米Metaは4月25日(現地時間)、同社のハードウェア製品を体験・購入できる小売店「Meta Store」を発表した。同社初の実店舗型直営店を、5月9日にカリフォルニア州バーリンゲームのキャンパスにオープンさせる。
Meta Storeでは販売も行うが、スマートディスプレイ「Portal」、スマートグラス「Ray-Ban Stories」、VR(仮想現実)ヘッドセット「Quest 2」といったスマートデバイスを体験してもらうことに主眼を置いている。サングラスを通して見えるものを簡単にキャプチャしてユニークなコンテンツを作成(Ray-Ban Stories)、会話している人に合わせてカメラがフレーミングなどを自動調整するビデオ通話(Portal)、AR(拡張現実)で物語に入り込めるStory Time(Portal)、「Beat Saber」「GOLF+」「Real VR Fishing」「Supernatural」といったゲームやアプリによるVR体験など。実際に使ってみて分かることが多いスマートデバイスの魅力や価値を伝える場になる。Ray-Ban StoriesはMeta Storeでは購入できないが、スタイル/カラー/レンズの組み合わせを試着して、ストアからRay-Ban.comで注文できる。
バーリンゲームはサンフランシスコ国際空港から車で10分程度のところにある。サンフランシスコ近郊の街だ。車以外の交通手段では行きにくく、Googleが「Google Store」をオープンさせたニューヨークのような大都市でもない。小売店の立地としては望ましい場所とは言いがたいが、Metaのバーリンゲームのキャンパスにはメタバース体験を研究・開発するReality Labsが拠点を置いており、その近くを最初のMeta Storeの場所に選んだ。店舗は1,550平方フィート(約144平方メートル)と体験スペースとしては小さいが、Meta Storeでは同ラボで取り組んでいる最新のメタバース体験にも触れてもらう。そうしたテストも兼ねたデモからの反応やフィードバックをユーザー体験を中核に据えた開発に活かす。バーリンゲーム・ストアでの学びを今後の小売り戦略の判断に役立てるという。
Metaはまた、meta.comにオンラインショップの「Shop」タブを新設。これまでプロダクト別に散らばっていた販売サイトをまとめて、Metaの全てのハードウェア製品のショップに1カ所からアクセスできるようにした。
2021年にMeta Quest関連の売り上げが一時Xboxを上回るなどMetaのデバイスは着実にユーザーを増やしており、リテール強化によってハードウェア事業の成長の加速を狙う。