15日に放送された日本テレビ系音楽番組『MUSIC BLOOD』(毎週金曜23:00~)に、SKY-HIが出演した。
過去の放送では名前があがったり映像出演はあったものの、実際に会うのが初めてというMCの田中圭と千葉雄大。田中が「Novel Coreさん、BE:FIRSTさんに続き、満を持しての登場! 何たって彼らの事務所の社長であり、生みの親ですから」と話すと、千葉も「発する言葉に力があるから、今回も食らっちゃうかもしれないですね」と期待に胸を膨らませる。
そしてSKY-HIが登場し、過去にNovel CoreとBE:FIRSTが出演した際、SKY-HIのことが大好きと話していたことを伝えると「自分のいないところで言われるのは恥ずかしいですね」と照れつつ、「僕からすると彼らは所属アーティストというよりも、尊敬している仲間なのです。たまたま立場がアーティストとプロデューサーというだけで」と謙そん。そして、クラウドファンディングで4.5億円を達成したことに触れ、「数字としてみるとすごく怖いですが、この世界で戦っていく上で、実績として示すのであれば数字はこだわらなければならないものだと思っています。僕を信じて賛同していただいた皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」と語った。
SKY-HIが両親や自身の幼少時代について話す中で出てきたのが、小学5年生の時の模試で、国語で全国1位になったこと。「あの頃は勉強そのものにハマっていたんです。文字を読むことに興味をそそられていた時期で、小説から自己啓発本までいろんな本を読んでいました。小説であれば三浦綾子さんの『銃口』、自己啓発本はリチャード・カールソンさんの『小さいことにくよくよするな』は、印象に残っています」という。小5にして難解な本を読んでいたことにさらに驚嘆した田中は「勉強をしていたから読めたんだろうね」と、ただただ感心しきりだ。
最初に手にした楽器は意外にもドラムだったそうで、「中学生になって、それまで真剣に考えていたサッカー選手になることをやめたのですが、そんな時に母親がエリック・クラプトンのライブ映像を見ていたんです。自分も一緒に何となく見ていたのですが、ドラムを叩いていたスティーブ・ガッドがカッコ良すぎて。とりあえずスティックを買って練習を始めたのが最初です。当時、ドラムをガチでやっている人が少なかったようで、多い時は7つのバンドをかけ持ちするなど、色んなバンドから声がかかるようになりました。自分もタダでドラムを叩けるから逆にありがたかったです(笑)。ドラムと一緒にベースもやっていたのですが、この2つの楽器を経験したことは、今のクリエーションに生かされています」と振り返る。
さらに、15歳で起業したといい、「ヒップホップにハマっていたことと、当時ラッパー・Jay-Zの本を読んだ時に、ラッパーでありながら自らのレーベルを作るなど面白い活動をしていて、自分もやってみたい、というか起業しなきゃって思ったのです」と、その背景を明かした。
これを聞いたMC2人はまたもやびっくり。千葉は「僕は15歳の時なんて鼻水垂らしていましたから」、田中は「俺なんて学校帰りの買い食いにはまっていて、毎日コロッケかハムカツか買うのを悩んでいただけだから(笑)!」と自虐していた。
SKY-HIは「大学を卒業して業界に入るのは普通ですが、今から少しでも触れたいと思ったんです」と、当時の心意を回想。履歴書を送ったものの、結果的には裏方ではなく出役として携わることになったが、ここにも特に抵抗はなかったそうだ。
SKY-HIが影響を受けたアーティストは、子どもの頃に聴いたMr.Children。特に歌詞を見た時は衝撃を受けたそうで、「中でも『everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~』と『マシンガンをぶっ放せ』を聴いたのですが、社会風刺やシニカルな言い回しに良い意味でショックを受けて、さらに言葉への興味が湧きました。また例えば“ヒットチャートにドロップキック”など、自分の知らない社会の実情や世界情勢を曲中で、しかもポップに4分程度の時間内に表現していたことにびっくりして。これが僕のアーティストとしての原点です」と語る。
そして話題はオーディションについて。やはり不合格を伝えることはきついですね、と心中を吐露する。それでも、「大変な作業ですが、でもそこにフタをしてはいけないと思っています。オーディションを受けた後も人生は続くわけですから、合否もしっかり考えなければいけないと思っています」という。
今回披露した曲は、「everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~」。「自分が8歳の時から聴いている、アーティストとしての原点になっている楽曲ですので、大事に歌わせていただきます。僕が8歳の頃に影響を受けたように、今回のライブを通じて、今の8歳の子どもたちにも何かしら影響を与えられるように頑張ります」。
2つ目の楽曲は「Bare-Bare」。「SNSで加工をしたりするなど、個人的に、現代の世の中的に心身ともに自分を飾ったりすることが多くなったと感じていて、でも結局は裸の自分を愛して、裸のままでいいんじゃないかなという思いを書かせていただきました」。
ライブステージには、「よろしくお願いします」と、各スタッフに丁寧にあいさつをしながらスタンドイン。最初に披露した「everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~」は、リハーサル・本番に関係なくフルスロットルでパフォーマンスを披露した。一方、「Bare-Bare」では、妖艶でメロディアスな曲調が大人なムードを演出した。