米Appleが4月28日(現地時間)に発表した同社2022年度第2四半期(2022年1月〜3月)は増収増益だった。巣ごもり需要で伸びた昨年からの反動、マクロ経済環境の悪化、製造を委託する中国でのCOVID感染拡大など不安材料が少なくなかったが、売上高・利益とも1〜3月期の最高を更新、市場予想の平均を上回った。「(Apple製品に対する)顧客需要は引き続き力強く、インストール・ベースのアクティブデバイス数の記録を更新できた」とCFO(最高財務責任者)のLuca Maestri氏。
しかし、時間外取引でAppleの株価が下落した。1〜3月期は中国のCOVID感染拡大の影響を受けなかったが、4〜6月期以降についてロックダウンなどによるサプライチェーン混乱の影響が40億〜80億ドル規模になる可能性を明らかにしたためだ。ただし、40億〜80億ドルという規模はCOVID感染が拡大傾向にあった段階の予測であり、現時点では上海で報告されている患者数が減少し始めている。また、組立施設のほぼ全てがすでに再稼働しているとのこと。
1〜3月期にAppleは、3月にスペシャルイベントを開催して「Mac Studio」、M1搭載「iPad Air」、5Gに対応する「iPhone SE」、iPhone 13/iPhone 13 Proの新色を発表。中小企業向けサービス「Apple Business Essentials」(Beta)を米国で開始した。
1〜3月期の売上高は972億7800万ドル(前年同期比9%増)、純利益は250億1000万ドル(同6%増)だった。希薄化後の1株あたり利益は1.52ドル。市場予想の平均は、売上高938億9000万ドル、1株利益1.43ドルだった。以下は製品カテゴリー別の売上高(増減は前年同期比)。
- iPhone:売上高505億7000万ドル (5%増)
- Mac:売上高104億3500万ドル (15%増)
- iPad:売上高76億4600万ドル (2%減)
- ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高88億600万ドル (12%増)
- サービス:売上高198億2100万ドル (17%増)
製品カテゴリー別では、iPhone、Mac、ウェアラブル/Home/アクセサリの売上高が1〜3月期の最高を更新し、サービスが過去最高だった。サービスは有料サブスクリプションの契約者が1億6500万人増加して8億2500万人になった。iPadについては、サプライチェーン混乱から供給が安定しない状況が続いており、前期に続く減収になった。
地域別では、アメリカス、欧州、中国の売上高が1〜3月期の最高を更新した。最も伸びたのは、売上高408億8200万ドル(前年同期比20%増)のアメリカス。COVID感染が拡大した中国は183億4300万ドルで同3%増と一桁の伸びに減速した。日本は前年同期から微減の77億2400万ドルだった。