「滋養のある食品」「滋養強壮」といった言葉で見聞きする「滋養」。正しい読み方を知っていますか。
本記事では滋養という言葉の意味をくわしく紹介していきます。読み方のほか類語、使い方の例文、英語表現などを解説しますので、ぜひ覚えて知識を増やしましょう。
「滋養」とは? 読み方と意味
まず、滋養という言葉の読み方と意味を紹介します。
「滋養」の読み方
滋養は「じよう」と読みます。健康食品の広告などで目にする「滋養強壮」は「じようきょうそう」と読みます。
「滋養」の意味
「滋養」とは、「体の栄養となること。また、そのもの」という意味です。どのような意味の漢字から成り立っているのかを見てみましょう。
- 滋: うるおす、栄養になる
- 養: 食物で体をやしなう、育てる、いやす
つまり滋養とは、似た意味の言葉が二語連なってできている言葉だと理解できます。
「滋養」と「栄養」の違いって?
「滋養」と似ている言葉として、「栄養」が挙げられます。
「栄養」とは「生物が生命を保ち活動するために、体外から物質をとりいれる働きのこと」という意味と「栄養となる物質そのもの」という意味があります。
一方で、「滋養」とは「体の栄養になること、またそのもの」という意味で、「生命を保つ」という意味合いはありません。主に以下のようなニュアンスで使い分けられます。
滋養:健康を促進し、体を丈夫にするもの
栄養:生命を保ち活動する・健康を維持するために必要なもの
「滋養」の使い方・例文
滋養の意味や読み方を理解できたところで、実際にどのように使えばよいのでしょうか。滋養は下記のように使われます。
滋養がある
滋養をとる
使い方を例文で確認していきましょう。
・滋養を豊富に含んだ川の水が、豊かな森を形成する
・読書はまさに、心の滋養となる大切な習慣だ
・その地方では昔からマムシ酒が滋養強壮に効果があるとされてきた
・深海の水はきわめて滋養分に富んでおり、多種多様な深海生物を育んでいる
・薬膳料理はいま、現代人の疲れた体と心を癒やす滋養食として注目されている
「滋養」を含む言葉
滋養を含む言葉の例を、いくつかご紹介します。聞き慣れないものもあるかもしれませんが、教養までにご一読ください。
滋養分
滋養分の読み方は「じようぶん」、意味は「食べ物や飲み物に含まれる、体の栄養になるものや成分、栄養分」です。「滋養分が豊富な食品」などの使い方があります。
滋養強壮
滋養強壮の読み方は「じようきょうそう」です。滋養強壮とは健康食品の広告で目にすることが多いですが、四字熟語というわけではなく、辞書にはのっていません。ただし、強壮には「体が丈夫で、元気なこと」という意味があることから、滋養強壮は「体を丈夫に養うもの」を表す言葉として使われています。栄養不足や偏りが気になるときに服用する薬を「滋養強壮剤」と言います。
滋養浣腸
滋養浣腸の読み方は「じようかんちょう」です。栄養補給などを目的として、栄養素を含んだ薬液を浣腸し、腸から直接、吸収させることを言います。
滋養糖
滋養糖の読み方は「じようとう」です。栄養補給が目的の麦芽糖製剤のことで、消化不良の症状がある乳児に用いられていました。
「滋養」の類語
滋養の意味は「体の栄養となること。また、そのもの」となりますが、ここでは似た意味をもつ類語について見ていきましょう。
栄養
栄養の意味は「生物が生命を保ち活動するために、体外から物質をとりいれる働きのこと。また、それに必要な成分」です。「営養」と表記されることもありますが、「栄養」とするのが一般的です。
- 栄養価(えいようか): 食品の栄養としての価値
- 栄養失調(えいようしっちょう): 栄養不足のため、体に異常が見られる状態
上記のように栄養は滋養の類語となりますが、滋養には栄養の「生命活動に役立てる」という意味は含まれていません。
養分
養分の意味は「栄養となる成分」です。先にご紹介した「滋養分」と同じ意味があります。「養分を蓄える」「養分を吸収する」などの使い方があります。
精分
精分の意味には「精神や気力のもと」のほかに、「精力のもとになる栄養素」があります。
エネルギー源
エネルギー源という言葉もまた、滋養の類語だと言えるでしょう。「エネルギー(活動力)を供給する食品に含まれたもの」という意味で使われます。
「滋養」の英語表現
上記のとおり、滋養とは栄養と意味が近い言葉だと言えます。英語表現においても、滋養と栄養には同じ単語が使われます。
nutrition
「nutrition」とは「栄養、食物、栄養物」などの意味をもつ名詞です。
The child is in good nutrition.(その子供はよい栄養状態にある)
nutritional information(食品の成分表示)
nutritional
「nutritional」とは「nutrition」の形容詞で、意味は「栄養上の、滋養のある」などと訳されます。
nutritious
「nutritious」とは「滋養のある、栄養のある」という意味の形容詞です。
nutritious balance(栄養バランス)
provide nutritious meal(栄養のある食事を提供する)
「滋養」とは「体の栄養になること、またそのもの」
滋養という言葉の意味や類語などを紹介してきました。滋養とは「体の栄養になること、またそのもの」という意味。サプリメントや健康食品の広告などで目にする「滋養強壮」とは「体を丈夫にする養うもの」という意味で、これを目的にした薬を「滋養強壮剤」と言います。
このように、滋養は栄養とほぼ同じ意味で使われています。英語表現「nutrition」もこの機会にしっかり覚えておきましょう。