4月20日、東京タワーにて「RED゜TOKYO TOWER (RED゜) OPENING CEREMONY」が開催されました。「RED゜」は東京タワーの3~5階で展開するeスポーツを中心とする複合エンターテインメント施設です。
以前のメディア発表会では、5階のみの公開でしたが、オープニングセレモニーで3階と4階もお披露目。また、当日は小池百合子東京都知事のビデオメッセージが放送されたほか、自由民主党モータースポーツ議員連盟会長、港区長、東京都議会議員らによるテープカットが行われました。
「RED゜」を運営する東京eスポーツゲートの原康雄社長からは、今後の展望や事業戦略が語られ、「RED゜」が複合エンターテインメント施設だけで終わらないことを示唆しました。
そのひとつが「RED゜TOKEN PROJECT」。いわば「RED゜」版の仮想通貨的なもので、この独自トークンを活用することで、コンテンツに対してファンが夢中になれる仕組みを構築するとともに、NFTや着せ替え自在なアバターなどで自己表現を楽しめる体験を提供していく予定です。
さらに「RED゜METAVERS PROJECT」についても言及。「RED゜」はリアルの複合エンターテインメント施設の展開だけでなく、メタバースにも展開していきます。
「RED゜」のメタバースを構築するのは、『ファイナルファンタジーXV』のディレクターを務めた田畑端氏が立ち上げたJP GAMES。仮想空間でも「RED゜」が展開され、ゲームだけでなく、アニメやマンガ、音楽、アート、ファッションなどあらゆるエンターテイメント要素を盛り込んでいく予定。そこで使われるのが先に説明したトークンです。
もちろん、リアルでのイベントも予定しており、「RED゜」はオンライン、オフライン問わず、次世代のエンターテインメントプラットフォームとして、エンターテインメント事業を展開していくとアピールしました。
「RED゜」は、発表会が行われた4月20日の17時からグランドオープン。それに伴い、チケット料金と営業時間も公開されました。営業時間は10時から22時。19時までは3時間単位、19時以降は1時間単位での利用となります。入場チケットを購入すれば、基本的にすべてのアトラクションやゲームは無料でプレイ可能。フロアによる区別もないので、自由に行き来できます。
今回公開となったフロアは、3階の「INSPIRATION ZONE」と4階の「ATTRACTION ZONE」です。
3階は休憩スペースのラウンジやレトロゲームの数々、VRゲーム、ガチャポンやオリジナルグッズのショップなどが用意されていました。暖簾にプロジェクションマッピングを施した、サイバー感溢れるエントランスの鳥居は、「RED゜」の期待感を高めてくれます。広々としたラウンジは、これまたプロジェクションマッピングにより、床面やテーブルや椅子まで映像で演出。壁一面がモニターになっているので、5階で開催されるeスポーツイベントやライブイベントのパブリックビューイングとしても利用できます。
4階は体感系のアトラクションや超人スポーツを取り扱ったエリアです。身体を動かしてプレイするだけでなく、デジタルやVRとの融合で、これまでにない体験ができます。
身体を動かしながらプレイするVRゲームは、VRゴーグルとアームセンサーを使って気弾を撃ち合う、フィジカル系eスポーツとしてお馴染みの『HADO』や、VR施設などで展開しているVRアクションシューティングゲームの『TOWER TAG』などが用意されていました。
プロジェクションマッピングとセンサーを組み合わせたアトラクションでは、床一面がモニターになったエアーホッケーやブロック崩し、リズムゲーム、脳トレを楽しめる『CYBER STADIUM』、ボルダリングの壁にプロジェクションマッピングを施した『VALOCLIMB』、実際のボールを壁面に映し出された映像のターゲットに当てる『CYBER PLAYERS』、トランポリンのようなエアートラックとARが融合し、ジャンプで対戦相手を踏み潰す対戦型ゲームの『VALOJUMP』などがあります。
リアルスポーツと融合したゲームやシミュレーターもあります。ゴルフシミュレーターの『GOLF』、野球シミュレーターの『BASEBALL』は、ゲームがあまり得意でない人も楽しめるでしょう。
なかでも注目なのが『CYBER BOCCHA S』。パラスポーツのボッチャとデジタルの融合したアトラクションで、ボールの位置の判定や投擲する順番などの指示をマシンが行ってくれます。
実際に遊んでみましたが、審判いらずの自動判定なので、スポーツの複合施設以外ではプレイすることが難しいボッチャを気軽に楽しめるようになっていました。
ほかにも、ミニドローンを実際に飛ばせる「RED゜DRONE」や、リアル脱出ゲームの「RED゜NAZOTOKI」など、話題になっているアトラクションも用意されています。
5階はすでに発表されている通り、レーシングシミュレーターを体感できる「RED゜E-MOTOR」や、ネットカフェのような「RED゜ARENA」、ポーカーを楽しめる「RED゜ROYAL」、世界各国のボードゲームを遊べる「RED゜BODOGE」などがあります。
繰り返しになりますが、入場したあとは、すべてのフロアのすべてのアトラクションやゲームを無料で体験できるので自由度が高く、お得感もあります。それだけに混雑時は人気アトラクションや人気ゲームに人が集中してしまう可能性もあります。
現状は並んで順番待ちになるとのことですが、長蛇の列ができてしまうのであれば、オンラインでの予約システムなどを導入してほしいところ。それこそ、「RED゜METAVERS」による予約と待ち時間の確認ができるようになれば、これまでにない体験ができるのではないでしょうか。
「RED゜」には、運動が得意な人、ゲームが得意な人、家族や友人の付き添いで来た人、さまざまな人すべてが楽しめるようなコンテンツがそろっているので、多種多様な好みのグループであっても全員が楽しめること間違いなし。6月中旬には1階にフードコートがオープン予定で、6月中には4階に『PUBG MOBILE』とのコラボのシューティングアクションも追加オープン予定。現状でもかなり楽しめるエンターテインメント施設ではありますが、「RED゜METAVERS」と共に進化する「RED゜」に、期待が膨らみます。