東京都は4月1日、「TOKYOシェアオフィス墨田」(東京都墨田区 以下、TSO)を開設した。都は都内在住または都内の企業に在勤する人を対象に、テレワーク実施環境を提供し、コロナ禍からアフターコロナにおける柔軟な働き方を支援する。

TSOの主となるテーマは「エシカル」だという。リサイクル素材などを多用し、極力廃棄物を出さない、持続可能な未来に優しい空間づくりを目指したとのことだ。建物自体は築46年となるが、廃材などを利用して室内をリノベーションしている。

TSOは個人用のワークスペースだけではなく、複数人が空間を共有するコワーキングスペース、3人まで使用可能なレンタルオフィス空間、ものづくりのための工房などを備える。

  • TSOの外観

新型コロナウイルス感染症の流行により急速に社会に浸透したテレワークは、柔軟な働き方を求める人材の確保や離職防止など、いまや企業の重要な施策の一つとなっている。東京都内の企業のテレワーク導入率は、2割程度からコロナ禍で6割程度まで飛躍的に増加している。

都はテレワークの実施を後戻りすることなく定着させるため、引き続きテレワークの導入推進に取り組むとしており、「未来の東京」戦略(令和3年)では政策目標として2030年度までにテレワーク定着率80%を目指すと、目標を上方修正している。

その一方で、多くの人がテレワークを経験したことで自宅の執務環境や労務管理の方法など、さまざまな課題も浮き彫りとなった。こうした課題に対して、都は自宅に限らないテレワーク環境を提供し、柔軟な働き方や生産性の向上を支援するとして、TSOの開設に至った。

TSOのコワーキングスペースは、好きな場所を選んで作業ができる。モニターを備えた4人席やテーブル席など、さまざまな種類の席がある。フリーアドレスであり、飲食も可能だ。Web会議などにも利用可能。料金は30分あたり165円だ。

  • コワーキングスペース

  • コワーキングスペース

リフレッシュライブラリーは、働き方や暮らし方などのテーマに沿った部屋である。施設利用者の休憩スペースとして利用できる。

  • リフレッシュライブラリー

ソロワークブースは個人用の半個室型の席だ。モニターを備えており、最大10人まで入室できるという。こちらの料金は30分あたり165円。

  • ソロワークブース

会議室は6人から15人程度まで利用できる部屋がいくつか用意されている。料金は1時間あたり1430円からで、部屋の大きさに応じて選択可能だ。

  • 会議室

工房にはさまざまな工具のほか、3Dプリンタも備えている。伝統産業が残る、ものづくりの街である墨田区ならではの設備ではないだろうか。

  • 工房

配信スタジオでは配信機材を含めてレンタルできるため、ウェビナーの開催にも有用だ。スタジオの料金は1時間あたり1万2430円から。

  • 配信スタジオ

また、レンタルオフィスは同時に最大3人まで利用可能だ。賃貸借契約を結んだうえで最大3カ月を目途に入居できる。1カ月あたり1万5400円から契約可能。

TSOは本所吾妻橋駅から徒歩9分、蔵前駅から徒歩11分に位置する。施設を利用するには会員登録と予約が必要。