マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」はこのほど、「2022年3月度 正社員求人掲載数・応募数推移レポート」を発表した。
同調査は、「マイナビ転職」に掲載された求人の「掲載数」「応募数」の推移を調査。調査期間は、2022年3月1日〜3月31日。集計対象は、該当月における「マイナビ転職」に掲載開始された求人情報から、除外対象データ(雇用形態が正社員以外)を除き集計した。
計算方法について、月次推移は調査月の前年月の値を100%とし、各月の増減率を算出。前年同月比は、各月の前年同月を100%とし、増減率を算出した。
2022年3月の掲載数は、前年同月(2021年3月)比118.8%で、前月から4.4pt減少したものの、2021年3月より13カ月連続で前年同月比100%を超えており、コロナ禍ではあるものの、依然として企業の中途採用意欲は高いことがわかる。
応募数は前年同月(2021年3月)比83.2%で、前年同月の応募数が多かった関係で前月比で10.8pt減少した。2018年平均を基準とすると、2022年3月の掲載数は136.4%、応募数は104.6%となっている。
業種別の掲載数では、業種大分類12業界中10業界が前月比で増加しており、「公的機関・その他」(前月比166.7%)、「環境・エネルギー」(139.5%)、「マスコミ・広告・デザイン」(131.6%)の増加割合が高かった。
業界別の応募数は業種大分類12業種のうち、7業種が前月と比べて増加した。「 マスコミ・広告・デザイン 」が前月比107.6%、次いで「IT・通信・インターネット」が前月比106.1%と応募数が増加傾向にある。
今回は「不動産・建設・設備」業界の応募数と掲載数を分析した。経年データでみると「不動産・建設・設備」業界は2021年度平均掲載数が2018年度比138.8%と大幅に上昇し、応募数も2018年度比120.3%と上昇している。
この業界は2020年に向けた建設需要の増加や慢性的な人材不足と相まって、コロナ禍でも積極的に採用広報を行っていたことがわかる。求職者も2021年では応募数が前年比で減少したものの、業界での就労を目指して活発に活動していたことがわかる。
詳細業種で傾向を比較してみると、「建設・土木」「設計」「設備工事」「建設コンサルタント」などは右肩上がりに掲載数が増加していた一方で、「不動産」「リフォーム・内装工事」はコロナの影響が大きかった2020年にいったん掲載数が減少し、その後に再度掲載が増加している。公共工事や大規模開発中心の「建設・土木」と異なり、多少景気動向を見て判断していたと推測される。
応募数は「建設コンサルタント」や「設備工事」「設計」が応募数で増加傾向にある。逆に「不動産」や「建設・土木」では応募の増加があまり見られず、採用の応募者確保に苦労している。
今後の「不動産・建設・設備」業界については、新規着工数の将来予測は若干ダウンとする予測があるものの、業界全体の高齢化が深刻な問題となっており、後継者育成も含め、今後しばらくは採用意欲が衰えないのではないかと予想される。