩になること」(37歳/静岡県)
・「子どもが病気で保育園を休むとき、どちらが仕事を休むかで揉めた」(54歳/新潟県)
・「迎えに行ってから家事や食事のしたくなどやることが多く、イライラして夫と気まずくなったときもある」(46歳/神奈川県)
■「生活リズムの確立」
・「時間のリズムに慣れるまで大変だった」(35歳/埼玉県)
・「時間の配分がうまくいかなかったこと」(27歳/東京都)
・「初めての食品を食べさせる際はなるべく平日の午前中にしていたが、仕事のため中々タイミングが合わなかったこと」(32歳/神奈川県)
■「家事が手抜きになってしまった」
・「それまではしっかりその日に料理をしていたが、一週間分の料理を作り置きしたり、冷凍したり、またはお惣菜売り場に頼ることが多くなった」(51歳/兵庫県)
・「できる部分をお互いに夫婦でサポートしながら家事など進めていたが、手の込んだことはできなくなってしまった」(46歳/群馬県)
■「周囲のサポートが得られなかった」
・「シングルだったので全て自分がやるのが大変でした」(51歳/東京都)
・「母子家庭だったので、頼る人がいなくて日々戦争だった」(56歳/東京都)
・「年寄りが同居してるが、年寄り過ぎて息子の子守が手に負えなかった」(46歳/新潟県)
■「その他」
・「時間に追われると、子どものことを待ってあげる余裕がなくなること」(37歳/千葉県)
・「障害が見つかったのが4歳で、家族が障害自体を認識し行動する方向性を統一するのが大変だった」(49歳/埼玉県)
・「義父母に子守りを頼んでいたので、甘やかしがちで、すぐ甘いお菓子を与えたりオモチャを買い与えたりしたこと」(53歳/富山県)
■総評
調査の結果、未就学児の子どもを保育園・幼稚園に預けて仕事に復帰した(もしくは仕事を始めた)経験がある人のうち、復職にあたって大変だと感じたことはある人は93.3%と、多くの人が大変さを感じていることがわかった。
復職するにあたって、家庭において大変だったことについて具体的に聞いた。主な回答として、「やることが多い」「時間が足りない」「生活リズムの確立」「家事が手抜きになってしまった」などが寄せられた。これらはそれぞれ表現は異なるものの、端的に言えば「家事と育児、仕事の両立が難しい」ということだろう。
確かに、それまでの育休中の「子育て」と「家事」に「仕事」が加わるわけで、時間的にも労力的にも回らない、というのは多くの人が経験しているところ。寄せられたコメントにも、「仕事と育児と家事をこなすのが精一杯でした。とてもキツイ事だと思いました」(53歳/鹿児島県)、「家事と育児と仕事の両立。無理です」(46歳/神奈川県)など、シビアなものも多い。
また、「夫が非協力的」や「周囲のサポートが得られない」など孤軍奮闘の状況ともなれば、その大変さはひとしおだろう。挙句、「夫婦仲が険悪になった」というのでは、まさに泣きたい気持ちかもしれない。
調査の結果、復職にあたっては、多くの人が「家事と育児、仕事の両立」に苦労していることがわかった。家庭において、ひとり母親だけがしんどい思いをしているというのはけっして正常な状況とは言えない。職場への復帰は、夫をはじめとする周囲の理解やサポートがあってこそ。今回は、そんな思いを強くしたアンケート結果となった。
調査時期: 2022年4月8日〜4月10日
調査対象: 子どもを持つ20〜50代のマイナビニュース女性会員
調査数: 300人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません