日本総研は4月7日、「2022年夏季賞与の見通し」を発表した。それによると、新型コロナ禍からの持ち直しにより、民間企業の2022年夏ボーナスの支給額は3年ぶりにプラスに転じると見込んでいる。

支給額、前年比0.3%増と予測

  • 2022年夏季賞与(1人当たり)の見通し(出典:日本総研Webサイト)

民間企業の2022年夏ボーナスについては、1人当たり支給額は前年比0.3%増の38.1万円と、夏ボーナスとしては3年ぶりにプラスとなる見通し(厚生労働省「毎月勤労統計」事業所規模5人以上ベース。支給事業所の1人当たり平均)。業種別では、製造業は同1.4%増の50万円、非製造業は同0.1%増の36万円と予想している。

同調査は、増加の背景について「2021年度下期の企業収益の回復」があると指摘。経常利益は2021年10~12月期に前年比24.7%増と4四半期連続で増加し、うち製造業は同22.1%増と5四半期連続、非製造業は同26.4%増と4四半期連続のプラスとなった。春闘賃上げ率も2019年度に迫る伸びが見込まれ、「賞与額のベースとなる所定内給与(基本給)が持ち直すことも賞与の押し上げに寄与」したという。

支給総額は、支給対象者数が増えたため、同1.3%増となる見通し。これにより、支給のない企業を含む全事業所ベースの1人当たり支給額は、同1.2%増と予想している。

一方、国家公務員については、支給額は同10.2%減の59.4万円と予測。これは、給与改正法の成立が遅れ、2021年度の人事院勧告に基づく支給月数の引き下げ(0.15月分減)が2022年夏にずれ込んだことが影響しているという。