太陽生命保険と島津製作所が出資するMCBIは4月1日、アルツハイマー型認知症(以下、アルツハイマー病)の前段階である軽度認知障害(MCI)のリスクを高精度に判定する「MCI スクリーニング検査プラス」を、提携医療機関で提供開始した。
認知症の6割以上を占めるアルツハイマー病は、発症の約20年前から原因の主要物質であるアミロイドベータが脳内に溜まり始めると言われている。一方、軽度認知障害(MCI)は、健常と認知症の中間のこと。その段階で適切な予防や治療を行えば、認知症の発症を防いだり遅らせたりすることが期待できるという。
「MCI スクリーニング検査」は、MCIの発症リスクを栄養・脂質代謝・免疫に関連する血液中のタンパク質により評価する検査のこと。MCBIでは、2015年5月から全国の提携医療機関やや健診センターなどを通じて、のべ6万人以上に同検査を提供してきた。今回、提供を開始した「MCI スクリーニング検査プラス」は、従来の「MCI スクリーニング検査」の精度をより高めたもの。分析対象を9個のタンパク質に増やすことで、検査精度がより高まった。
同検査は、全国の提携医療機関で受けることが可能。自治体や医師会でも採用されている。太陽生命保険の「ひまわり認知症治療保険」では、契約の1年後から2年ごとに受け取りできる「予防給付金」を、「MCI スクリーニング検査プラス」などの認知症予防サービスにも利用できる。
厚生労働省では、日本における65歳以上の認知症患者数は、2025年には約700万人に達すると予測している。太陽生命保険と島津製作所、MCBIは、「MCI スクリーニング検査プラス」の普及を通じて、認知症という大きな社会的課題の解決を目指していくという。