七福神とは、それぞれ異なる福を持つとされる神様のことで、この神様がまつられている神社を巡ることで、運気を上げることができるといわれています。
今回は、七福神巡りのやり方や順番、全国的に有名な七福神巡りスポットを紹介します。七福神それぞれの特徴やご利益もまとめました。
七福神巡りとは? やり方や順番を解説
七福神巡りとは、七福神の一人一人がまつられている神社やお寺を、順番に巡って参拝することを指します。全国各地に多くの七福神巡りスポットがあるので、地方に出掛ける際には、旅行がてら地元の七福神巡りをしてみてください。
七福神巡りのやり方に決まりはある?
古くから伝わる七福神巡りには、厳しい作法やルールなどがありそうですが、実は特に決まったルールなどはありません。好きなときに好きな神社やお寺に行ってお参りすれば大丈夫です。
ただし一つだけ守るべきことがあります。それは、七福神巡りの際に行う御朱印集めでは、御朱印をいただく前にきちんとお参りをすることです。あくまで目的は、御朱印のスタンプラリーではなくご利益をもらうことなので、失礼のないように先にお参りをしておきましょう。
七福神巡りの順番は?
気になる七福神巡りの順番ですが、こちらも特に決まった順番はありません。自由に行きたい順にお参りに行けばいいのですが、時間が限られている場合は、事前にコースを考えておくと効率よく参拝できるでしょう。
おすすめ! 七福神巡りができる有名な神社やお寺
ご利益をもらうため、全国各地に七福神をまつっている神社が設けられています。ここでは、全国の中でも有名な七福神巡りのスポットをご紹介します。
日本橋七福神【東京】
日本橋七福神巡りは、東京で七福神巡りをするときの定番と言われています。所要時間は約2時間で、徒歩で巡ることが可能です。お正月だけでなく、一年中巡ることができますので、東京観光の際に気軽にチャレンジしてみてください。
七福神 | まつられている神社・寺院 |
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恵比寿天 | 椙森神社 |
大黒天 | 松島神社 |
毘沙門天 | 末廣神社 |
弁財天 | 宝生弁財天水天宮境内 |
福禄寿 | 小網神社 |
寿老人 | 笠間稲荷神社 |
布袋 | 茶ノ木神社 |
大阪七福神【大阪】
大阪七福神巡りをする場合は、南海沿線近くにある寺院がほとんどなので、徒歩と地下鉄をうまく使えば一日ですべてのスポットを巡ることも可能です。徒歩で巡るのであれば、総移動距離が約7キロで、所要時間は約4時間から5時間です。ゆっくり参拝したい場合は2日に分けるとよいでしょう。
七福神 | まつられている神社・寺院 |
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恵比寿天 | 今宮戎神社 |
大黒天 | 大国主神社 |
毘沙門天 | 大乗坊 |
弁財天 | 法案寺 |
福禄寿 | 長久寺 |
寿老人 | 三光神社 |
布袋 | 四天王寺布袋堂 |
都七福神【京都】
都七福神巡りは、京都の七福神巡りスポットで、以下の7スポットが挙げられます。数ある七福神巡りの中でも、室町時代から始まった日本最古の七福神巡りスポットとしても知られています。
都七福神の寺院は市内各所に点在しているため、公共交通機関を使う場合、2日に分けて巡るのがおすすめです。バイクや自動車を使うのであれば、所要時間は約8時間といわれています。
七福神 | まつられている神社・寺院 |
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恵比寿天 | 京都ゑびす神社 |
大黒天 | 松ヶ崎大黒天(妙円寺) |
毘沙門天 | 東寺 |
弁財天 | 六波羅蜜寺 |
福禄寿 | 赤山禅院 |
寿老人 | 革堂(行願寺) |
布袋 | 黄檗山萬福寺 |
善光寺七福神【長野】
善光寺建立から1400年以上の長い歴史を持つ長野での七福神巡りは、以下のスポットが挙げられます。移動距離が約2.5キロなので、徒歩で楽しむことができます。所要時間は2時間程度です。
七福神 | まつられている神社・寺院 |
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恵比寿天 | 西宮神社 |
大黒天 | 大国主神社 |
毘沙門天 | 善光寺世尊院釈迦堂 |
弁財天 | 往生院 |
福禄寿 | 西後町秋葉神社 |
寿老人 | かるかや山西光寺 |
布袋 | 藤屋御本陳 |
鎌倉七福神【神奈川】
鎌倉七福神巡りでは、以下の寺院を巡ることになります。鎌倉という土地柄、源頼朝にゆかりのあるお寺も多くあります。
鎌倉七福神巡りをする場合は、それぞれに少し距離があるので、小田急のフリーパスや江ノ島電鉄の一日乗車券、頼朝きっぷなどを使用することで、一日でお得に巡ることができます。所要時間は約4時間~5時間です。
七福神 | まつられている神社・寺院 |
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恵比寿天 | 本覚寺 |
大黒天 | 長谷寺 |
毘沙門天 | 宝戒寺 |
弁財天 | 鶴岡八幡宮 |
福禄寿 | 御霊神社 |
寿老人 | 妙隆寺 |
布袋 | 浄智寺 |
七福神巡りに期限はある? ご利益を多くもらうには?
せっかく七福神巡りをするなら、できるだけ多くのご利益をもらうために、縁起の良い日に巡ったり、決められた期限の中で巡ったりした方がいいのかと疑問に思うかもしれません。また、七福神巡りをする日にちや期間、期限なども気になりますよね。
七福神巡りは、年神様が滞在しているといわれている、お正月の松の内の期間(地域によって異なりますが、基本的には1月1日から7日もしくは、15日まで)にするといいとされています。
七福神巡りの期間については、規定日数内に終えなければならないということはなく、一日で7つの神社をすべて巡ってもいいですし、数日に分けて巡っても大丈夫です。
そもそも七福神とは?
七福神とは、日本で昔から伝承されている「福徳」に関係する7人の神様のことを指します。
具体的には、恵比寿天(えびすてん)、大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、弁財天(べんざいてん)、布袋(ほてい)、寿老人(じゅろうじん)、福録寿(ふくろくじゅ)のことで、この7人の神様を信仰することで、7つの厄災が取り除かれ、7つの幸福が授けられるといわれています。
もともとは、室町時代からあった信仰だとされていますが、現在のような形になって拝まれるようになったのは、江戸時代からといわれています。
また、七福神の神様は、日本だけではなく、インドや中国の神様も含まれています。以下では、縁起物として日本人になじみ深い七福神それぞれのご利益や特徴についてご紹介します。
恵比寿天
恵比寿天は「七福神」の中で唯一、日本の神様であり、昔から日本人になじみのある神様です。実際にJR恵比寿駅前には像があり、通りすがりに見かけたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
恵比寿天は、イザナギとイザナミの子供であるヒルコなのではないかといわれています。3歳になっても自分で立つことができずに、船で海に流されたという言い伝えも存在します。
そのような言い伝えもあり、片手には釣り竿、わきに鯛を挟んでおり、海を彷彿(ほうふつ)とさせるような姿をしています。恵比寿天のご利益は、商売繁盛です。はじめは、大漁をもたらす漁業の神様として、のちに商売繁盛の神様として、ご利益がもらえると信仰されるようになりました。
大黒天
もともとヒンドゥー教の最高位に位置する神様で、創造と破壊をつかさどるシヴァ神の化身であった大黒天は、日本に伝来した際に、日本の神様である大国主(おおくにぬし)と一体化されました。
破壊をつかさどる神でもあり、インドでは険しい表情の神様として描かれることが多いですが、日本では優しくほほ笑む姿で描かれており、米俵に乗って、右手に小槌、左手にはたくさんの福が詰められた白い福袋を背負うようにして持っています。
この姿からも見てわかるように、大黒天のご利益は、財運福徳や豊作、五穀豊穣などです。
毘沙門天
毘沙門天は、古代インドのクベーラという神様がもとになっています。クベーラは別名ヴァイシュラヴァナともいわれ、漢字にすると「毘沙羅門」となります。それが変化して「毘沙門」となり、天界に住む者という意味である「天」が付き、現在の「毘沙門天」となったのです。
毘沙門天は兜をつけた武将のような神様です。兜の下からのぞかせる顔はとても勇ましく、福をもたらすだけでなく、厄除けのご利益を持つ神様として信仰されています。また、金運や商売繁盛等もご利益として有名です。
弁財天
弁財天は、才能や財産を兼ね備えた七福神で唯一の女神です。インドの神話に登場するサラスヴァティが美しい女神の姿に収められ、琵琶を抱えているのが特徴です。弁財天様のご利益は、音楽・芸能、学問成就、財運です。
寿老人
寿老人は、見ると寿命が延びるといわれてきた中国・道教の神様がモデルとなっています。長い頭に白い髭と長寿を表す鹿、手には桃が描かれていることが多く、ご利益は、長寿延命です。
布袋尊
布袋尊は、七福神の中で唯一実在した人物で、中国の禅僧がモデルとなっています。一番の特徴は笑顔と丸いおなかで、堪忍袋という大きな白い袋を背負っています。度量が広い神様として認知されており、笑門来福・夫婦円満のご利益があります。
福禄寿
福禄寿は、寿老人と同じで中国から伝わってきた道教の神がモデルになっているといわれています。福禄寿の特徴も寿老人と同様に、長い頭で白い髭を生やしています。杖をついており、長寿の象徴である鶴や亀といった動物と共に描かれることが多いです。ご利益は、子孫繁栄、財運招福、健康長寿です。
七福神巡りをして開運祈願!
開運祈願をするために七福神巡りを考えている人も多いでしょう。実は七福神巡りは東京や、京都・大阪などをはじめ、全国各地で行うことができます。
7人の神様はそれぞれに見分ける特徴があり、ご利益も異なるので、参拝しに行く前にご利益を調べてから行くといいでしょう。また、七福神巡りでは、それぞれのご利益を祈願しに行くだけでなく、御朱印をもらうこともできます。御朱印をもらう際には、事前にお参りをするというルールを忘れないようにしましょう。