通常の3倍の大容量L3を搭載した新型Ryzen

AMDの「Ryzen 7 5800X3D」は、同社の「3D V-Cache」技術を採用した初のデスクトップ向けCPU。3D V-Cacheは、CPUダイの上に、L3キャッシュを積層するという技術である。これにより、L3キャッシュはCPUダイ側の32MBにL3ダイの64MBが追加され、合計96MBという大容量を実現した。TDPは従来通り105W。価格は65,500円前後だ。

  • AMDの「Ryzen 7 5800X3D」。CPUクーラーは付属しないので、別途用意する

    AMDの「Ryzen 7 5800X3D」。CPUクーラーは付属しないので、別途用意する

通常の「5800X」と比較すると、コア/スレッド数は8/16で変わらず、コアクロックはベース/ブーストとも少し落とされている。しかし、L3キャッシュの大容量化により、1080pのゲームにおいて、上位シリーズである「Ryzen 9 5900X」よりも、パフォーマンスが最大15%向上したという。

現在、5800Xの価格は48,000円前後。L3キャッシュを追加した分、コストはそれなりに上がってしまうものの、5800X3Dのゲーム性能の高さは非常に魅力的だ。一方、5900Xの価格は57,500円前後まで下がっており、お得感が増している。あえてこちらを狙うという選択肢もアリだろう。

参考記事:「Ryzen 7 5800X3D」を試す - 比較対象はi9-12900KとR7 5800X、速度と電力に特徴
https://news.mynavi.jp/article/20220414-2322220/

補助電源が不要になったローエンドRadeon

AMDより、新型GPU「Radeon RX 6400」が登場、搭載グラフィックスカードが各社より発売された。1月に発売された「同 6500 XT」の下位モデルになり、ストリームプロセッサ数は1,024基→768基へとさらに削減されている。その一方で、価格が2万円台後半と安く、補助電源も不要で使いやすいのはメリットだ。

今回、入荷が確認できたのは以下の各モデル。エントリー向けということで、ショート基板モデルやロープロモデルが多いが、冷却性に優れるデュアルファンモデルもあり、選択肢は豊富だ。また6500 XTと同様に、グラフィックス出力端子は2つだけなので、3画面以上使いたい場合には注意だ。

メーカー 製品名 クーラー 価格
GIGABYTE GV-R64EAGLE-4GD 2ファン 28,500円前後
GIGABYTE GV-R64D6-4GL ロープロ 27,500円前後
MSI Radeon RX 6400 Aero ITX 4G 1ファン 26,000円前後
ASRock RX6400 CLI 4G 1ファン 25,500円前後
SAPPHIRE Pulse Radeon RX 6400 Gaming 4G GDDR6 ロープロ 26,500円前後
玄人志向 RD-RX6400-E4GB/LP ロープロ 25,500円前後
PowerColor AXRX 6400 4GBD6-DH 1ファン 26,000円前後
  • GIGABYTEの「GV-R64EAGLE-4GD」。デュアルファンで冷却性に優れる

  • こちらは「GV-R64D6-4GL」。ロープロながらデュアルファンを搭載

  • ASRockの「RX6400 CLI 4G」。2スロット厚のショート基板モデルとなる

  • SAPPHIREの「Pulse Radeon RX 6400 Gaming 4G GDDR6」。1スロット厚だ

大型クーラー搭載のハイエンド3090 Ti

MSIの「GeForce RTX 3090 Ti Suprim X 24G」は、GeForce RTX 3090 Tiグラフィックスカードの最上位モデル。「トルクスファン4.0」などを搭載した「Tri Frozr 2S」クーラーにより、コアクロックは1,950MHzまで高速化されている。クーラーはダイヤモンドをイメージしたというデザインも特徴的だ。価格は363,000円前後。

  • MSIの「GeForce RTX 3090 Ti Suprim X 24G」。クーラーは4スロットを占有する

  • メタルバックプレートのエンブレムはLEDで光る。ブラッシュ加工で質感も高い