フォトニクス技術を活かした医療技術も紹介
また古河電工は近年、医療分野で活用の広がりが進むフォトニクス技術を活用し、先端に光源を設置したカテーテルを体内に通して、より患部の近くから最適な種類のレーザを照射することで、より効果的な治療を可能にする技術も開発しているという。
フォトニクス技術のノウハウを持つ古河電工は、カテーテルを用いて使用できる光源について用途に合わせて波長や出力をカスタマイズできる技術を紹介。これらは組織の異常部位をレーザで焼くアブレーション治療や、特定の波長に反応する試薬を投与し光を当てることで治療するPDT(光線力学的療法)などに活用できるとしている。
併せて同ブース内では、光源となるケーブルの先端加工技術についても紹介している。通常では先端の正面を全体的に照らす小型ケーブルだが、先端の正面を円環型に照射し管の壁面のみを照らす円環型や、片側の側面のみを照射する側射型など、より細かな特定の範囲を照射することができる先端部材が展示されている。この部材を使用することにより、体内の治療部位をよりピンポイントに照射し治療を進めることが可能になり、より効果的かつ効率的な治療が可能になるという。
これらのフォトニクス技術については古河電工として製品化を進める予定はなく、医療機器メーカーとの連携などを通してサービスの提供を進めていく予定とのことだ。
医療現場が抱える課題に対してアプローチする医療機器メーカーも、光を利用したシステムについて専門的な情報が不足している場合が少なくないため「以前から通信領域で光を取り扱ってきた古河電工だからこそ、医療の領域でも役立てることができる技術があるのではないか」と古河電工の担当者は語っている。