「草木も眠る丑三つ時……」、誰もが1度は聞いたことのあるフレーズですよね。古来より、丑三つ時は、夜の闇が最も深く、魔物が跋扈(ばっこ)する時間だといわれてきました。憎い相手に見立てたわら人形を神社の御神木に五寸釘で打ち込む呪いの儀式「丑の刻参り(うしのこくまいり)」が行われるのもこの時間帯です。

ところが、そんな丑三つ時ですら、現代のテクノロジーのもとでは常に誰かに見られている可能性があるというのです。神社に関する意外な豆知識をシェアした、鴨川を徘徊する魔女(@Kamohai_)さんのツイートに反響が集まっています。

  • ※画像はイメージです

これ、神社で働いてたわたしからの豆知識なんですけど、最近の神社はセコムついてて携帯端末からでも防犯カメラの映像を確認できるので、丑の刻参りの「誰にもみられてはいけない」のクリアが困難になっています。なんなら、録画までされてます(@Kamohai_より引用)

「丑の刻参り(うしのこくまいり)」とは、日本に古くから伝わる呪いの一種。

丑の刻(午前1時~午前3時ごろ)に、神社の御神木に憎い相手に見立てたわら人形を五寸釘で打ち込み、呪いの言葉を唱えます。この行為を7日間続けると呪われた相手が死ぬといわれていますが、丑の刻参りをするときは、その行為を誰にも見られてはいけないとされているのです。

賽銭泥棒や器物損壊などの対策として防犯カメラを導入する神社は多いですが、意外な影響もあるのですね。

このツイートに対し、リプライや引用リツイートでは、「賽銭泥棒の話かと思ったらまさかの丑の刻参りだった」「ハイテクに敗北する呪い」「丑の刻参りにまつわる衝撃の事実」など、防犯カメラの意外な影響に反応する人が多数。

「ほんとこれ! あたしの職場の神社も丑の刻参り防止に監視カメラとSECOMついてるし、もし丑の刻参りやったとしても監視カメラとSECOMで神社の職員見てるから即現場に駆けつけることができるんだよね。だから丑の刻参りはマジでしちゃあかんよー!」と、神社で働いている方からの呼びかけもありました。

このツイートをした鴨川を徘徊する魔女さんに、投稿の経緯や丑の刻参りの実情についてうかがいました。

「丑の刻参りが難しい時代」、投稿者に聞いてみた

――丑の刻参りをする方は、結構いるものよく行われているものなのでしょうか?

私の奉職していた神社は山奥にあり、丑の刻参りにはうってつけのスポットでしたが、頻度はそんなに多くなかったですね。私の奉職していた他の神社も年1件あるかないかでした。ないほうが多いと思われます。

――ツイートのきっかけがあれば教えてください。

わたしが公開しているAmazonの欲しいものリストをみた友人が、誕生日にジョークで丑の刻参りグッズを贈ってくれたことです。欲しいものリストに入れていたのも一種のジョークでした。

  • ご友人から送られたという丑の刻参りグッズ(@Kamohai_より引用)

――ツイートには多くの反響が寄せられましたね。

これをきっかけに、丑の刻参りは思いとどまってほしいと思います(笑)

そもそも神社内にある自然は神様のものと考え、傷をつけたりしないようにしてほしいです。また、呪うことよりも日々の感謝を神様に申し上げるほうがきっと有意義じゃなかろうかと思っています。


丑の刻参りの様子が誰かに見られている、ましてや録画されているかもしれないと思うと、呪う気持ちも失せてしまうのではないでしょうか。人を呪うことよりも、自分が楽しくなれることやハッピーになれることにエネルギーを使うようにしたいものですね。