厚生労働省は4月26日、「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)」の結果を発表した。それによると、2021年11月時点に確認されたホームレスの平均年齢は63.6歳となり、調査を開始した2003年以来、過去最高を更新した。
高齢化と長期化が浮き彫りに
前回(2016年)調査の平均年齢は61.5歳で、2.1歳上昇した。年齢層別では、「70歳~」が最も多く34.4%(前回19.7%)、次いで「65~69歳」が20.0%、「60~64歳」が15.6%、「55~59歳」が10.7%、「50~54歳」が8.9%、「40~49歳」が7.5%、「~39歳」が2.8%となり、高齢化が進んでいることが浮き彫りになった。
路上生活の期間については、「10年以上」が40.4%(前回34.6%)で最多。以下、「5年~10年未満」が19.1%、「1年~3年未満」が11.4%と続き、長期化している人が多いことがわかった。
路上生活になった理由を聞くと、「仕事が減った」が24.5%でトップ。次いで「倒産や失業」が22.9%、「人間関係がうまくいかなくて、仕事を辞めた」が18.9%、「病気・けがや高齢で仕事ができなくなった」が14.3%となった。
また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるものは、「仕事が減った」が一番多く43.2%。続いて「倒産や失業」が18.2%、「人間関係がうまくいかなくて、仕事を辞めた」・「アパート等の家賃が払えなくなった」が各9.5%となった。
調査時期は2021年11月。東京都23区、政令指定都市及び2021年1月調査で20人以上の報告があった市でホームレスを対象に個別面接を実施し、1,169人から有効回答を得た。