パナソニック ハウジングソリューションズ(以下、パナソニック)が、新しいキッチンブランド「Caresa(カレサ)」を立ち上げました。キッチンを「家具」として選ぶ人に対してアプローチするという新ブランドについて、メディア向けセミナーからお届けします。
Caresa(カレサ)はキッチンの新しい提案
カレサは、インテリアショップのアクタス、そしてプロダクトデザイナーの深澤直人氏とともに、パナソニックがスタートする新しいキッチンブランド。6月2日には、アクタス新宿店の「キッチンショールーム」にて展示と販売を開始します。受注開始は7月から。希望小売価格は約430万円から(キッチン部のみ)。
それぞれの役割は、パナソニックが企画・開発・製造・マーケティングを担当。家電メーカーの技術と製造力を生かして、キッチンを作り上げます。深澤直人氏は、パナソニックと共同で企画とデザインを手がけるアートディレクターとして関わります。そしてアクタスは、マーケティングと店舗、販売、施工を担います。
カレサという名前には、「現代社会において、家(Casa)の中に、素顔に戻れたり、自分を癒やせる(Careできる)場所を提供したい」という想いを込めています。
クオーツストーンや天然木などこだわりの素材
デザインはシンプルなフォルムが特徴的。パナソニック ハウジングソリューションズのデザイン・コミュニケーションセンター、渡辺雅純所長は「ひとつの塊(かたまり)として極限まで要素をそぎ落としました。素材を生かし、硯(すずり)が立っているようなたたずまい」と話します。
素材は厳選された天然由来のものを採用。クォーツストーンや天然木などのほか、扉を閉めたときにきちんと柄がつながるようにデザインしています。
天然素材は高級感を演出するだけでなく、リビング空間の雰囲気ともつながります。温かみがあるため、家具のように愛着がわいてきそうです。
一日の家事をリセットできるキッチン
片付けのしやすさも注目ポイント。カレサを開発するにあたり、パナソニックは多くの家庭を訪問して聞き取り調査し、リアルな声を反映しています。
「お話をうかがったご家庭の中に、『一日の終わりにキッチンが散らかっていると気持ちがふさがってしまう。料理をていねいに作るように、ていねいに片付けることがキッチンリセット(キッチンを使う前の状態に戻すこと』というご意見がありました。普段は、片付けの最後に花を生けているそうです。ていねいに暮らすということは、大事なものが日常にあるということ」(渡辺氏)
カレサでは、暮らしに溶け込む家具のように、片付けやすく整理できる収納をデザインしました。
作業スペースにはクォーツストーンを使い、濡れたときも乾いたときも使いやすいように配慮。シンクには、洗った食器などをいれておけるカゴを用意。上からフタをすれば外から見えないため、ごちゃつかずに乾かせます。カトラリー類も収納しやすいよう、引き出し内の整理性も考えられています。
深澤氏からは、「キッチンは使わないときも『家具』として存在していれば機能している」という話があったそうです。料理をしているときだけでなく、使っていないときの美しさにまでこだわったのはカレサの特徴といえます。
家電メーカーらしく、炊飯器の蒸気を吸い込む家電収納などを用意
カレサの基本的なラインナップは、奥行き1,000mmのアイランドキッチン、奥行き730mmのアイランドキッチン、奥行きmmの壁つけキッチンです。
さらそこでは、段差が小さく鍋などを横に並べて使いやすいIHクッキングヒーター、炊飯器の蒸気を吸い込む家電収納スペース、オーブンレンジ、閉じると操作部が見えなくなってキッチンと調和する食器洗い乾燥機など、ライフスタイルにあわせた組み合わせが可能です。
上質で丁寧な暮らしを提供していく
パナソニックによると、キッチンを家具として選ぶ生活スタイルはグローバルスタンダード。日本国内でもこうした考えが広まってきています。
「カレサをキッチンブランドとして打ち出していくことで、パナソニックのキッチンブランドのプレゼンスを高めていく考えです。キッチンをインテリア・家具として、空間の質を高め、『上質で丁寧な暮らし』を提供していく」(パナソニック ハウジングソリューションズ 代表取締役社長 山田昌司氏)。
6月2日からは、アクタス・新宿店のキッチンショールームでカレサの展示が始まります。リビング空間や、ほかのインテリアとカレサをどのように連動せるのか楽しみです。ヨーロッパ家具を扱ってきたアクタスらしい空間演出は、家づくりの参考になりそうですね。