映画『流浪の月』(5月13日公開)の完成披露試写会が13日に都内で行われ、広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子、李相日監督が登場した。
同作は凪良ゆうによる、本屋大賞受賞のベストセラー小説の映画化作。雨の夕方の公園で、びしょ濡れの9歳の家内更紗(広瀬)に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文(松坂)。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2カ月を過ごすことになるが、やがて文が更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後、「傷物にされた被害女児」とその「加害者」という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。
広瀬と横浜は距離を縮めるため、監督から言われて「膝枕」をしたというが、松坂は多部に「ここ、膝枕なかったですね」と語りかける。多部は「現場で手をつないでいようとか、抱きついとこうくらいでした」と同意しつつも、「もうちょっと色々したかった」と言ってしまい、自分で赤面。松坂も「ものすごく意味深ですね」と照れ、2人で笑いが止まらなくなっていた。
また、作中では松坂がコーヒーを淹れるシーンがあり、実際に飲んだ多部は「撮影初日くらいのまだ浅い感じだったので、その1杯がとても重く感じましたね」と振り返る。李監督が「『多部さんにコーヒーを入れてみたら?』と言ったら、多部さんはコーヒー飲めないと言ってました」と暴露し、多部は「それ言っちゃう!?」と動揺。「私、コーヒー苦手で、どうしようと思いながら。そういうのもとても重い1杯でした」と苦笑し、「飲まないわけにはいかないじゃないですか」と心境を明かす。松坂は「優しいからガッと飲んでくれた」と感謝した。
この日は「宿命の存在」というテーマトークも行われた。「もうひとりのわたし」というフリップを掲げた多部は「自分の性格で悪いところもよくわかっていて、言っちゃいけないとか、そういう態度しちゃいけないと頭でわかっていながらももう1人の自分が出てきて、心の中で葛藤して、悪い自分が出てきてしまったりする」と語る。「いい自分が負けて、悪い自分が出てきてしまったりするので、切っても切れないなと思いながら生きています」とその"相手"との関係を説明した。