この春にオンエアされた新しいMacのCM「Macで、力を解き放つ」、すでに見たという人も多いでしょう。Macを使って、さまざまな作品作りに取り組む若いクリエイターの姿を紹介したCMです。今回、CMに登場したクリエイターの方々に、Macとの出会いやMacを使い続けている理由をうかがいました。
「Macでの作業は何もかもが簡単で楽しい」――河村康輔さん
まずは、コラージュアーティストとして知られるグラフィックデザイナーの河村康輔さんです。
20歳の時、グラフィックの専門学校に通うために広島から上京した河村さん。Macとの出会いは、デザインを勉強している知人の家にあったPower Macintosh G3でした。「何をするものかすら分からなかったのですが、まずデザインに惚れましたね」と、パソコンらしからぬ半透明のブルーのボディにインパクトを感じたといいます。
「このMacでデザインをしているという知人の話を聞いているうちに、僕もMacが欲しくなりました。当時のMacはとても高かったんですが、たまたま展示品で安くなっていたiMacを何とか購入できました。ブラウン管のデザインのカラフルなやつです」
最初はMacのデザインにインパクトを受けた河村さんですが、使い始めるとMacの使いやすさに驚いたそう。「最初にMacを使って感じたのは、とにかく簡単だということですね。高校の時にWindowsを触ったのですが、全然使い方が分かりませんでした…。その印象があったので、最初はMacもビクビクしながら触り始めたんですが、何をやるにも簡単で驚きました。あまりに楽しすぎて、寝るのを忘れてひたすらイラストやコラージュ、写真の切り抜きをやっていましたね」
現在は、仕事場のスタジオに大画面のiMacを設置しつつ、MacBook Proの14インチモデルをメインで使っているそう。「国内外に出張することが多いので、やっぱり高性能のMacBookは頼りになります。これ以上画面が大きいと持ち歩くのが大変そうなので、16インチではなく14インチにしました」
Macに加え、iPadもフルに活用している河村さん。「iPad Pro 12.9インチモデルを2021年に買いました。ベジェ曲線を使って写真を切り抜く作業が、タッチ操作の方が自然にできると感じます。ロゴを手書きで手直しするのにも重宝しています。写真を切り抜く時、寝転びながら作業できるのも気に入ってます(笑)」
仕事でMacを使ってよかったと感じることの1つが、iCloud経由でデータが共有できることにあるそう。「データをクラウドに置いておけば、すべてのデバイスを持ち歩かなくてもいいし、わざわざデータをUSBなどで転送する必要もありません。自宅でもオフィスでも、外にいる時にでも作業を再開できるので、作品作りの瞬発力が高くなったと感じます」
「かつて、僕は広島で『都会はすごいんだろうな』『何となくデザインやりたいな』とぼんやり考えていました。たまたま東京に出て、たまたま知人の家でMacに出会い、それがきっかけになってMacを使って食べていけるようになりました。しんどい時もありますが、クリエイティブは継続が大事だと思います。とにかく続けて自分を磨いてください」と、未来のクリエイターを激励しました。
「M1 MacとAirDropで創作の時間が増えた」――中山晃子さん
続いて、液体から固体まで、さまざまな材料を相互に反応させて絵を描く「Alive Painting」(アライブペインティング)という個性的なパフォーマンスで知られる画家の中山晃子さんです。絵の具を混ぜ合わせながらライブパフォーマンスで作り上げる芸術で、「絵の具同士が出会った時に物語が生まれます。まるで生きている絵みたいだね、と言われることもあります」と魅力を語ります。
美術を学ぶために東京造形大学に入学した中山さんは、初のMacとして白いMacBookを購入。「MacBookを選んだのは、やはり見た目がかっこよかったからでしょうか。高校まではWindowsのデスクトップを使っていたんですが、Macは何をするにも直感的で驚きました。あたかも紙や鉛筆、クレヨンを手に取るように扱えたのが新鮮でした」
現在、中山さんはM1チップを搭載した14インチのMacBook Proを使っています。「これまでも歴代のMacBook Proを使ってきましたが、最新モデルは裏でいくつもソフトを開いても安定して使えるのがいいですね。バッテリーの持ちも格段によくなっていますし、このMacさえあればどこでも仕事場になる、と感じています」
M1搭載MacBook Proの性能は、中山さんの創作活動にメリットをもたらしていました。「最初に使った白いMacBookは、レンダリングにかかる時間がとても長かったんですね。今使っているMacBook Proは処理速度がとても速くなって、待ち時間がほぼなくなったんです。その分の時間を生かしてさらなる制作や実験に費やせるようになったのが、個人的にはとても大きいと感じます」
中山さんがふだんよく使っているのが、意外にもAirDropだそう。「制作した動画はファイルサイズがとても大きいので、メールでの添付は難しいんです。かといって、Dropboxなどのクラウドストレージにアップロードするのも便利ですがひと手間かかります。そこで頼りにしているのがAirDropで、画質が一番いい状態で手軽に送れるのが便利だと感じています。記録用の動画をiPhoneで撮影してもらった際も、その場で送ってもらえますし。個人的に、AirDropはとても革新的な機能だと思っています。日々、湯水のごとく大量のデータを送受信していますね(笑)」
Macを使うメリットについて、中山さんは「Macに触れると、広い空間に漕ぎ出せる感じがするんです。新しいMacBook Proを手にしたことで、自分の時間が伸び縮みする感覚も受けます。制作することを楽しめる環境がとても豊かになると感じます」と解説します。
「クリエイティブなことを手がけていると、うまくいくこともあれば、失敗してへこむこともあります。大学生だったころは、プロになったら失敗はできないんじゃないか…と思っていたのですが、失敗した部分に残る“栄養”の存在に気づいたんです。めげずにトライアンドエラーを繰り返して、制作することを楽しんでほしいです」
「Macはアナログ感覚で創作できる」――藍にいなさん
続いて、アニメーションの表現を軸に、色彩感覚とタッチで独自の世界観を作り上げているアーティストの藍にいなさんです。YOASOBIの代表曲「夜に駆ける」や、Hey! Say! JUMPの「千夜一夜」など、さまざまなアーティストのミュージックビデオを手がけたことで注目を集めているアーティストです。
最初にMacを手にしたのが、大学2年生のころ。「それまでは別のパソコンを使っていたのですが、アニメーション制作をしたいと大学の友人に相談したところ、『それならMacが断然使いやすいよ』と教えてもらいました。それが私とMacとの出会いです」と振り返ります。
現在は高性能、可搬性、大画面を兼ね備えていることを評価して、14インチのM1チップ搭載MacBook Proを導入。Macには、ワコムの32インチ液晶タブレットを接続し、スケッチ用アプリ「Procreate」を導入したiPadも併用しているそうです。
藍さんが手がけるアニメーション制作は「簡単に言うと、パラパラマンガを複雑にした感じですね。1曲あたり、1,500枚ぐらいの絵をつなげて作ります。制作期間は、だいたい1~2カ月ぐらいですね」と笑顔で語ります。現在は“クリスタ”という愛称で親しまれているセルシスの「CLIP STUDIO PAINT」で絵を作り、アドビの「Adobe After Effect」でアニメーションに仕上げています。
新しいMacBook Proにしたことで、アニメーション制作の作業効率が高まったのを特に実感しているそう。「アニメーション制作は、複数のソフトを切り替えながら作業するのですが、重さを感じることなくとてもスムーズに進められるようになりました。あとはアニメーションの書き出しですね。1コマ1コマをつなげて映像を作り上げるので、以前は3~4分の映像を作るにも1時間ぐらいかかっていたので、寝る前に書き出しを実行していました。ですが、M1のMacBook Proにしてからは寝る前にやる必要がなくなり、書き出しや修正がスピーディーにできるようになったのがうれしいですね」
MacやiPadをはじめとするアップル製品を使うメリットとして、藍さんは「アナログ感覚で使え、アナログ感のある作品が作れることでしょうか。紙に書いているのと近い創作活動ができることが特に気に入っています」とコメントしました。
クリエイターに憧れている人に対しては、「ハードウエアやソフトウエアが充実し、個人でも作品が作りやすくなったので、まずは難しいことを考えずに始めてみるのがいいと思います」とアドバイスします。
藍さんが強調したのが、SNSでの反応をあまり気にしすぎないこと。「『SNSで発表したのに誰にも見てもらえなかったらどうしよう…』『リツイートの数が少なかったら…』と焦らないようにしてください。かつて、私もSNSでの反応を意識しすぎて、自分が作りたいものではない作品に偏った時期がありました。でも、それは決して健康的ではなく、自分のためにもなりません。自分が作りたいもの、大事にしているものを忘れないようにしてください」
学生や教職員がMacBookやiPadなどの対象製品を購入すると最大18,000円分のApple Gift Cardがプレゼントされる春の学割キャンペーン「新学期を始めようキャンペーン」、いよいよ4月18日までとなりました。進級や進学を機にクリエイティブなことを始めてみたい…と考える人は、早めの検討がよさそうです。