「この計画は漠然としていて、いまいちよくわからないな」「答えが漠然としている」「漠然とした思い」など、「漠然」という言葉はビジネスシーンや日常会話でよく使われる言葉です。ですが、その意味をはっきりと説明できる人は少ないかもしれません。

この記事では、「漠然」の言葉の意味はもちろん、類語や対義語、英語表現についても紹介します。例文を交えながら「漠然」の使い方もわかりやすく紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

  • 漠然とは

    「漠然」の意味や使い方について理解していきましょう

漠然の意味や読み方とは

まずは「漠然」の意味や読み方について紹介します。基本的な言葉の意味について、理解しておきましょう。

漠然・漠然としたの意味は、ぼんやりとしていることや果てしないこと

「漠然」とは、

  1. ぼんやりとしていること、はっきりしない状態

  2. 広く果てしない様子

のことです。「漠然とした」「漠然と」という形で使われることも多くあります。

1.に関しては「漠然とした質問」など、ビジネスシーンや普段の会話で耳にすることも多いでしょう。

2.に関してはあまり聞き慣れない使い方かもしれません。「漠然たる平野」などのように、何かが果てしなく広がる様子を表します。

漠然の読み方は「ばくぜん」

漠然は「ばくぜん」と読みます。

「漠」という漢字の意味

「漠(ばく)」という漢字は、それ自体で「とりとめなくはっきりしない様子」「何もなく果てしない状態」「広い砂原」といった意味を持ちます。

「漠」という漢字が含まれるほかの言葉には、例えば「砂漠」があります。「砂漠」は「広い砂原」を意味しているので、先ほどの2.の意味につながりますね。

言葉の意味を幅広く知っておけば、普段のコミュニケーションはもちろん、読書のときなどにも役立つので、この機会にぜひ「漠然」の意味を覚えておきましょう。

  • 「漠然」はぼんやりしていること、はっきりしない、広く果てしない様子という意味です

    「漠然」はぼんやりしていること、はっきりしない、広く果てしない様子という意味です

漠然の使い方・例文

「漠然」の意味がわかったところで、具体的な使い方や例文を見ていきましょう。

漠然の使い方

「漠然」という言葉は「漠然とした○○」「漠然たる○○」というように名詞を修飾する、また「○○は漠然としている」など状態を表す形でよく使われます。

漠然の例文

ここから先は、「漠然」の意味の中でも、日常よく使われる「ぼんやりとしていること、はっきりしない状態」について深掘りしていきます。

まずは「漠然」を使った具体的な例文を紹介します。

  • 彼は漠然とした夢を持っている
  • いつまで今の仕事を続けていられるのか、漠然とした不安だけが残った
  • 会議中にされた質問が漠然としていたため、答えに困ってしまった
  • 漠然とではあるが、私は仕事を辞めたいと思っている
  • 取引先から提案された件について、漠然と考えていた
  • 難しい話ではあったが、全員がとりあえず漠然と理解はしていた

実際の会話などで使われる例文と併せて覚えておけば、意味を理解するだけではなく、自分自身でもうまく「漠然」という言葉を使えるようになりますよ。

  • 「漠然」の使い方や例文も併せて覚えておきましょう

    「漠然」の使い方や例文も併せて覚えておきましょう

漠然の類語・言い換え表現

「漠然」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • あやふや:はっきりしないさま、ぼんやりしている様子
  • 不明確:明確でない、明らかでないこと
  • 不明瞭(ふめいりょう):あいまいではっきりしないこと

類義語も併せて覚えておけば、ボキャブラリーアップにつながりますね。

「漠然」と「曖昧」の違い

「曖昧(あいまい)」は、「態度や物事などがはっきりしないこと」という意味を持ち、「ぼんやりとしていること、はっきりしない状態」を表す「漠然」の類語といえます。

ただし「曖昧」に関しては、「漠然」にはない「怪しくて疑わしいこと。いかがわしいこと」という意味もあるので注意しましょう。

また「曖昧な説明でごまかす」「曖昧な答弁」のように、本人の意思で物事をはっきりさせないでおく場合にも用い、こちらもニュアンスが異なりますので、シーンによって使い分けましょう。

  • 「漠然」と似た意味を持つ類語もチェックしましょう

    「漠然」と似た意味を持つ類語もチェックしましょう

漠然の対義語・反対語

「漠然」の対義語や反対の意味を持つ言葉は、以下の通りです。

  • 判然(はんぜん):はっきりとわかること、そのさま
  • 鮮明(せんめい):鮮やかではっきりしているさま
  • 明瞭(めいりょう):はっきりしていること
  • 明白(めいはく):疑う余地のないくらい明らかな様子

「漠然」とセットで覚えておくと、コミュニケーションに役立つでしょう。

  • 「漠然」とは逆の意味を持つ対義語も覚えておきましょう

    「漠然」とは逆の意味を持つ対義語も覚えておきましょう

漠然の英語表現

漠然を英語にする場合は、「vague(漠然とした、はっきりしない)」「obscure(分かりにくい、不明瞭だ)」などで表すことができます。

  • I have a vague dream.(私には漠然とした夢がある)
  • The meaning of this sentence is obscure.(この文章の意味は不明瞭だ)

「漠然」の意味を正しく理解し使いこなそう

「漠然」は、ぼんやりとしていること、はっきりしないこと、広くて果てしないことなどを意味する言葉です。「この企画は漠然としすぎている」など、ビジネスシーンでもよく使われる言葉なので、言葉の意味はもちろん、使い方もしっかりと把握しておきましょう。

さらに「漠然」の対義語や類語も知っておけば、自分のボキャブラリーが増えて、会話や文章表現も豊かになります。

わからない言葉はぜひ意味を調べつつ、対義語や類語も併せて覚えて、自分の言葉の引き出しを増やしていきましょう。