マイホームの購入を考えた時、「予算」は大事な検討条件のひとつ。住宅ローンを利用した場合、毎月いくら返済することが可能か、何年間かけて返済するのかいろいろとシミュレーションする人も多いことでしょう。

そこで重要になってくるのが、借り入れできる金額のこと。わかりやすい目安として、「自分の年収の〇倍」というものがあります。しかし「年収の5倍までにした方がいい」という話もあれば、「今は低金利の時代。年収10倍まで借り入れできる」という話もあり、判断に迷うところ。実際は、年収の何倍の額を借り入れしている人が多いのでしょうか。

そこで今回は住宅ローンを組んでマイホームを購入したマイナビニュース会員507人に、借入額について聞いてみました。

  • 住宅ローンの借入額、年収の何倍?

借入額で最多回答は、「年収の3倍以上~5倍未満」

Q.住宅購入にあたって住宅ローンは組みましたか?

はい……68.2%
いいえ……31.6%

住宅購入にあたり、住宅ローンを組んだ人は68.2%。現金派や親などからの資金提供という人もいるかもしれませんが、マイホーム購入においては住宅ローンを組む人が主流のようです。

Q.住宅ローンの借入額は当時の年収の何倍でしたか?

1位 年収の3倍以上~5倍未満……35.7%
2位 年収の5倍以上~7倍未満……21.6%
3位 年収の1倍以上~3倍未満……15.6%
4位 年収の7倍以上~9倍未満……10.4%
5位 年収の9倍以上……9.2%
6位 年収より少ない……7.5%

住宅ローンの借入額は年収の何倍であったか尋ねたところ、最も多い回答は「3倍以上~5倍未満」でした。次いで「5倍以上~7倍未満」「1倍以上~3倍未満」と続いています。

Q.住宅ローンの借入額は適切だったと思いますか?

はい……84.1%
いいえ……15.9%

住宅ローンの借入額は適切であったか聞いてみると、圧倒的に多かったのが「そう思う」でした。一生に一度の大きな買い物と言っていいマイホーム。高額であるだけに、慎重に検討を重ねた上での借入額だったことが推測されます。

Q.借入額が適切だった、もしくは適切ではなかったと思う理由を教えてください

8割以上が「住宅ローンの借入額が適切だった」と回答していますが、16%は「適切ではなかった」と答えています。それぞれの理由について聞いてみました。

適切だった理由

  • 「返済額が直前まで住んでいたアパートの家賃より安くなり、経済的にとても良かったから」(男性/54歳/東京都/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「現在も無理なく返済もしていますし、多少ですが繰り上げ返済もできているので」(男性/50歳/福岡県/その他・専業主婦等/求職中・無職)

  • 「毎月返せる金額だから」(男性/54歳/兵庫県/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「ボーナス払いがない」(男性/49歳/大阪府/海運・鉄道・空輸・陸運 公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「年収から無理のない金額にしたため」(男性/51歳/東京都/メカトロ関連技術職/会社員・公務員・団体職員)

  • 「コロナの影響で厳しい時期もあったが元々無理のない返済計画を設定していたのでそこまで影響はなかった」(男性/45歳/技能工・運輸・設備関連/個人事業主・会社役員)

多くの人が挙げていたのは「無理なく返済できる額だったから」でした。憧れのマイホームですが、背伸びせず自分の収入に見合った物件を探してローンを組む堅実派が多いことがわかります。ボーナスが支給されなくても支払いが滞らないよう均等払いを選択した人や、多少のライフステージの変化があっても対応できるような余裕を持った返済計画を立てている人が多いようですね。

<適切ではなかった>

  • 「義父母に無理に組まされたので」(女性/48歳/滋賀県/その他・専業主婦等/専業主婦)

  • 「借りすぎた」(男性/38歳/静岡県/IT関連技術職/会社員・公務員・団体職員)

  • 「当時は金利が高かった。借入額をもう少し減らせれば良かった」(男性/57歳/愛知県/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「現在ムリな返済が続いているから」(男性/36歳/愛媛県/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)

  • 「金利が低い水準で10年以上続いている為、固定金利ではなく安い変動金利で契約しておけばよかったかなと感じております」(男性/51歳/埼玉県/その他・専業主婦等/会社員・公務員・団体職員)

  • 「バブル期で物件が高く、無理せざるをえなかった」(男性/56歳/千葉県/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

適切ではなかったと回答した人で目立った回答は、「ローンを組んだ当時、金利が高かった」「物件自体高かった」というものでした。最近、固定金利の金利が上昇していますが、それでもここ10年以上は固定・変動とも1%前後の超低金利。しかしかつては、金利が5%~8%という高金利の時代もありました。その当時にローンを組んだ人は、多少の無理もせざるを得なかったのかもしれません。

まとめ

高額である上に、何十年単位で支払い続けなくてはならない住宅ローン。ローンを組み始めた年齢にもよりますが、今は年収の10倍近くの金額を借り入れすることも可能となっています。住宅金融支援機構が公開している「2019年度 フラット35利用者調査」によると、年収倍率の全国平均は約7倍。今回のアンケートでは、それと同じか、少ない借入額でローンを組んだ人が6割で、年収の7倍以上の額を借り入れた人は2割と少数派でした。

借入額も「適切だった」という回答が圧倒的に多く、住宅ローンの支払いが家計を圧迫しないように、綿密な返済計画を立てていた人が多いことがわかります。今後、住宅ローンの借り入れを検討する人は参考にしてみてください。

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調査時期: 2022年4月9日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 507人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
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