JR東日本は、東京圏における在来線の主要駅で進めているホームドアの整備を従来の計画より1年前倒しし、2031年度末頃までの整備完了をめざすと発表した。

  • JR東日本がバリアフリー設備の整備を促進すると発表

同社はこれまで、2032年度末頃までに東京圏在来線主要路線の243駅(線区単位330駅)へ整備することを目標に、主要な番線660番線(各線区1駅あたり2番線)程度の整備を優先してきた。今回、利用状況を踏まえて整備対象番線を増やし、線区単位の330駅758番線に整備対象を拡大。あわせて整備時期を1年早めることとした。

2021年度までに線区単位92駅183番線の整備を終え、今年度は京浜東北線の日暮里駅をはじめ、中央・総武緩行線の飯田橋駅、南武線の武蔵溝ノ口駅、登戸駅、府中本町駅、谷保駅、立川駅の7駅14番線で使用開始する予定。エレベーター、スロープ、バリアフリートイレの各設備についても、2025年度までにのべ37駅、2026~2035年度にのべ38駅で整備を行う予定としている。

これまで設備整備に要した累計の設置費・改良費は約2,500億円。このうちホームドアに約1,200億円を投じており、今後も整備が本格化するホームドアの設置費(約4,100億円)を含む約4,200億円以上の費用がかかる見込みだという。

これらの整備を進めるため、JR東日本は国により創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」の活用を決めた。普通旅客運賃はIC・現金ともに10円、通勤定期は1カ月280円・3カ月790円、6カ月1,420円を旅客運賃に加算する。2023年3月頃から加算する予定で、収受したバリアフリー料金はバリアフリー設備の整備費に充てる。