通信内容を暗号化し不正に見られることを防ぐ「VPN」は、仮想的(Virtual)で私的(Private)な通信網(Network)、ひらたくいえば「第3者に情報を盗み見られないしくみの仮想専用線」です。公衆回線を利用し離れた2拠点間を仮想的な回線でつなぐ通信技術であり、iPhoneでもシステムレベルでサポートされています。
VPNは通信安全性が高く、情報漏えいのリスクを抑えるとともに外部からの不正アクセス防止に役立ちます。国内の学校や企業で活用されているほか、ネット規制が厳しい海外から日本のインターネットサービスに接続するときにも使用されます。
VPNにはいくつかのプロトコル(通信仕様)が存在し、iOS 15の現在サポートされているのは「IPsec」と「IKEv2」、そして「L2TP」の3種類です。iOS 10以前はPPTPもサポートされていましたが、使用される認証プロトコルに脆弱性が確認されたために現在では廃止されています。
iPhoneにVPNのアクセスポイントを登録するには、『設定』→「一般」→「VPNとデバイス管理」→「VPN」の順に画面を開き、「VPN構成を追加...」をタップします。タイプ(プロトコル)などを設定する画面が現れるので、アクセス先から発行されたID/パスワード、シークレット(事前共有鍵)を入力すれば作業は完了です。
いちどVPNの登録を完了すると、設定アプリのトップ画面/インターネット共有項目下に「VPN」スイッチが現れます。次回以降はこのスイッチをオンにするだけで(Wi-Fi/モバイル回線経由で)VPNに接続できるので、手間はかかりませんよ。