この春、入園するわが子のために、全ての物に名前を書いた人も多いと思いますが、まだ字が読めない園児たちが、自分のものかどうか間違えないようにするには、記名よりも特定の柄やマークを付けてあげるのが効果的ですよね。
筆者の子どもたちが通った幼稚園では、Aくんは「カブトムシ」、Bちゃんは「リボン」というように、一人ひとりに違うマークのシールを割り当て、ロッカーやスモッグ掛け、下駄箱、連絡帳、お道具箱などにそのシールを貼ってくれていました。
親としても、子どもたちが字を覚えるまでは工夫をこらしてサポートしてあげたいところですが……、京仏師の宮本我休さん(@Gakyu_Miyamoto)は、娘さんの色鉛筆に斬新な工夫を施したようで、ツイッターで話題となっています。
その色鉛筆が、こちらです!
娘が保育園で使う色鉛筆。 名前を入れるところ削っておいてといわれるとイタズラ心がムズムズと…。
ひっくり返すとお地蔵さん
彫刻家を父に持つとこうなるんだよ
(@Gakyu_Miyamotoより引用)
色鉛筆をひっくり返すと、なんとお地蔵様の姿が! にっこり微笑むそのお姿に「おおおお〜!!!!」「なんでしょう、この癒し感、、、」「すごい良い顔してるな~ このお地蔵さま」「娘さんを 優しく見守ってくれますね!」「なんと有難い色鉛筆よ!拝むわ…」といった反応が。これは間違いなく世界に一つしかない色鉛筆。これなら、娘さんも自分のものだとすぐに分かりますね。
また、大胆なイタズラをしてみせたツイ主さんに、「素晴らしいセンスですね!」「遊び心あってめっちゃかわいい笑」「最高やん!『職人技』の遊び心、マジで最高」「父親としての愛を感じます!」「子供さんの持ち物に 子供を守る仏様である地蔵尊 素敵です」と称賛の嵐。あまりの出来栄えに「うひゃーーマジで羨ましいーー」「私用のもお願いしてもいいですか?笑」とオファーする人もいました。
一方で、「凄いですね‼ ただ、お子様には少し怖いかも」という声も。当の娘さんはどんな反応をみせたのか、ツイ主の宮本さんにお話を伺いました。
ツイ主さんに聞いてみた
―― 娘さんの反応はいかがでしたか?
画像が全てを物語っていると思いますが、めちゃくちゃ喜んでくれました ホッとした、というのが最初ですね
第一声目は「これかみたま??(神様)」その後少し間をおいて大爆笑、ニコニコで「使っていい?」といって早速使ってました
まだ3歳なので言葉での表現が難しいですが、親としてかなり喜んでくれているということがわかって嬉しかったです
―― お地蔵さんの色鉛筆にニコニコだったという娘さん。その翌朝の光景がこちらです!
―― これは凄い喜び様ですね。3歳の娘さんにも気に入られたお地蔵さんですが、なぜ、お地蔵さんのモチーフを選ばれたのでしょうか?
長男には大黒さんだったのですが、今回娘には長男とは違う種類の仏様をと考え、子供の守り仏であるお地蔵様を選びました。
―― その大黒さんというのが、こちらです! にっこり微笑む大黒さん、これまた可愛らしいですね。
―― 多くの反響が寄せられておりますが、反響に対して率直なご感想がありましたらお教えください。
Twitter上でいろいろとご意見が飛び交ってますが、長男へのイタズラを削られたのは誤ってのことであり、その後もう一度彫って欲しいとせがまれたのですが、忙しくて叶えてやれなかった、という経緯があります。長男が嫌がっていたのに娘にも?という誤解が生じないように伝わればいいなと思います。
でも今回の件で少数ですがご意見やご指摘をいただいたこと、どれも有り難く受け止めていて、今後の子育てに活かせればと考えています。
.
それと、私の親は役人で日頃どういった仕事をしているかということを感じることなく育ってきて大人になって知っておきたかった、という後悔が今もあります。
この色鉛筆をとおして子供たちには父親の仕事を身近に感じてもらいたいですね。
息子さんも娘さんも気に入ってくれたという今回のイタズラ。宮本さんがおっしゃる通り、今の子どもたちは、親が働いている姿を目にする機会が少なく、ある程度大きくなっても、親の職業を答えられない子が多いように思います。親がどんな仕事をしているのか、世の中にはどんな職業があるのか、折に触れ、子どもたちに伝えられたらいいですよね。
さて、今回は、色鉛筆にちょこんとお地蔵さんを彫られた宮本さんですが、その腕前は本物。お子さんをイメージした可愛いらしい作品から、本格的なイカツイ仏様まで、幅広い作品を手掛けられています。その一部がこちらです。
我が子をモデルにこんなのも作ってます😀 pic.twitter.com/3AngI29T9F
— 京仏師 宮本我休 (@Gakyu_Miyamoto) April 3, 2022
どれも素晴らしい作品ですね。宮本さんのツイッターやInstagram(@gakyu01)には、癒しと迫力に包まれた作品が多数掲載されています。心を落ち着かせたい時、無心になりたい時におすすめです。興味のある方は、一度のぞいてみてくださいね。