FileVaultを使っているならログイン時のことは知っておくべき

ただし、HHKBを購入する前に知っておかなければならないことが数店ある。まず、HHKBは決して廉価なデバイスではないので、この点はちゃんと検討しておこう。

また、HHKBをBluetoothで使う場合、「FileVault」を有効にしてある場合にはログイン時にパスワードを入力することができない。スリープからの復帰時には入力できるが、ログイン時には使えない。この場合、MacBookを使っているならMacBookのキーボードで、そうではないならHHKBをUSB接続してパスワードを入力する必要がある。

さらに、HHKBの日本語配列を使う場合は「macOS 10.15 Catalina」およびこれ以降のバージョンが必要ということだ。「サポート対象外になっているMacを使っている」「Mojaveでアップデートを止めている」という場合を除いて、こちらは問題にならないことが多いと思う。

ということで、FileVaultを有効にしている場は注意が必要だ。ログイン時はBluetooth接続が使えないことに留意しておこう(USB接続なら使えるので、ケーブルを用意しておけばよい。最初からUSB接続で使うのであればこの問題はない)。

HHKBの基本的な操作

最初にHHKBに備わっている操作/設定用の部品を把握しよう。「電源スイッチ」、「DIPスイッチ」、「チルト」だ。

部品 操作
電源スイッチ 電源オン、電源オフ、接続先確認
DIPスイッチ 6個のON/OFFスイッチ。組み合わせでモードやキーの切り替え設定
チルト キーボードの角度を調整

電源スイッチはオフ時に1秒以上長押しで電源オン、オン時に2秒以上長押して電源オフとなる。電源オンの後にはLEDインジケータが数秒青に点灯してから消灯し、電源オフの後には橙に点灯してから消灯する。最も基本となる操作なので最初に覚えよう。

電源スイッチ操作 動作 LEDインジケータ
1秒以上長押し 電源オン 青点灯後、消灯
2秒以上長押し 電源オフ 橙点灯後、消灯

HHKBは3つの動作モードを備えている。デフォルトモードは「HHKモード」と呼ばれる。これに「Macモード」と「Winモード」という3つにモードが用意されており、このどれかのモードで動作する。このモードを切り替えはHHKB背面に備わっているDIPスイッチで行う。

チルトはHHKBの角度調整を行う足だ。上部左右の背面に備わっている。大きい足と小さい足があり、好みに応じて角度を変更できる。チルトを使わなくても角度はついているので、そのままでも使える。ここは好みの問題だ。使い出す前にチルトを操作して好みの角度を探っておこう。

DIPスイッチを設定

DIPスイッチは最初は全部OFFになっている。これは「HHKモード」で動作することを意味している。

  • HHKB Professional HYBRID - DIPスイッチ設定例

    HHKB Professional HYBRID - DIPスイッチ設定例

DIPスイッチでモードの切り替えといくつかのキーの割り当て変更をする。主な設定は次のとおり。

DIPスイッチ ON/OFF キー設定(HHKモード)
SW1 SW2 OFF OFF HHKモード
SW3 ON 「Delete」を「BS」として動作
SW4 ON 左「◇」を「Fn」として動作
SW5 ON 「Alt」と「◇」を入れ替え
SW6 OFF 省電力有効
SW6 ON 省電力無効
DIPスイッチ ON/OFF キー設定(Macモード)
SW1 SW2 OFF ON Macモード
SW4 ON 左「⌘」を「Fn」として動作
SW5 ON 「Opt」と「⌘」を入れ替え
SW6 OFF 省電力有効
SW6 ON 省電力無効
DIPスイッチ ON/OFF キー設定(Winモード)
SW1 SW2 ON OFF Winモード
SW3 ON 「Delete」を「BS」として動作
SW4 ON 左「Win」を「Fn」として動作
SW5 ON 「Alt」と「Win」を入れ替え
SW6 OFF 省電力有効
SW6 ON 省電力無効

Macの場合は「SW1」と「SW2」を「OFF」と「ON」に設定して「Macモード」設定し、SW4からSW6までは好み合わせて設定する。なお、MacモードではSW3は機能しない。Macは基本的に「Delete」がなく「BS」を使うからだ(「Fn」キーを使って「Delete」を入力することはできるが、使えるかどうかはアプリケーションに依存している)。

例えば、DIPスイッチを次のように設定する。

SW1 2 3 4 5 6
OFF ON OFF OFF OFF OFF

これで「Macモード」になる。まずはこの設定でよいと思う。