米Appleは4月27日(現地時間)、米国で「セルフサービスリペア(Self Service Repair)」を開始した。ユーザーがAppleデバイスの純正パーツ、ツール、修理マニュアルなどを取り寄せて、自ら修理できるプログラムだ。
開始時点で同サービスを利用できるデバイスは、iPhone 12/12 mini、iPhone 12 Pro/Pro Max、iPhone 13/13 mini、iPhone 13 Pro/Pro Max、iPhone SE(第3世代)など。交換・修理の対象は、バッテリー、スピーカー、カメラ、ディスプレイ、SIMトレイ、Tapitc Engineなど。
セルフサービスリペアの手順は以下のようになる。
- Apple Self Service Repair Storeから修理マニュアルを入手して、作業内容、必要なパーツやツールを確認。
- Apple Self Service Repair Storeで必要なパーツとツールを注文。
- 交換・修理
- バッテリー、ディスプレイ、カメラは部品を交換した後にメッセージまたは電話でAppleに連絡して、専用のソフトウェアツールを使ってシステム構成をアップデートしてもらう。
- 交換したパーツをAppleに送ってリサイクル。
例えば、iPhone 13のディスプレイの交換は、ディスプレイとネジ、ディスプレイ用接着剤をまとめた「iPhone 13 Display Bundle」が269.95ドル。交換したパーツをAppleに送ってリサイクルするとクレジットを受け取れる。iPhone 13用のディスプレイは33.60ドルで、リサイクル分を差し引くとパーツ費用は236.35ドルになる。
米国でApple StoreでのiPhone 13のディスプレイ修理サービス(保証対象外)の費用は279ドルだ。セルフサービスリペアで修理することで42.65ドルの節約になるが、ツールを持っていなかったらツールも揃える必要がある。精密ドライバー、スパッジャーやオープナーといった入手しやすいツールだけではない。修理後に故障しやすくなったり、耐水・耐塵性能が損なわれるといったことにならないように、Appleは「Heated Display Removal Fixture」(256.35ドル)や「Display Press」(216ドル)のような修理業者も使うツールの使用を推奨している。そうした適切な分解・組み立てに必要なツールをまとめたツールキットのレンタルを用意しており、「iPhone 13 Tool Kit」は49ドル(1週間:送料込み)だ。
iPhoneの分解・組み立て、ディスプレイや内蔵バッテリー、カメラの交換は容易な作業ではない。専用ツールをレンタルしたとしても、電子機器を修理する知識や経験のない人達にとっては困難な作業になる。ユーザーの大多数にとっては、Appleまたは認定技術者が修理する専門サービスに依頼するのが安全で確実な方法であり、そのためAppleはセルフサービスリペアでパーツを注文する前に修理マニュアルで作業内容や必要になるツールを確認することを強く求めている。