手洗いやアルコール消毒を頻繁にしたり、乾燥したりすることでできやすくなる「ささくれ」。指先の見栄えが悪くなったり服やストッキングなどに引っかかってしまったりするため、困っている人も多いでしょう。
本記事では、ささくれができる主な原因やできた場合の対処法についてくわしく解説。また、今後ささくれを予防するための方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ささくれとは?
「ささくれ」とは指先、特に爪周りの皮膚が乾燥して部分的にはがれてしまっている状態のことを指し、「さかむけ」と呼ばれることもあります。
傷自体は小さいものの、洋服の繊維などに引っかかってしまうと傷口が広がり激しい痛みを伴うため、注意する必要があるでしょう。
なお、「ささくれは親不孝だからできる」という迷信もあるようですが、根拠に基づく原因が他にありますので、次の段落でくわしく解説していきます。
ささくれの主な原因
悪化すると痛みを伴うこともあるささくれは、多くの人を悩ませるもの。いったい何が原因でささくれができるのか、気になる人も多いでしょう。
そこでここからは、ささくれの主な原因について具体的に解説します。
爪周りの皮膚の乾燥
ささくれの主な原因の一つとなっているのが、爪周りの皮膚の乾燥です。空気の乾燥で油分や水分が失われることで、爪周りの皮膚がめくれあがってしまい、部分的にささくれやすくなります。
冬場など寒い季節にささくれができやすいのは、より空気が乾燥していて指先の皮膚の潤いが奪われやすいためです。また、ネイルケアや炊事などの水作業が絡む家事も指先の乾燥を招きます。
指の血行不良
冷えなどによって指先の細胞に栄養が行き届かなくなり、皮膚のバリア機能が低下すると手荒れにつながるため、指の血行不良もささくれの原因であると考えられています。
血行の流れを良くするために温かいものを食べるなどの工夫をしたり、マッサージをしたりするなどの対策をとるとよいでしょう。
アルコール消毒、洗剤など外部からの刺激
手洗いや消毒、洗剤などの外部からの刺激もささくれの原因となり得ます。
皮膚の表面にある角質層は皮脂膜に覆われています。この皮脂膜は外からの刺激物の侵入を防ぐと同時に、肌の水分を保つ「バリアー」のような役割を担っていますが、手洗いやアルコール消毒の際にこの皮脂膜も洗い流されてしまいます。
行く先々で頻繁にこれらの行為を繰り返すと皮脂膜が回復しきらず、結果として肌の水分が失われていき乾燥を招いてしまうのです。
水仕事を頻繁に行う人も同様に注意が必要です。食器用洗剤などで指先に炎症が生じることがあり、ケアを何もしないでいるとささくれの原因となるでしょう。
さらに除光液を頻繁に使用したり、子どもならば泥遊びをよくしたりすることもささくれのきっかけとなります。
栄養不足
栄養の偏りによって爪周りの水分や栄養が不足することも、ささくれを引き起こす原因です。
爪の周囲の皮膚は「ケラチン」というたんぱく質からできているため、たんぱく質が不足していたり、肌のターンオーバーに不可欠なビタミンB群をはじめとするビタミンが足りていなかったりするとささくれができやすくなります。
普段から偏った食生活をしていると指先にトラブルが起こりやすくなるため、注意する必要があります。
ささくれができた場合の対処法
爪周りの皮膚の乾燥や、外部からの刺激などにより生じてしまうささくれ。
ささくれができるとつい指で引っぱってしまいたくなりますが、無理やりはがすと出血したり傷が深くなったりしてしまいます。
ここからはささくれができてしまった際の対処法を紹介しますので、適切に対応するようにしましょう。
根元からカットする
ささくれは、放置しておくと衣服を着るときなどに引っかかり傷口が広がってしまう可能性がありますので、早めにケアすることが大切です。
まずは爪切りやコンパクトニッパーなどを使って、ささくれを根元から除去するようにしましょう。
くれぐれも誤って爪周りの健康な皮膚を切らないよう、注意してくださいね。
ハンドクリームや軟こうで保湿する
ささくれの症状を改善するためには、ハンドクリームや軟こうで保湿することも効果的です。この際、ビタミンE配合のものを用いると高い保湿効果が期待できます。また、ネイルオイルなどを使って指先をマッサージするのもよいでしょう。
ばんそうこうなどで保護する
ささくれている部分は衣服などに引っかかってしまって傷が広がる可能性があるため、ばんそうこうなどを使って保護するのも有効です。
使用するばんそうこうは、モイストヒーリングができる治癒タイプのものがおすすめです。その際は、ハンドクリームや軟こうとの併用は避けましょう。
傷が深くなりそこから菌が入ると化膿(かのう)してしまう場合もありますので、早めに保護して対処しておきましょう。
ささくれを予防するには?
ささくれができた場合の対処法はいろいろとあるものの、「できれば今後、ささくれができないように気をつけたい」と思う人が多いのではないでしょうか。
そこでここからは、ささくれを予防するための方法を紹介していきます。健康的できれいな状態の指先を維持するためにも、しっかりとささくれを予防しましょう。
水仕事の際はゴム手袋を着用する
洗剤などを使う水仕事はささくれの主な原因の一つですが、日常生活で水仕事を減らすことはなかなか難しいですよね。そこで、日々の生活の中で水仕事を行う際は、できるだけゴム手袋を着用するように心がけてみましょう。
ゴム手袋をすることで皮膚への刺激を軽減できるだけでなく、皮膚を保護している油分や水分を保てるため、乾燥を防ぐことにもつながります。
なお、使用するゴム手袋は、水の侵入を防ぐために手首から先が長めのものや手を入れる部分が開きすぎていないものがおすすめです。
熱いお湯の使用には気をつける
ささくれを予防するためには、熱めのお湯の使用はできるだけ控えることをおすすめします。
熱いお湯で手を洗うと皮脂が奪われ、乾燥を引き起こしてしまう可能性があるため、ぬるま湯程度の温度で手指を洗うようにするといいでしょう。
また、入浴に関しても注意が必要で、40度を超える熱いお風呂に長くつかると皮脂が失われやすくなってしまいます。
乾燥を防ぐためにも、温度を調整したり、熱いお湯につかる時間を短くしたりするなどして、工夫してみましょう。
日常生活において乾燥を防ぐ
ささくれになりやすい人は、日々の生活の中で手指の乾燥を防ぐことに意識を向ける必要があります。
例えば、手がぬれたときは自然乾燥させることを避け、ハンカチなどで水分をやさしく拭き取るようにすることで必要な水分を維持できるでしょう。
また、こまめにハンドクリームを塗ったり加湿器を使って部屋の湿度が低くならないようにしたりすることも効果的ですので、覚えておきましょう。
栄養バランスに配慮する
ささくれを予防するには、偏った食生活を改善し栄養バランスに優れた食事をすることも大切です。
栄養の偏りにより皮膚の潤いが不足することもささくれの原因となるため、スナック類やジャンクフードばかり食べているという人は食生活を見直してみましょう。
ささくれの原因や予防法を理解しておこう
「ささくれ」は「さかむけ」とも呼ばれ、爪周りの皮膚が乾燥して部分的にはがれてしまっている状態のことを指します。
その主な原因は指先の乾燥や洗剤などによる外部からの刺激、栄養不足などで、ささくれができてしまった場合は根元からカットしたりハンドクリームや軟こうで保湿したりする必要があります。
今後ささくれができないようにするためにも、原因や予防法などをよく理解して対処しましょう。