本体に冷却ファンを内蔵し、長時間でも安定したゲームプレイが可能なゲーミングスマホ「REDMAGIC」で知られる中国Nubia Technology(ヌビアテクノロジー)が、シリーズの最新モデル「REDMAGIC 7」を日本で発表しました。最新SoCのSnapdragon 8 Gen 1を搭載して高性能化を図りつつも価格を抑え、コストパフォーマンスの高い1台として熱心なゲームファンからの注目を集めそうです。

  • Nubia Technology(ヌビアテクノロジー)が発表したゲーミングスマホ「REDMAGIC 7」

    中国ZTE傘下のNubia Technology(ヌビアテクノロジー)が4月18日に販売を開始したゲーミングスマホ「REDMAGIC 7」。シリーズの特徴を継承しつつ、最新SoCのSnapdragon 8 Gen 1を搭載してパフォーマンスを高めた。メモリー12GB+128GBの「Obsidian」モデル(カラーはブラック)の価格は91,000円だが、5月9日から99,000円に価格改定されることが発表された

「ゲームがストレスなく楽しめる」点に磨きをかけた

美しいグラフィックスで描かれるFPSやアクションRPGなどの重量級ゲームをストレスなく楽しむべく、処理性能や表示性能、操作性を高めたゲーミングスマホが人気を集めています。なかでも個性的な仕上がりで知られるのがREDMAGICシリーズ。処理性能の高い最新SoCを他社に先駆けていち早く採用するだけでなく、冷却ファンを内蔵して長時間でも安定したゲームプレイを可能にしています。透明なパーツを用いた背面パネルも特徴で、見た目にこだわるゲームファンにアピールします。

  • 切り欠きやパンチホールのない大きな6.8インチの有機ELパネルを継承。1,080×2,400ドットと高解像度ではないが、ゲーム用途には最適な解像度といえる

  • シリーズの特徴でもある透明デザインの背面パネルを継承。ガラスを通して見えるのはデザインされたパネルで、実際の電子回路が見えるわけではない

  • Snapdragon 8 Gen 1のロゴが誇らしげに鎮座する

REDMAGIC 7、最大165fpsのなめらかな表示に対応した6.8インチの有機ELパネルや、内部に設けられたLEDランプ付きの冷却ファン、横持ち時に左右の人差し指にあたる部分に設けられたタッチセンサー式のショルダートリガーボタン、遅延のないサウンドが楽しめるヘッドホン端子、背面がゆるやかにラウンドした凹凸の少ないボディなど、2021年11月に登場した「REDMAGIC 6S PRO」で好評の装備を継承しつつ、SoCを最新のSnapdragon 8 Gen 1に置き換えたマイナーチェンジモデルと考えてよいでしょう。しかし、随所に機能や装備の底上げが施され、「ゲームをストレスなく楽しむ」という点がさらにブラッシュアップされていると感じました。

  • 大きな画面で「原神」などの重量級ゲームもストレスなく楽しめる

  • 特定のゲームを起動している最中、画面を横にスワイプすると、ゲーム関連の操作パネルが現れる。ここでパフォーマンス重視かバッテリー重視かが切り替えられたり、画面のリフレッシュレートやファンのオンオフが変更できる

  • 165Hzの表示に対応したゲームもいくつか存在する。写真は縦スクロールのシューティングゲーム「1945 Air Force」

  • 側面にあるタッチセンサー式のボタン「ショルダートリガー」は、レスポンスをさらに改善。本体上部にヘッドホン端子を備えるのがポイント

その1つが、Snapdragon 8 Gen 1の採用です。米Qualcommが2021年12月に発表した最新のスマホ用ハイエンドSoCで、重量級ゲームを高解像度表示にしてもカクカクとした動きになることなく、なめらかでストレスのないゲームが楽しめます。ポピュラーな重量級ゲームを立ち上げると、自動的に背面の冷却ファンが回り、発生した熱を効率的に排出してくれます。ファンをオフにしてゲームをプレイすると背面の吸気口の近くが結構熱くなるのですが、ファンを回すと熱さが収まり、明確にファンの効果が感じられました。

  • RGBに光る冷却ファンを継承。吸気口は背面にも追加された。ファンの騒音はREDMAGIC 6S PROとそれほど変わらず、静かな部屋ではやや気になる

もう1つの新しい装備が、最大65Wの高出力に対応した急速USB充電器が付属し、わずか25分の充電で4500mAhの内蔵バッテリーがほぼフル充電できる急速充電に対応したこと。5分や10分程度のわずかな時間でもバッテリー残量をかなり回復でき、充電切れのストレスから解放されます。充電器も、GaN(窒化ガリウム)の採用でコンパクトな設計になっており、じゃまにならず携帯できます。

  • 付属のUSB充電器(左)とUSBケーブル(右)

  • USB充電器はコンパクトな設計ながら最大65Wの急速充電に対応(写真の充電器はグローバル版)。30分もあればバッテリーをカラの状態からフル充電できる

ちなみに、急速充電時にも本体のファンが自動で回転し、充電時の発熱を効率的に排出してくれます。発熱はバッテリーの劣化につながるので、この機構は好ましいと感じました。

ソフトウエア周りに詰めの甘さを感じる部分も

ゲーミングスマホとしては満足度の高いREDMAGIC 7ですが、いささか詰めの甘い部分も散見されました。

進化が予想よりも少ないと感じたのがカメラ機能です。Snapdragon 8 Gen 1は、最大30枚の写真を合成して画質向上を図ったり、4K動画撮影時に背景をぼかす処理が加えられるなど、AI機能を用いた画質向上の機能が盛り込まれています。「夜景」モードでは明確な画質向上が確認でき、AF性能もかなり向上したと感じましたが、それ以外の部分ではまだ機能が有効になっていないのか、顕著な変化は体感できませんでした。

  • トリプルカメラはREDMAGIC 6S PROと同じ。Snapdragon 8 Gen 1がもたらすAIまわりの新機能は、現時点ではすべて有効になっていないのではないかと感じた

  • 逆光で建設中のビルを撮影。影になっている部分もつぶれることなく表現している

  • おいしそうな担々麺。解像感は高いが、オートホワイトバランスはあと一歩といった印象

メール受信などの通知の音が音量を最小に絞っても大きいことや、設定画面などの日本語表記が怪しく内容がよく分からない部分が散見されることなど、従来のREDMAGIC 6S PROで感じた欠点が残っているのも気になります。

もっとも、これらの欠点はいずれもソフトウエアのアップデートで解消する可能性があるものばかりなので、今後の改良に期待したいと思います。

凝った装備のゲーミングスマホとしてはコスパが高い

REDMAGIC 7の価格は、メモリー12GB+128GBの「Obsidian」モデル(カラーはブラック)が91,000円(5月9日以降は99,000円に改定)、メモリー18G+256Gの「Supernova」モデル(カラーは透明)が116,000円(5月9日以降は128,000円に改定)。REDMAGIC 6S PROよりも1割ほど引き上げられたものの、最新SoCのSnapdragon 8 Gen 1を搭載しながら高いコストパフォーマンスを確保しているといえます。

販売開始は4月18日で、4月11日12時からの予約期間に予約すると3,000円引きで購入できる特典が用意されています。Snapdragon 8 Gen 1の処理性能や表示性能、優れた操作性、冷却ファンによる安定駆動に魅力を感じる熱心なゲームファンは響く1台となりそうです。

  • ロック解除は、画面内指紋認証と顔認証をダブルで搭載。両方を併用でき、スムーズにロック解除できるのも魅力

  • OS:RedMagic OS 5.0(Android 12.0対応)
  • プロセッサ:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1
  • 内蔵メモリ:12GB/18GB LPDDR5(モデルにより異なる)
  • ストレージ:128GB/256GB UFS 3.1(モデルにより異なる)
  • ディスプレイ:6.8インチ AMOLED(1,080×2,400ドット)、最大165Hz
  • タッチサンプリングレート:最大720Hz(マルチタッチ)
  • SIM:デュアルnanoSIM
  • アウトカメラ:64メガピクセル広角カメラ(f/1.75、画角80度)、8メガピクセルウルトラワイドカメラ(f/2.2、画角120度)、2メガピクセルマクロカメラ(f/2.4、画角78度)
  • インカメラ:8メガピクセル(f/2.0)
  • Wi-Fi:Wi-Fi 6E(IEEE802.11ax)
  • Bluetooth:バージョン5.2
  • バッテリー容量:4,500mAh
  • 防水/防塵:なし
  • 生体認証:画面内指紋認証
  • インタフェース:USB 3.1 Gen 1 Type-C、3.5mmオーディオジャック
  • サイズ/重さ:H170.57×W78.33×D9.5mm、215g