言わずと知れたカレーの聖地・神田神保町。本格カレー屋さんが軒を連ねるなかで、牛丼屋のカレーを食べるってさみしいことなんだろうか……いや、きっと気合いの入ったおいしさを楽しめるはずだ。
神田神保町へ訪れても行列のカレー屋さんに並べない、多忙な一日だってあるかもしれない。どうしてもカレーを食べたいときだって「早い・安い・うまい」で好みの味にありつけるべきだ。……ということで、今時牛丼ビッグ3がしのぎを削っている600円台のカレーメニューをあえて神田神保町でテイクアウト。「香り」「辛さ」「色」「肉の味わい」「まとまり」5つの項目でチェックして徹底比較してみた!
牛丼屋さんのカレー食べ比べ!
今回購入したのは「すき家」「吉野家」「松屋」が販売するカレーライス。国内にそれぞれ1,000近くの店舗をかまえる、圧倒的牛丼屋さんチェーンの右腕的商品だ。
カレーライスプロフィール
すき家「牛カレー」(690円)
吉野家「肉だく牛黒カレー」(645円)
松家「オリジナルカレギュウ」(680円)
テイクアウトしたのは各店舗のカレー商品のなかで特に王道っぽい600円代の3品。「吉野家」のみお肉の量が少なめの500円代メニュー「牛黒カレー」(537円)も販売されていたのだが、価格面での平等を期すために中間金額の商品を選択した。どちらも牛肉とカレーの組み合わせとなっており、吉野家のみ福神漬けがないというのも特徴のひとつだ。
価格
価格は吉野家の「肉だく牛黒カレー」(645円)が最安で、松屋の「オリジナルカレギュウ」(680円)、すき家の「牛カレー」(690円)とつづいた。3店舗とも牛肉が乗っていないカレーも販売されているが、吉野家が393円、その他2店舗は480円とカレーでは吉野家が最も安い価格設定になっている。
重量
重量は松屋、吉野家、すき家の順で多い結果に。金額に合わせてボリュームアップするわけではないようだ。
松屋の総重量は497gでルーが187g、ごはんが215g、お肉が74gで、福神漬けが17g。吉野家の総重量は528gでルーが178g、ごはんが266gでお肉は84gとなっていた。すき家は総重量533gでルーが186g、ごはんが286g、お肉が54gで福神漬けが7gだった。
お肉量トップは吉野家で、ルーがたっぷりなのは松屋。ごはんがいちばん多いのはすき家と、店舗によってストロングポイントは異なる模様。価格と重量のコスパで言うと吉野家が優勢にも感じられるが、福神漬けがないという点は少々気になるところでもある。
テイクアウト容器
テイクアウト容器はすき家のみカレー専用容器でその他2店舗は牛丼皿とカレールーがカスタムされているような仕様だ。持ち歩き時の安定感という軸で考えると、専用の容器を用意しているすき家の器に惹かれてしまう。
色
ルーの色味は写真の通りで、すき家のルーがいちばん鮮やかで吉野家がこっくり深めな印象。そして中間色が松屋といった感じだ。
味わい徹底比較
色味に続いては、気になる味わいをレポート。「香り」「辛さ」「色」「まとまり」など、項目ごとでもチェックしていく。
すき家「牛カレー」
商品名 : 「牛カレー 並盛」
エネルギー : 912Kcal
重量 : 533g
┗ ルー : 186g
┗ ごはん : 286g
┗ お肉 : 54g
┗ 福神漬け : 7g
「牛カレー」は、20種類以上のスパイスを使用し、玉ねぎやトマトの甘みを溶け込ませたというすき家の定番カレー。サイズ展開もミニ~メガの4種類が用意されているので、子どもから大食漢まで頼みやすいのも魅力となっている。
ごはんは3品の内、最も食感を感じる、ちょっぴり固めな仕上がりになっている。さらっとしたルーとバランスをとっているのか、ちょうどよい食べ心地を堪能できた。ボリューム感を楽しみつつ、どんどん食べ進められるのが魅力のひとつだ。
すき家のカレーはスキー場や屋台で食べるようなどこか馴染み深い、安心感のある仕上がりになっている。多くの人が食べやすい安定感のあるカレーは万人受けしそうだ。
「すき家」カレー味わいチェック
香り : ★★☆☆☆
辛さ : ★★★★☆
色 : ★★★☆☆
まとまり : ★★★★☆
吉野家「肉だく牛黒カレー」
商品名 : 「肉だく牛黒カレー 並盛」
エネルギー : 798Kcal
重量 : 528g
┗ ルー : 178g
┗ お肉 : 84g
┗ ごはん : 266g
「肉だく牛黒カレー」は、吉野家の牛肉もたっぷり味わえるカレーメニュー。吉野家のカレーはチーズトッピングや牛カルビのせ、ルーのみのプレーンタイプなど、バラエティ豊かなラインナップが特徴だ。サイズは並盛と大盛が用意されている。
肉は大きく厚みもしっかりしているので食べ応えばっちりだ。ごはんはもちっと仕上げで、とろみあるルーはお米にしみ込まないため絶妙なバランスが計算されている模様。ルーのコク深さや具材のボリューム感、全体のバランスを考えると、3店舗でも特に本格的な味わいに仕上げられている。
存在感の具材と濃厚でコクのあるカレールーは、味わいはもちろんビジュアルからも多店舗と差別化されている印象。洋食屋さんのカレーのような雰囲気を感じられるので、神保町で食べるには吉野家がいちばん"それっぽい"かもしれない……。
「吉野家」カレー味わいチェック
香り : ★★★★★
辛さ : ★★★☆☆
色 : ★★★★★
まとまり : ★★★★★
松屋「オリジナルカレギュウ」
商品名 : 「オリジナルカレギュウ 並盛」
エネルギー : 953Kcal
重量 : 497g
┗ ルー : 187g
┗ お肉 : 74g
┗ ごはん : 215g
┗ 福神漬け : 17g
「オリジナルカレギュウ」は、スパイスを効かせて仕上げたという松屋のカレーメニュー。松屋ではチキンカレーやハンバーグカレーなども販売されているので、楽しみ方は豊富なようだ。
松屋のカレーで特に印象的なのは「ルー」の仕上がり。スパイスをしっかり感じられるうえ、野菜の甘みも溶け込んでいるのがよく分かる。辛みと甘みのバランスがよく、さらっとした辛みの強いカレーが好きな人にはハマりそうな味わいだ。
辛さでは3商品でトップだが、ルーやお肉、福神漬けの甘み要素とかけ合わさって食べやすく仕上げられている「オリジナルカレギュウ」。味の掛け合わせが好みという人にはぜひおすすめしたい一品だった。
「松屋」カレー味わいチェック
香り : ★★★★☆
辛さ : ★★★★★
色 : ★★★★☆
まとまり : ★★★★☆
最後に
すき家、吉野家、松屋のカレーライス3品を比較してみると、共通点は"牛丼屋さんのカレーだけなんだ"と感じる味の違いを楽しめた。
万人受けする親しみのあるカレーが好きな人には「すき家」がおすすめで、本格的なコク深いルーと肉厚なお肉を味わいたい人は「吉野家」一択。スパイスの刺激と野菜の甘みをバランス良く楽しみたいなら「松屋」を選ぶとよいはずだ。
あくまで筆者の感想ではあるが、好みによって良し悪しが分かれるラインナップとなっている。ぜひ自分にあった品を探して好みの一皿を堪能してみてほしい。