この春、進学されたみなさん、ご入学おめでとうございます! 新しい環境でドキドキワクワクしていることと思いますが、何事も最初が肝心。

ということで、今年「東京藝術大学 美術学部 先端芸術表現科」に入学された、wakumiさん(@wakumiiii_)こと菅野湧己(かんのわくみ)さんの入学式当日の様子をご覧ください。

こちらです!

東京藝術大学 入学式
入学式の看板作って持って行きました
(@wakumiiii_より引用)

なんと、入学式に大学が用意したのとほぼ同じ看板を抱えて登場するとは、驚きました。発想が斬新すぎて、さすが藝大! といったところでしょうか。

この投稿に「考えることが凄すぎる〜笑」「まさに芸術だwww」「卒業式かと思ったら入学式w」「最初から飛ばしますね〜」「好きだわw」「もう何処でも開催できるやんw」「天才!」などなど、爆笑と称賛のコメントが殺到。4月12日現在、22万超ものいいねを集め、話題となっています。

初日から強烈なインパクトを残して見せた菅野湧己さんとは、どんな人物なのか。今後の展望などインタビューしてみました。

―― 看板を作成しようと思ったきっかけはなんですか?

藝大は美術学部と音楽学部に大きく分けられており、入学式では例年、音楽学部の門の前だけに入学式の看板が置いてあります。なので、美術学部の門の前にも看板を置こうと思ったのがはじまりでした。

また、看板が一つしかないため、毎年長蛇の列ができて写真を撮るのを諦める人がいたことも、きっかけの一つです。

―― インパクトありまくりの看板ですが、周囲の方の反応はどのようなものでしたでしょうか?

入学式で長蛇の列に諦めて帰ろうとしていた方たちに、「私の作品でよければ入学式の記念写真を撮って帰られますか?」と尋ね、実際に写真を撮って喜んで帰られる方々もいて嬉しく思いました。

―― 菅野さんは、大学生活で楽しみにしていることはありますか? また、将来の夢や目標などがあれば教えてください。

私の作品制作は、身近な生活の中で出会うさまざまなものたちに名前をつけることからはじまります。普段よく出会うけれど、意識しないものたちに名前をつけ、私自身との新たな関係性を築き上げることで、今まで私が気がつけていなかったことや多くのことに結びつけていく作品を制作しています。

その作品形態は、映像・写真・インスタレーション・プロジェクトなど、一つの決まった形式に留まらずに制作しています。私が入学した先端芸術表現科では主に現代アートを学ぶ学科で、各々が多くの表現方法を縦横無尽に飛び回っているのが特徴です。

私は、作品制作の原点となる私自身の経験や身体感覚を通して、社会で起きている大小さまざまな出来事や問題たちに、自分なりにどうアプローチしていくかということについて、藝大で多彩な表現を学びながら自分の作品制作に繋げていきたいと思います。

―― 大きな反響がございますが、率直な感想をお聞かせください!

思いがけない出来事に驚きでいっぱいですが、同時に多くの人に見てもらえたことに嬉しくも思っています。


最後に、もう一つ。「電車どうやって乗ったんすかw」というコメントも見られました。実はこの看板、三つ折りの折りたたみ式になっているそうです。過去の入学式などの写真を調べ、実際に大学に訪れ、看板を立てかけている柱のレンガの数を参考に看板の高さは約3mと割り出したそう。構想は1年以上、制作期間は1週間ほどで作られた大作です。

時に突拍子もないことをやって見せる度胸とユーモアを兼ね備えつつも、将来をしっかりと見据えての藝大進学。菅野さんの今後の活躍が楽しみですね。