ハーレーダビッドソンの最新モデル「ナイトスター」(Nightster)の国内予約販売が始まった。「パンアメリカ」「スポーツスターS」に続き、新型水冷エンジン「レボリューションマックス」を搭載する“新世代ハーレー”の第3弾はどんなバイクなのか。実車を確認してきた。
ハーレーの新時代を彩る新たなスポーツスター
2021年はハーレーダビッドソンにとって、伝統の空冷Vツインエンジンから水冷Vツインエンジンへと大きな転換を果たした歴史的な1年となった。新世代モデルの第1号機となったパンアメリカはハーレー初のアドベンチャーモデルとしても話題を呼び、「日本バイクオブザイヤー2021」の外国車部門で最優秀金賞に輝くなど大成功を収めた。
ついで登場したスポーツスターSは、60年以上の長きにわたるスポーツスターの歴史に新たなページを刻んだ1台。搭載する「レボリューションマックス1250Tエンジン」はパンアメリカのエンジンよりもトルク型で、力強い走りが楽しめるチューニングが施されていた。
そして今回のナイトスターは、新世代ハーレーの第3弾にしてスポーツスターの新章開幕を告げるモデルだ。ハーレーダビッドソン ジャパン代表取締役の野田一夫さんは、「この3モデルが出そろった今こそ、我々ハーレーダビッドソンの新しい時代の幕開け」と語る。
ナイトスターは革新性に満ちたバイクだが、あえてアナログメーターを採用するなどクラシカルなイメージも併せ持つ1台だ。
搭載するパワートレインは、水冷60度Vツインの「レボリューションマックス975Tエンジン」。エンジン名に「T」の文字が付いていることから、スポーツスターSと同様にトルク型のチューニングが施されていることがわかる。
ついついエンジンに注目してしまうハーレーの新型モデルだが、ナイトスタープロダクトチャンピオンの田中絵里さんによれば、エンジン以外にも注目してほしいポイントが2つあるという。
ひとつはシート高だ。空冷スポーツスターの「フォーティーエイト」が710mmであるのに対し、ナイトスターは705mmと足付き性が向上している。わずか5mmではあるが、またがった際には大きな違いとなるそうで、特に街乗りでは、信号待ちなどで無理なく停車できる非常に乗りやすいモデルになっているとのことだ。
もうひとつが車両重量。ナイトスターはスポーツスターSの228kgよりも軽い221kgとなっている。その軽さをより印象付けるのが、シート下に配されたフューエルタンクだ。これにより重心が下がり、車体の安定性が高まっている。実際に取り回してみたが、スペック以上に軽く感じられた。
ハーレーはカスタムが醍醐味。注目のナイトスター専用アクセサリーはマシンの印象がガラリと変わる「レボリューションマックス アドバーサリー コレクション キット」、タンデム仕様のシートなどをそろえた「ナイトスター ツーリング キット」、往年のタンクエンブレムをあしらいノスタルジックな雰囲気を演出する「ナイトスター 66コレクション キット」の3つだ。
ハーレーダビッドソンジャパン代表取締役の野田さんも「自信しかない」と胸を張るナイトスター。カラーバリエーションはビビッドブラック、ガンシップグレー、レッドラインレッドの3種類で、納車が5月以降にスタートする見込みだ。
「ナイトスター」スペック
全長 | 2,250mm |
シート高(無負荷状態) | 705mm |
車両重量 | 221kg |
エンジン | Revolution Max 975T(1,975cc) |
フロントタイヤ | 100/90-19 57H |
リアタイヤ | 150/80B16 77H |