ペット保険の「PS保険」を提供する少額短期保険会社のペットメディカルサポートはこのほど、愛犬と愛猫のワクチン接種に関するアンケート調査を実施し、結果を公表した。

同調査は2022年3月24日〜3月31日、同社ペット保険「PS保険」の契約者で補償開始が2022年1月の人2,682名を対象実施。有効回答数は391名だった。

  • 愛犬に接種するワクチンは「狂犬病ワクチン」が最多で54.1%

愛犬に1年以内でワクチン接種をした、あるいは接種を予定しているワクチンの種類を聞いたところ、最も多かったのは「狂犬病ワクチン」(54.1%)だった。続いて、2位は「5種混合ワクチン」(20.3%)、3位は「6種混合ワクチン」(17.3%)、4位は「8種混合ワクチン」(16.2%)という結果になった。

犬に接種が義務付けられている狂犬病ワクチンは、全体の半数以上を占める一方、混合ワクチンには接種義務がなく、回答にバラつきが見られた。また、今回の調査では、ワクチン接種を「していない、する予定はない」がわずか1.1%であることから、ほとんどの人が、愛犬に何らかのワクチン接種を行っていることがわかった。

日本では狂犬病予防法により、犬に対して狂犬病ワクチンの接種が義務付けられている。過去に狂犬病ワクチン接種後、重い副反応が出た場合や病気を患っている場合など、その接種を免除される場合がある。

  • 愛猫に接種するワクチンは「3種混合ワクチン」が最多で7割超え

愛猫に1年以内でワクチン接種をした、あるいは接種を予定しているワクチンの種類を聞いたところ、1位は「3種混合ワクチン」(72.8%)に。そのほかのワクチンの接種率はひと桁台であり、3種混合ワクチンが突出した結果となった。

  • ワクチン接種の費用は犬猫ともに「5,000円以上7,000円未満」が最多

愛犬のワクチン接種にかかった価格帯を聞いたところ、最も多いのは「5,000円から7,000円未満」(24.4%)、2位は「9,000円以上10,000円未満」(14.3%)、3位は「10,000円以上12,000円未満」(12.8%)という結果となった。

前述の「愛犬に接種するワクチンの種類」の結果で、狂犬病ワクチンが最も多く選ばれた一方、混合ワクチンについてはバラつきが見られ、そうした傾向が接種費用に反映しているものと推測される。

また、愛猫のワクチン接種については、「5,000円から7,000円未満」(34.4%)が最も多く、2位は「3,000円以上5,000円未満」(30.4%)となった。猫の場合は、これらの価格帯で全体の6割以上を占め、犬の場合とは異なる傾向が見られた。

愛猫に接種するワクチンとして「3種混合ワクチン」が全体の7割以上を占めることから、上位ふたつの価格帯の多くは「3種混合ワクチン」の費用と考えられる。

  • ワクチンの種類を選んだ理由は「獣医師からのすすめ」が1位

ワクチンを選んだ理由を聞いたところ、犬猫ともに最も多いのは「獣医師からのすすめ」(犬84.6%、猫70.4%)で、2位以下を大きく上回る結果となった。また、2位は、犬の場合、「ほかの動物と接触の可能性があるから」(8.6%)、猫の場合「完全室内飼いのため」(19.2%)と、外出の機会の有無で違いが見られた。

  • ワクチン接種の目的は「ペットの病気を予防するため」が1位。2位以下は、外出の頻度で犬猫に違いあり

ワクチン接種の目的を聞いたところ、犬猫ともに「ペットの病気を予防するため」(犬:89.5%、猫88.8%)が最も多い回答に。犬は、狂犬病ワクチンの接種義務があるため、「義務付けられている(狂犬病のみ)」(45.5%)の回答率が高い。

また、散歩を始め、ドッグランやトリミングサロンなど外出する機会が多いことから、「施設利用で義務づけられているため」(31.6%)、「公衆衛生上の観点から」(19.5%)でも高い回答率となった。

一方、猫には狂犬病ワクチンの接種義務はない。また、今回のアンケートで「完全室内飼い」の回答が約2割あったように調査対象の猫は外出する機会が少ないため、病気の予防以外の回答は少数となったと考えられる。

  • ペットの飼い主の多くが、毎年ワクチン接種をすべきと回答

ワクチン接種の適正な頻度を聞いたところ、犬猫ともに「毎年」(犬80.1%、猫63.2%)という回答が最も多いという結果に。また、2位は「2、3年おき」(犬9.4%、猫23.2%)、3位は「抗体検査の結果次第」(犬7.1%、猫4.8%)、4位は「不要」(犬1.9%、猫1.6%)と、同様の順位だった。

しかし、回答率では犬と猫とで「毎年」「2、3年おき」に違いがある。猫の「毎年」の比率が犬ほど高くない理由として、猫には毎年の狂犬病ワクチンの接種義務がないことが考えられる。また、猫の「2、3年おき」の回答率が犬よりも高いのは、「ワクチン接種の目的」の結果にあるように、ワクチンで病気の予防をしたいという飼い主の気持ちの表れと思われる。

今回のアンケート調査から飼い主の多くが、獣医師のすすめに耳を傾け、ペットの病気の予防のためにワクチン接種を毎年行っていることがわかった。

犬や猫はワクチン接種をしていても、病気になり、思いもよらない事故でケガをする場合がある。しかし、ペットには人間のような健康保険がなく、診療費は飼い主の全額自己負担となる。

例えば、骨折の治療では30万円もかかる場合があり、家計に与える影響は小さくない。同社では、ペット保険に加入していればこうした経済的負担を軽減し、ペットのケアに専念することができると指摘している。