「策士」という言葉を見て、どのような人物を思い浮かべますか? 「頭が冴えている人」「ずる賢い人」「隙のない人」等々、人によって抱くイメージが異なるかと思いますが、「策士」の正しい意味はご存知でしょうか。誉め言葉なのか批判している言葉なのか、実際のところよくわからないという方も少なくないですよね。
本記事では「策士」の意味や使い方、類語や英語表現を解説します。併せて、「策士」の特徴もご紹介するので、自分に当てはまるかチェックしてみても楽しいですよ。
「策士」の意味とは
「策士」は「さくし」と読む言葉です。ここでは、「策士」の意味をご紹介します。
「策士」を辞書で調べたときの意味をみてみましょう。「策士」は以下のような意味を持っています。
意味:はかりごとや策略を立てることが上手な人。好んでことをたくらむ人
「策士」の使い方・例文
ここでは、「策士」の使い方をご紹介します。次の例文を参考にしてください。
- 〇〇さんは会社で策士と評判の人物です
- △△監督は型破りの戦略を実行して話題を集めた策士だ
- 政界の策士と呼ばれていた大物議員だったが、時代に適応できず失脚してしまった
- 社内で策士と呼ばれている部長ですが、家では奥さんに頭が上がらないそうです
- あの動画チャンネルは策士の存在で登録者数を一気に伸ばした
- 優勝候補だった常勝チームが、策士策に溺れる形で負けたことに周囲は驚いている
- 策士策に溺れると言いますし、もっとシンプルに考えてみましょう
「策士」は褒め言葉になる? 使うときの注意点
「策士」を褒め言葉として相手に使ってもいいのか悩む人も多いでしょう。「策士」は褒め言葉と悪い意味の両方で捉えられます。
「策士」の意味である「はかりごとや策略を立てることが上手な人」は頭の回転が速いというポジティブなニュアンスが含まれています。
しかし、「策士」は「好んでことをたくらむ人」という、自分が勝つために積極的に策を練る人のことも表します。そのため、ずる賢さや狡猾なイメージを持つ人も少なからず存在します。
褒め言葉として伝えても、相手によって受け方が異なる場合があるので使用する際は注意してください。
「策士」の類語・言い換え
ここでは、「策士」の類語・言い換えを解説します。ニュアンスによって類語・言い換えは異なるので、以下を参考にしてください。
「困難を切り抜ける方法を知っている」というニュアンスで使うときの類語・言い換えは次の通りです。
意味: 腕前のある人。敏腕家
意味:普通にはできないことをやってのける手腕。またはその手腕を持つ人物のこと
意味: 策略や駆け引きに長じた人
「政治や軍事で優れた知能を発揮する人・戦争の戦略の専門家」というニュアンスで使うときの類語・言い換えは次の通りです。
意味:駆け引きの上手な人。巧みに策略を巡らす人
意味:戦略を立てることを得意とする人。または、生業とする人
意味1: 軍の参謀。大将のもとで作戦や計略を考えめぐらす人
意味2: 策略の巧みな人
意味: 巧みな計略を行う人
意味: 知恵が優れている人
褒め言葉として「策士」といわれる人の特徴
ここでは、良い意味としての「策士」に当てはまる人の特徴を2つご紹介します。
コミュニケーション能力が高い
「策士」は話すことが得意です。頭の回転が速く、次に出す話題をすぐに思いつくため、コミュニケーション能力が高いといえます。また、人を褒めることにも長けていて、相手に取り入るのが上手です。
相手の望みを察する能力もあり、細やかな気配りができます。信頼されやすいのでビジネスでは営業職でも活躍するでしょう。
冷静で論理的に物事を思考・判断できる
「策士」はその場の空気を読んで、自分の立場が有利になる選択肢はどれか考え、メリットが得られるかどうかで判断をすることができます。自分の感情を抑えて場面を俯瞰(ふかん)してみることができるので、大事な局面で失敗することが少ない傾向です。一方で感情をコントロールできるため、冷徹・したたか・ビジネスライクな印象を与えることもあります。
また、物事を論理的に考えられるので、目的達成のための筋道を立てるのが上手です。恋愛においても相手のことを徹底的に調べたり、友人を味方につけたりして成功させます。
「策士」の英語表現
ここでは、「策士」の英語表現を解説します。「策士」は「tactician」や「schemer」と表現しますが、内容によって使用される単語が異なります。
tactician
tacticianは「戦術家」「策士」という意味を持ちます。
意味: 彼女は途方もない策士である。
schemer
schemerは「計画者」「陰謀家」「策士」という意味を持ちます。
意味: 最初は、彼を策士だと思っていた。
deceitful man
deceitful manは「策略家」「実のない男」という意味を持ちます。
意味: 策士策に溺れる。
「策士」の意味と使い方を理解しましょう
「策士」は「はかりごとや策略を立てることが上手な人」や「好んでことをたくらむ人」という意味の言葉です。誉め言葉としても批判する言葉としても捉えられるので、慎重に使用する必要があります。
「策士」を使うときは、注意点や例文を参考にして、その場の空気感に合ったニュアンスで使えるようになってくださいね。