リコーは4月28日、ドキュメントスキャナー「ScanSnap」「fiシリーズ」や小型キーボード「Happy Hacking Keyboard」(HHKB)で知られるPFUを子会社化すると発表した。PFUが持つ高性能スキャナーや関連ソフトウエアなど紙のデジタル化の技術に着目しての買収となるが、HHKBについても「成長率が高く、今後も大切にしていきたい事業」として、事業の継続を明言した。社名もPFUから変更しない。
PFUは富士通の子会社だが、今回富士通が所有するPFUの株式を80%リコーに譲渡し、リコーの子会社になることが発表された。社名をPFUから変更しないことも明らかにした。
リコーが着目したのが、PFUのドキュメントイメージング事業。リコーは、プリンターとスキャナーが一体になったMFP(マルチファンクションプリンター)を手がけているが、用紙のスキャン性能や信頼性の高さではPFUが得意とする単体のドキュメントスキャナーの方が優れている。それらの機器や技術を手に入れることで、同業他社に対する優位性を獲得する狙いがある。
HHKBは、もともとPFUのなかでも事業規模が小さく、異端児的な存在だった。ドキュメントイメージング事業を重視するリコーの子会社になることで、HHKB事業がどうなるかが注目されていた。リコーの担当者は「キーボード業界はおおむね8%前後の成長率のなか、HHKBは14%の成長率で推移している。リコーとしても大切にしていきたい事業であり、楽しみにしていきたい」とコメント。HHKBファンにとっては安心できる発表となった。