ダイキン工業は4月26日、立夏(5月5日)の「エアコンの日」を前に、「コロナ禍における家電製品の使用実態と意識変化の調査」を実施し、家庭でのエアコンに対する関心度の変化や、65歳以上の高齢家族がいる家庭でのエアコンの使用状況、試運転の状況を調べ、その結果および試運転の方法を公開した。
今回の調査の結果、コロナ禍により使用時間や使用頻度、重要度が最も増した家電は「エアコン」であったという。ダイキンは、エアコンの問い合わせや点検の依頼は6月頃から増え始め、7月、8月に集中。混雑により暑い時期に修理対応を待つ場合があることから、ダイキンは本格的に暑くなる5月〜6月前半に試運転を行うことを推奨している。
熱中症による死亡者の約8割が65歳以上の高齢者と言われており、屋内における熱中症による死亡者の9割がエアコンを使用していなかったという調査結果がある。
エアコンの「試運転」の実施率は、熱中症リスクの高い高齢者がいる家庭でも半数に満たなかった。また、3人に1人が夏場にエアコンが使えず、つらい経験をしていたことも判明するなど、人々の熱中症リスクを抑えるために重要な、エアコン試運転の普及の必要性が浮き彫りとなった。
そこで、65歳以上の高齢家族がいる家庭を対象に、その家族の部屋にあるエアコンの試運転の実施または実施の声がけをしているかを確認したところ、夏を迎える前に毎年試運転をするように声をかけている割合は、同居している場合でも26.1%、別居している場合は16.2%にとどまり、高齢者の部屋に設置したエアコンの多くが、試運転されていない傾向にあることが判明した。
ダイキンは、万が一を考えて家族が一緒に試運転を行ったり、試運転をするように促したりすることを推奨している。
また、高齢家族の40.8%が夏場のエアコン使用を控える傾向があることも判明。高齢者は加齢により暑さを感じにくくなると言われており、気付かないうちに重篤な熱中症になる可能性もあることから、エアコンの適切使用を高齢者に呼びかけることの必要性も浮き彫りとなった。
夏場にエアコンが使えなくてつらい経験をしたことがある人は36%にのぼった。具体的に最も多かったのは「就寝中」(62.5%)、次いで「食事中」(31.9%)、「帰宅直後」(30.1%)。
熱帯夜にエアコンがない、またはエアコンが使えない状態では室内が高温になるケースがあり、熱中症を発症する可能性が高まるほか、寝苦しさでぐっすり眠れず体調を崩す一因にもなる。そのためにも、6月前半までにエアコンの試運転を実施して、夏本番にエアコンが使える状態かを確認することを、ダイキンは勧めている。
熱帯夜を快適に過ごすには、室内の温度だけでなく「湿度」の調整も大切。設定温度を28℃程度に、湿度を50〜60%に設定したエアコンの運転や、28℃程度に設定したエアコンと除湿機の併用で、室温を冷やしすぎることなく湿度を下げることをダイキンは推奨している。
湿度が20%変わると体感温度は約4℃変わると言われ、涼しく感じるという。この湿度を下げる工夫は、日中の熱中病対策にも効果的とのこと。
エアコンの試運転の方法については、「ダイキンスイッチオン!キャンペーン」のWebサイトに詳しい。