衣類ケアを考えた洗濯機・衣類乾燥除湿機・衣類スチーマーの活用方法について、パナソニックがメディアセミナーを開催しました。その中で、全自動タテ型洗濯機を発表。次亜除菌コースを搭載し、洗剤自動投入機能を備えた新モデルです。ここでは洗濯機を中心に、衣類ケア製品を見ていきます。
洗濯には、衣類を不快なニオイから守るコツがある!
お気に入りの衣類が傷んだり、不快なニオイが付いて着られなくなったりすると、気分が落ち込みます。とくに梅雨の時期は、洗濯をきっかけとして衣類にニオイが付きやすくなるので、無事に乗り切りたいものです。
洗濯機を使うときに気を付けたいのは、服を脱いでから洗うまで、洗うとき、乾かすときという、大きく3つに分けられます。
服を脱いでから洗うまでは、洗濯物を溜め込まないことが一番。とはいえ毎日は洗濯できないことも多いため、洗濯機を洗濯カゴの代わりにしない、汗をかいていない衣類もちゃんと洗う、洗濯槽をできるだけマメに掃除するといった工夫が有効です。
洗うときは、洗剤・柔軟剤の入れすぎに注意。衣類に残った洗剤や柔軟剤はニオイ菌の養分になってしまいます。規定量を守って投入するのがポイントです。また、お風呂の残り湯はなるべく避け、使う場合は洗濯時のみにして、脱水時には絶対に使わないこと。
乾かし方はとくに重要。脱水をかけたらすぐに干すようにします。干した衣類が早く乾くよう、風通しを良くして、穴の開いたハンガーなどの速乾アイテムを有効活用しましょう。
洗濯の段階でニオイの原因菌をしっかり除菌
パナソニックが発表した全自動タテ型洗濯機は、新たに次亜除菌コースを備えた5機種。洗濯容量と型番、推定市場価格は以下の通り。発売日はいずれも6月下旬の予定です。
- 洗濯容量12kg「NA-FA12V1」、235,000円前後
- 洗濯容量11kg「NA-FA11K1」、215,000円前後
- 洗濯容量10kg「NA-FA10K1」、175,000円前後
- 洗濯容量9kg「NA-FA9K1」、165,000円前後
- 洗濯容量8kg「NA-FA8K1」、155,000円前後
新機能となる次亜除菌コースへの対応に加えて、従来は容量12kgと11kgのモデルだけだった洗剤自動投入機能やガラストップデザインを5機種とも採用しています。これにより、ラインナップのうち洗剤自動投入機能を持たないのは、洗濯容量8kgの「NA-FA8H1」と、7kgの「NA-FA7H1」という2機種のみとなりました。
次亜除菌コースは、業界初の専用錠剤(20個入で495円)を用いて、洗濯物のニオイ原因菌を除菌する運転モードです(除菌対象は衣類のニオイ原因菌で、すべての菌に効果があるわけではありません)。
次亜除菌コースで洗濯できる衣類は、液温30℃と40℃を限度とする、洗濯機で処理できる洗濯物。綿・麻100%の白物やポリエステル、アクリル100%の白物・色柄ものとなっています。フェイスタオルやシャツ、ニットなどはほとんどが問題なく洗濯でき、綿製なら室内用スリッパなども洗えます。
パナソニックでは、使い込まれたタオルなどの衣類を使って、次亜除菌コースの効果検証を実施しました。
次亜除菌ナシの「おまかせコース」と、アリの「次亜除菌コース」で洗濯して、洗濯前後の衣類のニオイをセンサー計測と実感値で記録して変化をチェック。その結果、普通に洗うだけでは防ぎにくい「部屋干し臭」や「ニオイ戻り」が、次亜除菌コースで洗った洗濯物では発生しづらいことが確認されたそうです。
部屋干し臭は、衣類やタオルに残ったニオイの原因菌が、部屋干し中に増殖してニオイを放つようになる現象。ニオイ戻りは、着るときは臭わなかった服が、着衣後に汗や雨で菌が水分を得ると再び増殖してニオイ出す現象です。このため、洗濯時に次亜除菌でニオイ原因菌をしっかり取り除いておけば、部屋干し臭もニオイ戻りもしなくなるというわけです。
次亜除菌コースの使い方は、別売の専用錠剤を用意して、手動洗剤ケースに1錠をセットすれば、あとはいつも通り洗濯をスタートするだけ。錠剤は1回めのすすぎタイミングで自動的に投入されます。洗濯時間の目安は、NA-FA12Vで3.6kgの洗濯物を洗う場合で約63分です。
洗剤ケースは自動用も手動用も、取り外して簡単にお手入れできます。洗濯機の上ぶたがガラストップなので、ふたを閉めた状態でも中が見えて、洗濯物だけでなく自動洗剤ケースと自動柔軟剤ケースの残量もひと目で確認できます。
このほか、上位モデルのNA-FA12VとNA-FA11K1では、屋外からスマートフォンで運転の開始や予約をしたり、コース検索やお手入れ通知が利用できる専用アプリ「スマホで洗濯」に対応しています。
衣類を部屋干し臭から守る衣類乾燥除湿機
今回のセミナーでは、衣類をできるだけ早く乾かすための衣類乾燥除湿機と、乾いたあとに衣類のシワを伸ばして除菌もできる衣類スチーマーの活用紹介もありました。
衣類乾燥除湿機の新製品は、ハイブリッド式とデシカント式の合計4機種。いずれも3月24日に発表済みで、発売日は5月11日、価格はオープン。製品名と定格除湿能力(60Hzでの一日あたり)、実売想定価格は以下の通りです。
- ハイブリッド方式「F-YHVX200」(17.0L)、110,000円前後
- ハイブリッド方式「F-YHVX120」(10.0L)、72,000円前後
- ハイブリッド方式「F-YHVX90」(6.5L)、61,000円前後
- デシカント方式「F-YZVXJ60」(5.6L)、41,000円前後
梅雨・夏に強いコンプレッサー方式と、秋・冬に強いデシカント方式を組み合わせたハイブリッド方式の3機種は、通年で利用したいユーザーにおすすめ。2つのルーバーが左右独立して動作する「ツインルーバー」を備え、ルーバーの動きで送り込む風に変化を付けます(F-YHVX90はツインルーバー非搭載)。その風が洗濯物を揺らして広げるため、洗濯物が詰まり気味に干してあっても、乾きやすくなるというわけ。
デシカント方式のF-YZVXJ60は、部屋干しした洗濯物の真下に置いて使えるコンパクト設計。使わないときはクローゼットの中などにしまいやすいよう、電源ケーブルを本体に収納できる仕様です。
パナソニックの調査によると、20代~30代の単身世帯は78%が賃貸マンションやアパートに住み、46%が洗濯は週に2~3回、57%は夜に洗濯、49%が部屋干しをしています。広くない部屋で夜間に乾かすことが多い環境では、衣類乾燥除湿機の設置場所や風当ての効率までしっかりチェックして製品を選びたいですね。
衣類スチーマーは除菌や消臭にも効果あり!
衣類スチーマーと聞くと、衣服のシワを伸ばしてパリッとした見た目を作れることから、お出かけ用の衣類に使うイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。実は、衣類スチーマーのかけ面とスチームの熱には、除菌や消臭の効果があります。ダニ由来や花粉などのアレル物質も抑制できるので、梅雨の時期はもちろん、外出用の衣服以外にも積極的に使いたいものです。
パナソニックの衣類スチーマー「NI-FS780」は3月1日に発売済み。価格はオープンで、実勢価格は14,800円前後です。前モデルの「NI-FS770」と同じタンク容量ながら、設計を見直して15gほど軽量化しています。
お気に入りの衣類やタオルは長く愛用したいもの。ちゃんと洗濯しているのにクサイ……なんて悲しいことにならないよう、洗濯や洗濯後のケアを見直して、梅雨のジメジメを乗り切りましょう。